今回はSONYのネットワークレコーダー・ネットワークストレージ「nasne」を導入(ちょっとした縁で買ってもらえることになった)しましたので、開封の様子と機器連携を中心としたレビューをお送りします。
僕は今まで2013年8月に導入したHDDレコーダーでテレビ番組の視聴・録画を行ってきましたが、機能が「見る・録る・(録ったものを)消す」しかありません。そのため、録画した番組を保存してあとから見たい場合は消さずに置いておくか、動画が撮影できるカメラなどを用いて番組を映している画面を録画し、それをPCなどで適当に編集して残すといった方法しかありませんでした。僕はこれまでwebカメラを用いて後者の方法で必要な番組を残してきました。
去年の年末になんとなく「nasne」のホームページを見たところ、「スマートフォンやタブレットでテレビ番組の視聴や録画した番組の視聴ができる」「おでかけ転送で録画した番組を外でも見られる」「PCでも番組を見られる」「録画した番組をDVDなどに残せる」といった機能を備えていることがわかりました。今までのHDDレコーダーの番組の保存方法には特に不満は感じていませんでしたが、このときちょうど縁あって何か物品を買ってもらえることになりましたので、よりスマートなテレビライフの実現のために「じゃあnasneで」ということになったわけです。
それではさっそく開封していきましょう!
パッケージ。左上に「SONY」と書かれていますが、nasneはSony Computer Entertainmentから発売されている製品で、「torne」などと同じくPlayStationのアクセサリー扱いとなります。そのため、家電量販店のブルーレイレコーダーコーナーではなくゲーム機コーナーに陳列されていますので、商品を探す際は注意が必要です。PlayStationのアクセサリーではありますが、「torne」とは違いPlayStation本体がなくても使用できます。
裏面には機能の説明などがあります。このほか、側面には付属品が掲載されています。
中身ダバァ。まずはクイックスタートガイド・nasneオフィシャルサイト案内などの冊子類。地デジ・BS・CSを受信しますのでB-CASカードとその関連冊子も付属しています。
付属品。LANケーブルと電源ケーブル、ACアダプター、アンテナケーブルが付属しています。設置場所の都合上付属のLANケーブルでは届きませんので、手持ちの長いケーブルを使用しました。また、アンテナケーブルは部屋の壁のアンテナ端子とHDDレコーダーとを接続しているものがありますが、当分は移行期間ということでHDDレコーダーも併用しますので、付属のアンテナケーブルも用い、部屋の壁のアンテナ端子 - nasne - HDDレコーダーの順に接続しました。
本体前面。PlayStationのアクセサリーであるため、前面にPlayStationのロゴがあしらわれています。電源ランプやHDDアクセスランプなどが並びます。本体はコンパクトで軽いです。
本体背面。上には電源ボタン(長期間使用しない場合に電源を切ることができる)、IPリセットボタン(対応機器がうまく接続できない場合にnasneのIPアドレスを再割り当てするためのボタン)、USB端子(外付けHDDを接続することができる)、LAN端子、アンテナ出力端子、アンテナ入力端子(BSアンテナへの電源供給対応)、DCコネクタがあります。アンテナ端子は入力・出力ともに地デジとBS・CSの端子が一つになっているため、場合によっては混合器・分波器が必要になる場合があります。
それではさっそく使用を開始していきましょう!
まずは本体にB-CASカードをセット。LANケーブルを接続し、電源ケーブルを接続すると自動で電源が入り、セットアップが行われます。なお、テレビ機能を初めて利用する際にはチャンネルスキャンなどが必要になりますので、対応ソフトの画面の指示に従ってスキャンを実行します。
ここからは機器連携について簡単にレビューします。
PC
PCでnasneのテレビ機能を利用するには「PC TV with nasne」というソフトウェアが必要になりますが、このソフトは有料(3,000円 + 税~)となります。なお、14日間の体験版がありますので事前に動作確認を行うことができます。セットアップと今回のレビューは体験版にて行いました。
まずテレビの画質についてですが、ネットワーク経由での映像伝送の割には悪くないと思います。チャンネル受信開始直後や録画番組視聴開始直後に何度か映像が途切れますが、その後はスムーズに再生されます。僕は現在転送速度最大300MbpsのWi-Fiルーターを使用していますが、視聴開始直後以外の映像の乱れやカクつきなどはありません。
しかし、画質をHDDレコーダーと比較するとやや見劣りする部分があります。nasneのテレビ映像はコントラストが若干低いうえ、ストリーム視聴時はフレーム数が30fps程度に抑えられています。また、実際に伝送されている映像はHD程度の解像度のため、Full HD対応のHDDレコーダーのように鮮やかな映像をくっきりと表示させることはできません(2015年2月5日追記: 「PC TV with nasne」の画質設定変更により、Full HDでの視聴も可能となります。なお、高画質であるほどネットワーク使用率が高くなり、環境によってはコマ落ちが発生する可能性がありますので、ネットワーク環境に応じて設定を変更します)。とはいえ、僕はテレビ番組などにそこまで画質は追求していませんので、以上の問題は僕の使用状況では特に大きな影響はないと考えられます。少なくともwebカメラで画面を映したものよりかはきれいに記録・再生できると思いますので、特に問題はないでしょう。
DVDディスクへの書き出し機能、PCへの書き出し機能(PCへ番組ファイルをコピーし、屋外などnasneに接続できない場所でも録画番組が視聴できる機能。いわゆる「おでかけ転送」に相当)も試してみましたが、特に問題なく転送・再生できています。なお、ダビング10の制限がかかりますので、これらの機能によってコピーできるのは9回までで、最後の1回の操作は移動となります。また、DVDに書き込んだ番組はDVD相当の画質で、PCに書き出した番組は画面サイズに応じた解像度で、それぞれ本来のフレーム数で表示されるようなので、より滑らかな映像を楽しみたい場合はあらかじめPCに番組を書き出すのがよいでしょう。
なお、「PC TV with nasne」をインストールし、初めて使用を開始した時は機器接続が不安定で、一度ソフトウェアを終了して再度立ち上げた時にはソフトウェアがnasneを認識しなくなりました(Windows自体はnasneをネットワークドライブとして認識している)。いったん初期化を行い、再度機器登録を行ってからはこの問題は発生しなくなりましたが、初期化に伴ってPC内に保存されている番組が消去されるため、今後使用中にこのような問題が発生しないかが懸念事項です。
当初は製品版も自作PC(デスクトップPC)にインストールして使用するつもりでしたが、手持ちのノートPCにインストールしたほうが、例えば帰省時にそれまで録画していた番組をまとめてノートPCに転送しておいて、実家でのんびり視聴をし、帰省から戻ってきたらDVDに保存する、といった使い方もできると考え(この用途を実現するための機能確認も実行してみて、特に問題がないことを確認しました)、製品版はノートPCにインストールするつもりです。
タブレット・スマートフォン
nasneはタブレット端末やスマートフォンでもテレビを見ることができます。専用のアプリケーション「TV side view」をインストールすることで、番組の視聴・録画予約・録画番組の視聴ができます。なお、スマートフォン・タブレット端末での番組視聴には有料プラグイン(500円+税)のインストールが必要とのことですが、手持ちのXPERIA ZL2およびXPERIA Z3 Tablet Compactでは何もしなくても視聴が可能でした(2015年2月4日追記:Xperia Z2・ZL2・Z2 Tablet(Wi-Fi・LTE)・Z3(au・docomo・softbank)・Z3 Compact・Z3 Tablet Compactは、有料プラグインを購入しなくても「家じゅうどこでも視聴」や「おでかけ転送」は利用可能とのことです。なお、「外からどこでも視聴」や「もくじでジャンプ(自動でつけられたチャプターのインデックスから目的の場面を再生する機能)」などすべての機能を利用するには有料プラグインが必要です)。また、僕の環境では「TV side view」を最新版にしないとnasneを認識しなかったため、あらかじめGoogle Playにてアップデートを行ってから機器登録をします。
実際に視聴してみた感想ですが、XPERIAスマートフォン・タブレットには色をより鮮やかに表現するための「TRILUMINOS DISPLAY for mobile」や超解像技術「X- Reality for mobile」が搭載されているため、PCで再生するよりも映像をより色鮮やかにはっきりと映し出すことができます。しかし、超解像技術を使って解像度を上げているため、映像に一部不自然なところも見受けられました。とはいえこちらも画質を特に追求はしておらず、「見られればそれでいいや」程度にしか考えていないので、特に影響はないでしょう。
おでかけ転送も問題なく、画質も良好です。こちらもPCと同様、おでかけ転送した番組は本来のフレーム数(60fps程度)で再生されますので、ネットワーク視聴よりもなめらかな映像を楽しめます。
TV side viewの使用により、屋外からでも自宅のnasneに録画した番組を視聴できる、というのが宣伝文句となっていますが、屋内での使用であっても寝転がりながらテレビを見るなど、HDDレコーダーを使用していた時にはできなかった視聴スタイルを試すことができ、より便利になるのではないでしょうか。
---以下、XPERIAスマートフォン・タブレットユーザー向けレビュー---
普段はあまり意識する必要はありませんが、番組の視聴やおでかけ転送自体は「TV side view」ではなく、「ムービー」アプリが自動的に起動しその中で再生・転送が行われます。録画した番組の視聴やおでかけ転送は直接「ムービー」アプリを起動して行うこともできますので、好みや使いやすさに合わせて使用するとよいと思います。
また、この「ムービー」アプリには「配信画質設定」で「画質優先」を選択することができますが、超解像技術「X- Reality for mobile」を有効にしている限りは画質に大きな変化はありませんので、途切れのないスムーズな再生や転送番組の容量削減のために「画質優先」はオフにしておいても問題ないと思います。
その他
「nasne」はネットワークレコーダーとしての機能だけでなく、NASとしてデータを保存し、LAN内で共有させることができます。1TBという大容量HDDを備えていますので、活用方法を検討していきたいです。
というわけで、nasneの開封の様子と簡単なレビューをお送りしました。これまでは録画した番組の視聴と番組保存のための画面録画の作業を同時に行っていたため常にディスプレイの前にwebカメラがあり、映像に集中できませんでした。また、余分な光が映り込まないよう夜間に不要な明かりを消して録画する必要があったほか、そもそもレコーダーにつながっているディスプレイが自作PCのメインディスプレイと兼用となっているため、番組視聴環境の構築に手間がかかったほか番組視聴中はほかの作業ができませんでした。nasneの導入により、気が向いたときにいつでも、ベッドに寝転がったままでも視聴ができ、かつ画面に集中して映像を楽しむことができるほか、番組を視聴しながら別の作業を行うなどして、時間をより有効に利用して番組が視聴できるようになるのではないかと考えています。
当分の間は万が一のトラブルに備えてHDDレコーダーでも同じ番組を録画してバックアップを取りますが、そのうち問題がなさそうだと判断したらnasneのみで運用していきたいと考えています。その場合でもHDDレコーダーは完全に使用終了にはせず、録画が重複してしまった際の「2番組目の録画」用や、前述のような画質重視の番組の視聴・録画に引き続き使用していきたいと思っています。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。