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【特集】2018年を振り返って〜交流と成長の一年〜

 今年も残すところあと1週間余りとなりました。慌ただしくも充実した日々を送り、いつの間にか年末が近づいてきていることに気づいた時、歳を重ねるごとに一年があっという間に感じるようになってしまった自分がいることに改めて気付かされ、一年がとてつもなく長く感じられた過去の自分が懐かしくなります。そして、12月ごろから流れ始めるクリスマスソングや正月のセール情報などをふと目にしたとき、今年ももう終わりか…という寂しさのようなものも年々増してきている気がします。心身ともにいまだ衰えを知らないからなのかもしれませんが、月日の経過の早さという別の側面で年齢を感じている24歳の年末です。  さて、私は2013年から「1年を振り返って」というテーマで、その年一年を「〇〇と××の一年」という言葉で表現し、その年に自分に起こった出来事を様々な面から振り返る記事を毎年投稿してきました。今年も去年と同様、活動の中心がSNSやサークルHPなどに移っていることからブログの稼働率も低い状態を継続する形となってしまいました。一方で私自身のアクティビティとしては「過去にないほど濃密だった」と表現した昨年をも上回るほどの濃密な一年でした。また、来年からいよいよ社会人として新たな一歩を踏み出すこともあり、今年は「学生生活最後の」「平成最後の」といった、「最後」を何かと意識することや、これまでの人生を振り返り、今後の自分のあり方を考えることも多くありました。相変わらずの長文ではありますが、この記事をご覧になりながら皆様もこの一年に思いを馳せていただければと思います。なお、学生生活全体(小・中・高・大・院)を振り返り、来たる社会人生活に向けての意気込みを述べる記事は、機会を改めてお送りしたいと思います。 年全体の所感 私の今年一年を一言で振り返ると「交流と成長の一年だった」と言えます。もちろん去年以前も創作活動に関わる様々な方とSNSなどを通じて交流し、技術面でも常に努力し成長し続けることを意識してきましたが、今年はこれまでにないほど多くの方との交流やそれを通じた創作活動の拡大、新たな作品傾向にチャレンジすることによるスキルの向上を実践し、また実感することができた一年でした。 創作活動 来年から社会人となるにあたって、社会人になってからも趣味として創作活動を続けていけるよう、今年はそれまでの活

2018年前半を振り返って~未来への準備と新たな交流の半年~

 早いもので2018年も半分が終わろうとしています。年を重ねるごとに年月の過ぎ去り方はさらに早くなってきており、C93をはじめとした年末年始の東京遠征がまるで昨日のことのように思えます。私ヘスは毎年6月末にその年前半を振り返る記事を投稿しておりますが、今回も2018年前半を振り返ってみたいと思います。  この半年間を一言で振り返ると「未来への準備と新たな交流の半年」だったと感じています。昨年2017年は大学を卒業し、大学院に進学したというイベントが前半にあったものの、日常生活の中で印象的なイベントは少なかったのに対し、今年は来年以降の自らの人生を決めるイベントが行われたり、創作活動の分野での新たな作品・人との出会いや交流など、すでに濃密なものとなっています。  今年前半、特に1~3月までの3か月間で印象的だったのは就職活動です。私は2年前、就職ではなく大学院進学を選び、おととしのこの時期はイラスト・漫画制作や旅行などをしていました。しかし、そんな私にもいよいよ就職の時が来ました。私はインターネットや学内行事などを通じて様々な企業の情報を入手し、業界研究イベントやインターンシップにも多く参加しました。その結果、自分考える働き方や休暇の過ごし方に合った企業をいくつか見つけることができました。就職活動の結果については正式な内定日の前であるため明言は避けさせていただきますが、すでに進路が決まったことをご報告します。  進路が決まったということで残りの学生生活をエンジョイ!……といきたいところですが、私は大学院生であるため、自らの行っている研究を進めなければなりません。今年も夏に学会発表をすることになり、4月末~5月初めにかけてそのための論文制作を行いました。昨年はゴールデンウィークが完全につぶれ、特にゴールデンウィーク最終日は学校に泊まって論文制作というなかなかのカオスっぷりでしたが(笑)、今年は去年のノウハウがあったことや、同じ学会に研究室のほかの学生が出さないこと、先生が私の文章作成能力を信頼してくれたことなどから、幾分楽に過ごすことができました(その分短期間で一気に論文を書き上げる必要があったため、忙しいことに変わりはありませんでしたが)。また、進路が決まったということで東京に引っ越すこともほぼ確実となったため、現在新たな居住地を選定しているところです。幸い

【レビュー】OCNモバイルONEに乗り換えてみて~結局のところ、格安SIMってどうなの?~

 先日、 Huaweiのスマートフォン「Mate 10 Pro」のレビュー をお届けしましたが、この時に携帯電話のキャリアをそれまでのSoftbankからMVNOの「OCNモバイルONE」に乗り換え(MNP)しました。大手3社は高額な通信料金や〇年縛りなどのしがらみが多く、格安SIMに乗り換えたいという方も多いと思いますので、初めてMVNOに乗り換えたユーザとしての率直な感想をレビューし、「結局のところ、格安SIMってどうなの?」をテーマにお送りしていきたいと思います!  私は2016年の4月にSoftbankにMNPで乗り換え、その際Nexus 6Pを購入しました。例によって2年契約で契約したため、そろそろ契約更新の時期が近づいてきていました。また、この2年間端末を酷使してきたためバッテリがかなりへたってきており、バッテリ残量が少なくなってきたところで負荷をかけると突然バッテリ残量が0になり電源が落ちるという状況でした。そこで次の乗り換え先を検討していたのですが、キャリア大手3社には気になる機種がなく、また仮にあったとしても現在のNexus 6Pほど格安(月5,000円強、端末割賦代金が月2,300円ほどだったので通信料金は実質2,700円程度)で機種変更できる見込みがないことから、今度こそMVNO(いわゆる格安SIM)へ乗り換えることにしました(※実はNexus 6Pへの機種変更の際にもMVNOを検討していたが、この時は前述のような格安プランによりMVNO並みの負担で済んだため、SoftbankにMNPした)。Mate10Proは、今回私が選択したMVNO「OCNモバイルONE」で端末セット購入のラインナップにも含まれており、24回分割で毎月通信料金と一緒に支払うことも可能でしたが、諸事情により先に端末のみを購入し、Softbankの契約更新期間開始となる4月21日にOCNモバイルONEに乗り換えました。  現在日本には非常に多くのMVNOが存在し、各社が多様なサービスを展開していますが、その中で私がOCNモバイルONEを選んだ理由としては、 サービスを提供している事業者がNTTコミュニケーションズであること 会員限定サービスやサポートなどが特に必要なかったこと の2つです。特に1番目は非常に大きく、いくら格安SIMであるとはいえ、通信に万

【開封レビュー】Huawei Mate 10 Pro

今回はHuaweiのSIMフリースマートフォン「Mate10Pro」を購入しましたので、ファーストインプレッションをお送りします。  私は2016年の4月にSoftbankにMNPで乗り換え、その際Nexus 6Pを購入しました。例によって2年契約で契約したため、そろそろ契約更新の時期が近づいてきていました。また、この2年間端末を酷使してきたためバッテリがかなりへたってきており、バッテリ残量が少なくなってきたところで負荷をかけると突然バッテリ残量が0になり電源が落ちるという状況でした。そこで次の乗り換え先を検討していたのですが、キャリア大手3社には気になる機種がなく、また仮にあったとしても現在のNexus 6Pほど格安(月5,000円強、端末割賦代金が月2,300円ほどだったので通信料金は実質2,700円程度)で機種変更できる見込みがないことから、今度こそMVNO(いわゆる格安SIM)へ乗り換えることにしました。Mate10Proは、今回私が選択したMVNO「OCNモバイルONE」で端末セット購入のラインナップにも含まれており、24回分割で毎月通信料金と一緒に支払うことも可能でしたが、諸事情により先に端末のみを購入し、Softbankの契約更新期間開始となる4月21日にOCNモバイルONEに乗り換えました。OCNモバイルONEへの乗り換えの詳細や、格安SIMの使用感などについては、格安SIMに興味を持たれている方も多いと思いますのでまた別の機会に記事を書きたいと思います。  それでは早速開封していきましょう! Huaweiのスマートフォンのフラッグシップモデルだけあって、パッケージも非常に高級感があります。箱を開けると例によっていきなり本体が登場しますが、いったん置いておいて先に付属品を紹介します。 クイックスタートガイド、SIMトレイ取り出しピン、クリアケース。Mate10Proにはクリアケースと液晶保護フィルム(光沢タイプ、本体に貼り付け済み)も付属するという至れり尽くせり仕様!ただ、クリアケースはゴム素材のため使用とともに表面がベタベタしてくること、また液晶保護フィルムは出荷時の傷を防止するためのものであり最低限の強度しかなく、爪でひっかくだけで傷がついてしまうことから、あまり長く使い続けられるものではなさそうです(汗)。私も使用開始

【開封レビュー】HP Spectre x360(2017年11月モデル)

 今回はHPのノートPC「Spectre x360(2017年11月モデル)」を購入しましたので、開封の様子とファーストインプレッションをお送りします。我ながらかなり大きな買い物をしちゃいました…… ※Spectre x360には第7世代Coreプロセッサを搭載したモデルと、2017年11月に発売された、第8世代Coreプロセッサを搭載したモデルが存在し、本体の形状なども異なっています。今回私が購入したのは2017年11月モデルとなります。以降、単に「Spectre x360」と表記した場合は基本的に2017年11月モデルを指します。  Spectre x360はHPのノートPCの中のプレミアムモデルライン「Spectre」シリーズの2in1(必要に応じてノートPCスタイルとして使うことも、タブレットスタイルとして使うこともできる)で、いわゆる「キーボード非分離型」に分類されます。Surface ProやMatebookなどのキーボード分離型はタブレットスタイルとして使用する際はキーボード部分が付いてこないため軽量となりますが、キーボードを装着して使用する際は特性上机上スペースを多く占有してしまうものがほとんどです。対してキーボード非分離型は普通のクラムシェルノートと同じように使うことができるため、ノートPCとして使用することが多いユーザーに向いているといえます。また、ディスプレイの回転させる角度を自由に変更することで、同じタブレットスタイルでもディスプレイ部が手前に来るように設置したり、テントのように立てかけたりすることもでき、自由な姿勢でPCを使用することができます。  それでは早速開封していきましょう!今回は本体のほか、非光沢タイプの液晶保護フィルムも同時に注文したのですが…… こんなでっかい箱に薄い液晶保護フィルムのパッケージが1枚だけ(笑)。もう少しなんとかならなかったんですかね……  さて、それはさておき、本体のパッケージを開封していきましょう! 本体のパッケージは、さらに別の段ボール箱に梱包されており、その段ボール箱の中にSpectre x360専用ケースも付属していました。PCに傷をつけずに持ち運べる安心感で、より積極的に外へ持ち出したくなります。 それでは本体パッケージ!パッケージも高級感があり、開封する前から最

【自作小説】World Resetter ~Crossing Memory~「第16話(終) この世界は、奇跡でできている」

 俺は夢を見ていた。それが夢であることは体の浮遊感からすぐにわかったが、久しぶりに生々しい夢の世界に放り込まれた感覚だった。 「久しぶりだね、恵吾くん。……やればできるじゃん」  その声は、いつか夢の中で俺に説教を見舞った少女のものだった。そして、今ならその少女が誰か、はっきり思い出すことができる。 「……早苗」 「私の名前も、ちゃんと思い出せるようになったんだね。そう、私の名前は理堂早苗。恵吾くんに瑠香ちゃんと話すきっかけを作った女の子で、恵吾くんのことが大好きな女の子で、恵吾くんが瑠香ちゃんのことと同じぐらい愛してくれた……女の子、です」  早苗は顔を手で覆い隠し、もはや彼女と目を合わせることはかなわないように思えた。早苗の呼吸が震えている。きっと、俺が早苗ではなく、瑠香を選んだ悲しみを、そして、今までそんな瑠香と同じぐらい自分のことを愛してくれたことに対する嬉しさを、今の言葉で再認識し、感情を抑えきれなくなったのだろう。彼女の涙は、明らかに俺のすべての行動の結果によって生み出されたものであり、ゆえにこちらまで目頭が熱くなる感覚を禁じえなかった。 「……もうっ、恵吾くん!黙ってないでなんとか言ってよ!どうせ、私がこうやって泣いて顔を隠しているのを面白がっているんでしょう!」 「ち、違うわ!……そうじゃなくてさ!なんというか、いま早苗が悲しんでいるのは、俺がああいう決断をしたからなんだろ。そりゃあ、こっちだって、なんて言葉かけたらいいかわからなくもなるよ。なんか、ごめん」 「なんで謝るの!それに私、悲しくて泣いてるって、一言も言ってない!……すぐそうやって、自分が悪かったって思うんだもん、恵吾くん……昔から、ずっと」  早苗はその後しばらく黙り込み、この空間には沈黙が流れ続けた。しばらくして落ち着いたのか、早苗は顔を覆っていた手を離し、うつむきながらもゆっくりと話し始めた。 「でもね……いま私、すごく思うんだ。恵吾くんのそういうところも、ほかの良いところも悪いところもぜーんぶ含めて、私は、恵吾くんのことが好きだったんだな、って」  早苗が上目遣いで俺のことを伺う。そのまなざしはあまりに儚く、しかしとても力強く、俺に一時の自制を忘れさせた。自分でも気がつかないうちに口が動き始めていた。 「俺……やっぱり……っ!!」 「だめ。」  早苗がす

【自作小説】World Resetter ~Crossing Memory~「第15話 あるべき世界への収束」

 俺は、この結論に至るきっかけとなる言葉を授けてくれたマスターにお礼を言うべく、喫茶店に向かった。もしかして、扉の向こうに瑠香がいるのでは、と、若干の高揚感を抱いて重い木の扉を押した。しかし、そこにいたのはマスターと、以前ここで喧嘩をしていた男女であった。その男女は、この前喧嘩していたのがまるで嘘であるかのように、親しく会話をしていた。マスターは、俺に静かに目配せをし、奥のテーブルに導いた。 「マスター、この前はありがとうございました。マスターの言葉のおかげで、ちゃんと決断することができました」 「……そうかい、よかったね」  マスターは、俺にそんな話したっけ?とでも言わんばかりに、まるで他人事のような淡白な返事を返すにとどめ、静かにカウンターの奥に戻っていった。 「マスター、こんにちは」  俺がコーヒーを飲んでこの空間の空気と同化しようとしたころ、その空気を引き裂くかのようにカランコロンという鐘の音と耳障りなドアの軋みの音とともに喫茶店の入口のドアが開いた。俺が座っている位置からは、誰が入ってきたのかは見えない。マスターは、その来客に対して、俺の方向に目配せをし、俺と相席になるようにとでも言っているようであった。 「……あれ?けーくん?」  朗らかな女性の声が俺に向かう。俺はコーヒーカップを静かに置き、その女性に対して紳士的な対応を……けーくん?いま、俺のことを「けーくん」と呼んだか?「けーくん」という呼び名を認めているのは、ただ一人だけだった。俺は慌ててその女性の顔を見る。 「えっ……えっ……」  俺は、言語を発することができなくなった。目の前にいるその女性が間違いなく「瑠香」で、今までこの世界から実体がすべて抹消されていた「瑠香」で、俺が最も愛すると決断した「瑠香」で。様々な感情が交錯し、俺の脳内は「瑠香」でいっぱいになり、ついに涙が流れ始めた。 「ちょっ、けーくん!?どしたの急に泣き出して?また何か嫌なことでもあった?私が聞いてあげるよ?」  そっか……瑠香は、俺が瑠香の存在を認識できない世界にいたことに気づいていないのか……瑠香は、俺が悩み、苦しんだこの5年間も、普通に生活していて、おそらく「恵吾」とうまくやっていたんだろう。きっと、毎週のように「恵吾」と心身を一体化させ、快感と幸福に満ちた人生を送っていたんだろう。虚無と孤独の5年間

【自作小説】World Resetter ~Crossing Memory~「第14話 大切なあの子のための最適解」

 俺は、半ば無意識的に、再びあの喫茶店を訪れていた。人生について困ったときにはマスターに尋ねればいい。人生経験豊富なマスターなら、きっと問題解決のための道筋を教えてくれるはずだ。鮮やかな期待を胸に、俺は重い木の扉を押し開いた。 「その質問については、答えることも、ヒントを与えることもできないな」  マスターは、俺の相談に終始耳を傾け、時折コーヒーを含みながら、まるで素晴らしい答えへの道程を示してくれるかのような素振りを見せておいて、このような淡白な回答にとどめた。マスターなら教えてくれると思ったのに。俺はマスターに裏切られたような気分で、怒りと悲しみを胸に抱きつつも、それでもマスターのこの発言にはまだ何か意味があるのではないかと思い、おそるおそる尋ねてみた。 「どうして、マスターはこの質問に答えてくれないんですか」 「それはね、残っている問題が君の心の中にあるたった一つの決断をどうするか、ということだけだからだよ。私は今まで、この世界の複雑な仕組みやいろんな問題が絡み合ったややこしい状態に対してアドバイスをしてきたけど、最後にどうするかは君の判断に委ねていただろう?今回もそれと全く同じことさ。この問題に関しては、世界の複雑な仕組みについては君はすでに理解している。ややこしい問題についても君はおおよそ理解できていると私は感じた。ならば、残るは君の心の中で判断を下すだけなんじゃないか?」 「だから、それに困っているからマスターに尋ねているのであって……」 「自分の人生の判断を他人に委ねる人ほど、愚かな者はいないよ。私がこの問題についてアドバイスをしたら、確かに君の心の中のもやもやは消えるかもしれない。でも、それは君の判断ではなくて、私の判断だろう?私の判断で二人、いや、君を入れた三人の人生が左右されて、君たちはそれを本当に幸せだと思えるのかい?人間は、たしかに誰かと助け合って生きていく生き物だけれど、なんだかんだで、結局独りぼっちにならなきゃならないんだよ。そういう意味では、君みたいに、すでに二人で助け合って生きていく未来が保証されている人生ほど、豊かなものはないと思うんだけどな」  俺は、マスターの言葉を理解するための脳の処理が追い付かなくなり、心身の激しい混乱で痙攣を起こしそうになった。そして、早くこの場から立ち去りたいという生存本能が働き、コーヒーの

2018年度の創作活動の方針

 HEstudentはこのほど、2018年度の創作活動の方針を以下のように決定しました。 テーマ「続けるための選択」 私は高校の時に創作活動を始めて以来、音楽やイラスト、まんがを作るということにストイックに取り組んできました。高校時代には学業よりも創作を優先し、成績が低迷した時期を過ごしました。大学に入ってからは学業をおろそかにすると単位を落としたり、最悪の場合留年につながるため、うまく折り合いをつけつつも、やはり創作活動に注力したことに変わりはなく、必要最低限の生活行動と学業のための時間以外のすべてを創作活動につぎ込みました。時には徹夜(正確にはオールのあとそれをカバーするための睡眠を取っていたため完徹ではないが)を何日も続けることもありました。結果として、私は数多くの作品を制作し、送り出すことができました。  しかし、そんな私もいよいよ来年には学生ではなくなり、社会人となります。社会人として決められた時間に出社することはもちろん、万全の体調で業務に臨むことも要求されます。そのことを考えたとき、現在の肉体や精神に無理を強いる創作活動のスタイルが社会人になってからの自分には合わないのではないかと考えるようになりました。とはいえ、自分の人生が変わるきっかけとなった創作活動をやめたいとは思わないので、かつて高校から大学に進学するときのように、来年以降も長期にわたって継続的に創作活動に取り組めるよう、創作活動の方針を再度見直すことにしました。まだ社会人になるまで1年ありますが、この1年間で社会人になってからも創作活動を続けていくための基盤を試行錯誤しながら築き、不安を感じることなく1年後を迎えられるよう今から活動面・生活面を見直していくことにします。 オリジナル漫画について 以前投稿した「女パソ2~とある女子パソコン部の日常 Season 2~」の第3話の最後のページで、2018年度はパソコン部をテーマにした漫画と、百合をテーマにした漫画の2作品を連載していくと記しましたが、これは撤回し、パソコン部をテーマにした漫画については不定期で更新する漫画(更新日を決めた「連載」の形は取らない)とし、百合をテーマにした漫画については漫画形式をやめ、自作小説の形式として不定期に更新する作品とします。  これまで「女パソ」シリーズを定期的に更新(Season 1は月

【自作小説】World Resetter ~Crossing Memory~「第13話 答えのない問い」

 再び意識が本来あるべき位置に戻ってきたとき、俺はいつか体験したのと同じように首から上しか実体が存在しないかのような感覚に陥っていた。外界は完全に真っ暗闇で、自分自身が今どこにいるのか、そもそも自分という存在が本当に存在しているのか。次々に降りかかる事実が俺をさらに混乱させ、ますますわけが分からなくなってくる。 「久しぶり、だね。まさか、こういう形で恵吾くんとまた会えることになるとは思わなかった。嬉しい、な……」  そのように話す少女に、どこか思い当たる節があった。しかし、それが何を示しているのかはわからず、少女が誰であるか、そして俺にとっての何であるかは、少なくとも現時点の俺にはわからなかった。 「ごめん……君と俺、どんな面識があったっけ……」 「……なるほど。恵吾くんの事情はわかったよ。そして、どうして私がここに来たのかも、ね」  少女はこの混乱した状況を、むしろ楽しんでいるかのような調子で続けた。 「ここは、おそらく心の乱れと記憶の錯誤が具現化した世界だね。恵吾くんは、ここに来るまでにきっと自分では抱えきれない心の大きな変化があったか、自分でもわけが分からないような、心境の変化があったと思う。世界の仕組みってなかなか面白くて、そういう混乱の度合いが自分の中での閾値を超えてしまうと、それがその人の世界線に影響を及ぼして、心の状態が具現化して現実の世界に何らかの影響を及ぼす世界に飛んでしまうみたい。いま、恵吾くんが悩んでいるのも、おそらくこれで説明がつくと思う」 「心の乱れが具現化した世界、か……それは、俺が以前体験した「やり直し」の世界とは違うのか」 「世界の仕組みは違うけど、世界線を移動する点では共通しているかな。心の変化が移動に関与しているのも一緒だね。恵吾くんは、ここ最近というか、だいぶ前から心に何か引っかかるものがあるんじゃない?」 「うん……俺が大切にしていて、でも事故で死んじゃった「早苗」って子が、実は「早苗」じゃなくて、俺が「早苗」の紹介で仲良くなって、人生のやり直しを重ねていく中で、結婚したり子供を授かったりした「瑠香」だったかもしれないんだ……」 「恵吾くんが本当に大切で、かけがえのない存在だって思ってるのは?」 「もちろん、早苗だ」 「恵吾くんが一生を捧げたい、あるいは身を委ねてほしいって思ってるのは?」 「もちろん

【自作小説】World Resetter ~Crossing Memory~「第12話 忘却された存在」

 店を出た俺は、やはりそのまま家路を往く気にはなれず、喫茶店からさらに奥へと進んだ小さな公園に向かった。かつて、ここで自分の身に冗談抜きで人生が変わる出来事が何かあったような気がするが、うまく思い出すことができない。そもそも本当に自分の身に起こっていたことなのかも、今はもうわからない。公園の真ん中にある、いつか寝そべったことのある、あるいは初めて座るかもしれない、青いベンチに横になった。この数時間に起こった出来事はあまりに濃厚で、脳が猛烈に疲弊していたようで、仰向けになって大空を真正面に受けると同時に、強い睡魔になすすべをなくした。すーっと意識が彼方へと吸い取られ、ついでに誰かの存在も一緒にどこかへ吸い込まれてしまうような感覚であった。  はっと気が付いたとき、もしかして自分の身に何か異変が起こっているのではないかと疑う自分がいた。例えば自分の肉体が小学生同然になってしまい、時間もまた小学生時代にタイムスリップしてしまっているのではないかと。あるいはそれが中学生時代なのではないかと。しかし、自分の体に触れ、「もの」を上下に激しくピストンし、いつか「あの子」の中に出したのと同じ白濁のそれを目にして、自らの体には何も異変がないことが確認された。そして、携帯電話の時計を確認し、年月日が居眠り前と変わっていないこともわかり、タイムスリップも起きていないことが確認された。一安心し、携帯電話の通話アプリを開き、「あの子」にメッセージを送ろうとした。 「……あれ、「あの子」って、誰だっけ……?」  居眠り前までは容易に思い出せたはずの、俺が一番大切にしていた少女の名前が、俺がやり直し人生を終える直前、新たな命を授かった彼女の名前が、思い出せない。「あの子」は通話アプリを本名で登録していたため、トークリストを探せばすぐ思い出せるだろう。一番大切な相手の名前を度忘れするなんて、男として最低だな、と内心感じつつ、リストを繰った。  しかし、どれだけ探しても、「あの子」のものと思しきトークは見つからなかった。「あの子」と最後にトークをしたのは昨日だったので、そのトーク内容を手掛かりに履歴を一つ一つ見てみたが、まるで初めから存在しなかったかのように、あるいは俺自身が何らかのきっかけで意図的に消去したかのように、「あの子」との会話の履歴は消え去っていた。まさかと思って、電話の通話履

【自作小説】World Resetter ~Crossing Memory~「第11話 ほんとうの君は」

 ……えっ?  ……あれっ?  俺は仏壇の元へ歩み寄り、その写真を至近距離で見つめた。何度も目をこすった。しかし、何度見直しても、どれだけ大胆な見間違いをしたとしても、その写真に写っていた少女は、瑠香だった。 「あれ……早苗って、誰だったんだ?瑠香は、誰なんだ?この写真に写っているのは……?俺が好きだったのは……?本当は、どっちなんだ?」  結局、なんとか平静を装ってその仏壇の前で手を合わせ、早苗の家を後にした。その後、早苗の行きつけだった喫茶店へと向かった。道中、どうしても我慢ができなくなり、細い路地の奥の側溝に向かって嘔吐した。いま、俺自身に突き付けられたその事実は、そのまま鵜呑みに受け入れることは不可能で、かみ砕いて自分なりに解釈して受け入れるにはあまりに大きすぎるものだった。いまの俺は高校生で未成年であるためお酒は飲めないものの、かつて人生やり直しに巻き込まれていた時には成人として人生を送っていた時期もあり、その時には当然飲酒もしていた。当時の俺になぞらえて今の状況を例えるとすれば、大量に飲酒した結果記憶が飛び、胃袋を裏返しにしたかのように激しく嘔吐するときの状況に似ていた。今の俺には、あるいは胃洗浄が必要なのかもしれない。  口元の不快感を拭えぬまま喫茶店へ入る。いつも座っているカウンター席には、学校でもかなり有名なアイドル的存在の女子と、そんな女子とはまるで釣り合わなさそうな平凡な男子が何やら喧嘩をしていた。意外なことに、迫っているのは女子のほうだった。彼女は、学校でアイドルと呼ばれているのがまるで嘘であるかのように激昂していた。彼らは、入口のドアの鈴の音に気付いて一瞬こちらに視線を送ったが、俺と彼らはほとんど面識がなく、彼らも俺がまさか同じ学校の生徒であるとは気づいていないようで(あるいは彼らも俺の顔と名前は知っているが、今はそれどころではないのかもしれない)、すぐ喧嘩を再開していた。彼らの邪魔をするのも悪いので、俺は奥のテーブル席へ進んだ。すぐに歩み寄ってきたマスターにとりあえずの事情を話し、まずは水をもらった。飲食を全く受け付けないわけではなかったため、その後にコーヒーとお菓子—奇しくも俺が頼んだそれらは、早苗がかつてこの喫茶店でよく頼んでいたセットだったという—を注文した。 「で、今日はどんな相談だい?」  久しぶりに、あるい

【開封レビュー】Huawei Watch 2

今回はHuaweiのAndroid Wearスマートウォッチ「Huawei Watch 2」を購入しましたので、開封の様子とファーストインプレッションをお送りします。といってもHuawei Watch 2の発売日は昨年6月で、すでに半年経過しているので若干今更感はありますが…… 私は初めてのスマートウォッチとして去年の3月に iWOWNfitの「i6 Pro」を購入 し、スマートフォンをマナーモードにしている際の通知の受け取りで非常に助かっていました。しかし、昨年12月にスマートフォン(Nexus 6P)のOSのバージョンをAndroid8.1に更新して以降、i6 Proのペアリングが頻繁に切れるようになり(Nexus 6Pとi6 Proを再起動するといつの間にかペアリングが復活しているが、不使用時にi6 Proの電源を切り、再度電源を入れるとペアリングが行われない)、スマートウォッチの購入理由だった「通知を手元で受け取る」が満たされない状態となっていました。また、i6 Proの導入以降スマートウォッチの利便性を気に入り、より高機能なスマートウォッチがほしいと感じていました。 それではさっそく開封していきましょう! パッケージはHuaweiの中上位機種によくみられる、しっかりしたつくりのものです。 箱を開けるといきなり本体登場。本体は後程紹介するとして、先に付属品を見ていきます。 冊子類はクイックスタートガイドとSafety Imformation、保証書。そのほか、本体の充電器とACアダプタが付属しています。 この充電器は、 時計本体の盤面の裏側についている接点に合わせてくっつけます。充電器を近づけると磁石によって適切な位置に密着します。なお、Apple Watchのような無線充電ではありません。また、Android Wear(詳細は後述)を搭載しているためか、PCと接続するとHuawei Watch 2の正式な型番名である「LEO-BX9」という名前のデバイスとして認識されます。 続いて本体について紹介します。 3万円という価格の割に若干プラスチッキーな気もしますが、マットなブラックや盤面周囲のガンメタのリング、そして盤面の大きなディスプレイはそれだけでワクワクさせられるものがあります。リング部分は凹凸がついて