前回の記事で開封の様子をお届けした「XPERIA Z3 Tablet Compact」。こちらの記事では、実際に使ってみて感じたことをじっくりとレビューしていきたいと思います。
と、その前にまずはセットアップから。
電源ボタンを長押しすると内蔵ヴァイヴレータが一瞬振動し、電源が入ります。初回起動ではこのあとセットアップ画面へ遷移します。言語の確認・無線LANへの接続・Googleアカウントへのサインインなどを済ませると、ホーム画面が現れます。
設定を一通り確認したあとはOSのバージョンを見てみます。せっかくですからイースターエッグを起動してこの画面へ。Android4.4ですから、KitKatをモチーフにしたロゴが出現。詳細バージョンはAndroid4.4.4です。手持ちのXPERIA ZL2は2015年1月現在Android4.4.2、購入候補の一つだったXPERIA Z Ultraは出荷時は4.2.2、アップデートにより4.4.2に対応ということで、現時点ではXPERIA Z3と並んでSONYのスマートフォン・タブレット群で最新のOSを備えています。OSの更新に対応していますので、Android5.0以降へのアップデートデータ提供に期待したいところです。
そのあとは必要なアプリケーションをインストールしていきますが、とにかくサクサク進む。やはり2.5GHz、クアッドコアCPUと3GB RAMの威力は絶大です。以前のDG-D07S/GPは1.2GHz、デュアルコアCPUに1GB RAMでした(これはホーム画面の左右スクロールすらカクつくレベル)から、大幅なスペックアップです。XPERIA ZL2とはCPUのクロック周波数以外のスペックはほぼ同じですので、体感速度はほぼ同じでした。
一通りのアプリケーションとデータの移行を終え、ホーム画面はこんな感じ。XPERIAスマートフォンは画面が小さく、電話やメールなどのアプリケーションアイコンも並べる必要があったため2画面使用していましたが、こちらは最大で6x5個 + どのホーム画面でも表示される6個のアイコンが並べられるため、現時点では1画面で収まってしまいました。天気ウィジェットはXPERIA ZL2は1画面目(メイン)には収まらず、2画面目に置いていたのですが、それも一つの画面で確認できるようになってお天気チェックがより便利になりました。なお、DG-D07S/GPはホーム画面の面数が5枚固定ですが、XPERIAスマートフォン・タブレットは必要に応じて面数を最大8枚まで自由に増減することができます。
大きさ・重量ですが、「タブレット端末にコンパクトさを求めるのはおかしいし、カバンに入れての持ち運びとしよう」と割り切ったうえで購入したため、大きさについて不満点はありません。むしろ、Z Ultraはポケットに入るギリギリのサイズだったため、入らない服があった際にストレスを感じたかもしれない、と思うと、初めから割り切っておいてよかったと思います。また8型という、大画面と携帯性のバランスを取ったものですので、いろいろなところへ持ち運び、大画面で快適にウェブブラウジングなどができるのではないかと思っています。
続いてタッチ感度ですが、XPERIA ZL2ほどではないものの、高い部類に入ると思います。DG-D07S/GPは指を画面にしっかり押し付けないと反応しなかったり、途中でタッチが切れてしまったりしますが、Z3 Tablet Compactはよほど軽い力でない限りは軽く触れるだけでタッチを認識します。静電容量式タッチパネル向けスタイラスペン(ペン先がゴムになっているタイプ)を用いて、OneNoteで線を描いてみますと、ZL2は軽くなでるような筆圧でもきちんと認識します(むしろペン先が画面から少し浮いていても認識するほど)が、Z3 Teblet Compactは少し力を入れないと線が途切れてしまいます。しかし、画面に跡が付くほど力を入れる必要はなく、強く押し付けてもペン先を認識しなかったDG-D07S/GPに比べれば明らかに高感度です。ちょっとしたメモ書き程度なら十分使えそうです。
続いて液晶画面。発色は大変良く、RGB・白・黒がきちんと表現できていると言えます。ZL2とZ3 Tablet Compactに白基調の画面を表示させて並べて置くと、ZL2のほうは発色が若干赤っぽいのがわかりました(ホワイトバランス補正によって調整は可能)。なお、発色の良さはDG-D07S/GPも同じで、1万円台の格安タブレットの割に色の表現力が非常に良いのが印象的でした。
なお、非光沢タイプの液晶保護フィルムを貼ったせいか画面がややぼやけて見えます。これは画質追求よりも日ごろの扱いやすさを優先したため仕方ありません。どうしても気になれば液晶保護フィルムを貼りかえるという手段もありです。
写真ではわかりにくいですがそのほかに気付いたこととして、表面のガラスと液晶画面との間にわずかにすき間があることがわかりました。ZL2は表面とタッチセンサー、液晶画面との隙間は皆無に等しく、ダイレクトな操作が可能でしたし、画面をオフにすると画面周りの黒い枠と完全に同化しSONYが言うところの「1枚の板のよう」に見えました。が、Z3 Tablet Compactはわずかに液晶画面が下のほうにあり、画面をオフにしても周りの黒い枠との境界がうっすら視認できます。とはいえ、操作性に大きな影響はありませんので、ここは「好みの問題」ということで。
内蔵ヴァイヴレータが搭載されていますので、XPERIAスマートフォンなどと同様、マナーモードの設定が可能です。もちろん、ヴァイヴレータもオフにした「サイレントマナーモード」の設定も可能です。さらに、通知ランプもありますので、画面がオフになっていても通知に気付くことができます。もっとも、純正カバーを付けると基本的に前面がカバーで覆われた状態になりますので、通知ランプは見えませんが(笑)。
周辺機器とのリンクもおおむね良好です。特にXPERIAスマートフォンとは、裏面のNFCをタッチするだけでBluetoothの設定やその他スマートフォン・タブレット端末同士のリンクの設定を一発で済ませてくれます(ZL2にはこの設定のためのアプリケーションが入っていませんので、Google Playからダウンロードする必要があります)。この設定を済ませておけば、XPERIAスマートフォンのテザリングをZ3 Tablet Compactからオン・オフすることもでき、屋外でモバイルデータ通信が必要になった時、わざわざスマートフォンをいじらなくてもよく非常に便利だと言えます。
なお、FeliCaには対応していませんが、Google Playから「NFCタグリーダー」をダウンロード・インストールすることで、例えばICOCAやWAONカードなどの非接触型ICカードをNFCロゴにタッチすると残高の確認ができるようになります。特にICOCAやWAONカードなどは「いくらチャージしていたっけ」といった場合に駅やお店の端末で確認する必要がありましたが、このアプリケーションがあれば自宅にいながら残高・履歴を確認することができ、大変便利です(すべての非接触型ICカードに対応しているかはわかりません)。
カメラ機能についても簡単にレビューします。
これはZ3 Tablet Compactのリアカメラで実際に撮影した画像です(クリックすると少し拡大しますが、オリジナルからリサイズしています)。必要にして十分な写りだといえます。オートフォーカスも効きますので、ちょっとした記録程度ならこのカメラは十分使えそうです。
手持ちの音楽をハイレゾ相当にアップコンバートする「DSEE HX」ですが、音楽配信サービス「mora」で購入した一般的な音質の楽曲(今回比較に用いたのは洋楽のような曲調のアニソン)を、MDR-CD900STを用いて「DSEE HX」のオンオフを繰り返しながら比較してみましたが、大きな違いは感じられませんでした。MDR-CD900STとハイレゾ対応ヘッドフォンとでは音の特性が異なりますし(CD900STはフラットなのに対し、ハイレゾ対応ヘッドフォンは一般にドンシャリ)、曲の特性上違いを感じにくかったということも考えられますが、よほどビットレートの低い音楽ファイルでなければDSEE HXの恩恵は感じにくいと思います。もっとも、ハイレゾは半ばフィーリングがものをいう分野でもありますので、DSEE HXをオンにしているだけで「DSEEオフの時よりも音がよくなった"気がする"」と感じることはあるかもしれませんが(笑)。
それはそうと、純正カバーを付けたZ3 Tablet Compact……
手持ちのダイアリーとほとんど寸法が同じというwそんなわけで、
ラックに入れるとほかの本と同化してしまいますね、ハイ(´・_・`)
現時点で気付いた点は以上になります。気付いた順に列挙していったため、読みづらい記事になりましたことをお詫びします。が、ご購入の際の参考になればと思います。
なお、このタブレット端末のもう一つの購入理由である「nasneとの連携によるテレビ番組視聴」ですが、まだnasneが手元にありませんので、導入次第そちらの開封レビュー記事にて気付いたことを書きたいと思います。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。