「Xperiaアンバサダーモニター企画」パート3ではdocomo版Xperia X Performanceに搭載されている新機能の一つである「スグ電」を試してみたいと思います。また、当記事執筆時点でモニター機貸し出しから2週間ほど経過しておりますので、これまでに使用してきて新たに感じた事、以前のレビューから使い勝手が変わったことなどもここでお送りしていきます。
「スグ電」とは電話の基本操作(電話を受ける・切る・かける・拒否する)を画面操作せずにタップレスで操作できるdocomoオリジナルの機能で、2016年5月以降に発売されたdocomoのスマートフォンに搭載されています。もちろん、X Performanceも対象機種となっています。
実際の動作については文章で説明するよりも実際に動かしてみたほうがわかりやすいので、スグ電を試してみた様子を動画でご紹介します。ここでは発信(右耳・左耳)と切断を試しています。
画面オンの状態で端末を一度振ると「ブッ」と一度振動し、その状態で右耳または左耳に端末を持っていくと「ブッブブッ」と振動して電話がかかります。動画では例として右耳に時報(117)、左耳に天気予報(時報の117と文字の見た目が紛らわしいので、大阪府の天気予報06-177としている)を登録していますが、右耳と左耳とでそれぞれの番号にかかっているのがわかります。なお、右耳・左耳に登録できる番号はあらかじめアドレス帳に登録されている番号に限られます。
通話中に端末の画面を下にして置くと「ブッブブッ」と振動して電話が切れます。
なお、普段から強い振動を加えるような状況で使用している場合、その振動により意図しない発信が行われる可能性がありますので、使用する際は自分の使用状況を把握したうえで、必要な機能のみオンにして使うのが望ましいでしょう。
なお、XperiaスマートフォンにはZ5以前のモデルにも「スグ電」に似た機能として「スマート着信操作」の機能がありました。これは端末を耳元に当てるだけで電話を受けることができたり、端末の画面を下にして置くことで着信音を消すことができる機能です。一部機能は類似していますが、「スグ電」は新たに発信機能が追加されているなど、「スマート着信操作」をより進化させた機能といえます。かくいう私は電話をかけることも受けることも少ないので、この機能を活用することはあまりないとは思いますが(おい)。
ここからは、これまでに紹介してきた機能以外に気付いたポイントや、2週間ほど使用していて新たに気付いたことなどを書いていきたいと思います。
相変わらず音質がいいです。私が使用しているNexus 6Pも通話口・受話口にスピーカーが備えられているため、パワフルなステレオサウンドを楽しめますが、X PerformanceをはじめXperiaスマートフォンに搭載のステレオスピーカーは中低音域が携帯端末とは思えないほどしっかり出るため、スピーカーで音を聴く場面においては、内蔵スピーカーだけで十分満足のいく音質を得られます。
パート1では「落ち着いたピンク色で、カッパー(銅色)にも見えないことはない」とは書いたものの、やはり「"ローズ"ゴールド」としているだけあって、光の当たり方によってはかなりピンク色っぽく見えるため、Z4のようなカッパーではないことを、念のためお伝えします。
端末が貸し出された直後は精度よく反応し、レビューパート1でも「Z5より精度が大きく改善した」と書いていたのですが、1週間ほど使用したあたりから急に精度が落ちたような感じになり、水にぬれた手では反応しないほか、乾いた手で触れても反応しないことが多くなってしまいました。Nexus 6Pの指紋センサーは精度が極めてよく、100回触れて認識しないことが1回あるかないかという精度の高さです。やはりZ5から変わらない、細長く狭いセンサーが影響しているのではないでしょうか。結局私はZ5の時と同様、現在は指紋センサーを無効にして端末を操作しています。この点は次期モデルで改善が強く望まれます。
Xperiaスマートフォンのバッテリー容量の推移としては、
と、Z4以降バッテリー容量は減少の一途をたどっていますが、X Performanceでは残念ながらさらに減少し、2570mAh(実使用可能目安容量)となりました。同時期にリリースされたGalaxy S7 edgeが3600mAhのバッテリーを備えていたり、そのほかZenfone MAXが5000mAhという大容量バッテリーを備えているなど、バッテリーの大容量化が他社で進む中でX Performanceは逆行する形となっています。しかし、アンバサダーミーティングで担当者が話していたようにバッテリー消費を抑える様々なメカニズムやバッテリー充電の最適化により、容量の割にはバッテリーの減りは穏やかです。とはいえ、Lifelogを動作させていたり、その他のバッテリーを多く消費するアプリを使用した場合はこの限りではないかもしれません。
というわけで、ここまで3つのパートに分けてX Performanceのレビューをお送りしてきました。
Xperia X Performanceはそれまでの「Z」シリーズから「X」シリーズへと変化し、それまでの「ソニーの持つ技術を結集した究極のスマートフォンを作る」姿勢から「スマートフォンの本質を追求し、ユーザーに寄り添ったデザインを実現する」方針に変更となり、実際にそれを意識したデザイン上・ユーザビリティ上の進化点もありました。Zシリーズは「オムニバランスデザイン」を採用し見た目の美しさは格別なものでしたが、同時にカクカクしたデザインによって手へのフィット感に欠ける、まるで端末が手に持たれることを拒むかのようなデザインでもありました。しかしX Performanceでは緻密に計算・設計されたラウンドフォルムを採用することで、Xperiaらしい美しさを大きく損なうことなく手によりフィットしやすいデザインへと変化しました。また、Z2以降のモデルでは4Kビデオ撮影機能を搭載するなど、ハイエンドスマートフォンらしい高機能・高性能の数々でしたが、Z4以降では高性能を優先した結果熱の問題に直面し、4Kビデオというせっかくの高機能が高性能によって使いづらくなる一面もありました。一方X Performanceは4Kビデオは廃止されたもののCPUの低発熱化、バッテリー使用の最適化などを行った結果、高性能はそのままに扱いやすいハードウェア・ソフトウェアへと進化しました。これらは「生まれ変わった新しいデザイン」「先進のカメラ性能」「進化した使いやすさ」を新しいXperiaの3大特長としているだけあって、Zシリーズから大きく進化した点であり、また評価できる点でもあります。
一方、カメラ機能については多機能とはいえ最も大事とすべき画質の面で他社の同クラス製品に劣る面が見受けられました。また、指紋センサーについてもZ5から構造が大きく変化していないため、やはり他社の円形・正方形の広いセンサー面を持つ指紋認証機構に比べると認識精度に劣る部分があります。特にこの2点はZシリーズから(微調整こそ行われるものの)大きく変化していない部分であり、X Performanceの後継モデルでの「抜本的な」改善が強く望まれます。
とはいえ、このXperiaアンバサダーモニター企画に参加したことによって、こういったXシリーズの進化した点・従来から変わっていない点・改善が望まれる点を自信をもって詳しくお送りすることができました。これらのレビューがX Performance購入の際の参考になれば幸いです。今回のレビュー企画を主催したソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社様には、Xperia X Performanceの発売前レビューという貴重な機会をいただけたことを、この場をお借りして深く感謝いたします。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
「スグ電」とは電話の基本操作(電話を受ける・切る・かける・拒否する)を画面操作せずにタップレスで操作できるdocomoオリジナルの機能で、2016年5月以降に発売されたdocomoのスマートフォンに搭載されています。もちろん、X Performanceも対象機種となっています。
実際の動作については文章で説明するよりも実際に動かしてみたほうがわかりやすいので、スグ電を試してみた様子を動画でご紹介します。ここでは発信(右耳・左耳)と切断を試しています。
画面オンの状態で端末を一度振ると「ブッ」と一度振動し、その状態で右耳または左耳に端末を持っていくと「ブッブブッ」と振動して電話がかかります。動画では例として右耳に時報(117)、左耳に天気予報(時報の117と文字の見た目が紛らわしいので、大阪府の天気予報06-177としている)を登録していますが、右耳と左耳とでそれぞれの番号にかかっているのがわかります。なお、右耳・左耳に登録できる番号はあらかじめアドレス帳に登録されている番号に限られます。
通話中に端末の画面を下にして置くと「ブッブブッ」と振動して電話が切れます。
なお、普段から強い振動を加えるような状況で使用している場合、その振動により意図しない発信が行われる可能性がありますので、使用する際は自分の使用状況を把握したうえで、必要な機能のみオンにして使うのが望ましいでしょう。
なお、XperiaスマートフォンにはZ5以前のモデルにも「スグ電」に似た機能として「スマート着信操作」の機能がありました。これは端末を耳元に当てるだけで電話を受けることができたり、端末の画面を下にして置くことで着信音を消すことができる機能です。一部機能は類似していますが、「スグ電」は新たに発信機能が追加されているなど、「スマート着信操作」をより進化させた機能といえます。かくいう私は電話をかけることも受けることも少ないので、この機能を活用することはあまりないとは思いますが(おい)。
ここからは、これまでに紹介してきた機能以外に気付いたポイントや、2週間ほど使用していて新たに気付いたことなどを書いていきたいと思います。
内蔵スピーカーについて
相変わらず音質がいいです。私が使用しているNexus 6Pも通話口・受話口にスピーカーが備えられているため、パワフルなステレオサウンドを楽しめますが、X PerformanceをはじめXperiaスマートフォンに搭載のステレオスピーカーは中低音域が携帯端末とは思えないほどしっかり出るため、スピーカーで音を聴く場面においては、内蔵スピーカーだけで十分満足のいく音質を得られます。
本体カラーについて
パート1では「落ち着いたピンク色で、カッパー(銅色)にも見えないことはない」とは書いたものの、やはり「"ローズ"ゴールド」としているだけあって、光の当たり方によってはかなりピンク色っぽく見えるため、Z4のようなカッパーではないことを、念のためお伝えします。
指紋センサーについて
端末が貸し出された直後は精度よく反応し、レビューパート1でも「Z5より精度が大きく改善した」と書いていたのですが、1週間ほど使用したあたりから急に精度が落ちたような感じになり、水にぬれた手では反応しないほか、乾いた手で触れても反応しないことが多くなってしまいました。Nexus 6Pの指紋センサーは精度が極めてよく、100回触れて認識しないことが1回あるかないかという精度の高さです。やはりZ5から変わらない、細長く狭いセンサーが影響しているのではないでしょうか。結局私はZ5の時と同様、現在は指紋センサーを無効にして端末を操作しています。この点は次期モデルで改善が強く望まれます。
バッテリーについて
Xperiaスマートフォンのバッテリー容量の推移としては、
- Z2・ZL2: 3000mAh
- Z3: 3100mAh
- Z4: 2930mAh
- Z5: 2900mAh
と、Z4以降バッテリー容量は減少の一途をたどっていますが、X Performanceでは残念ながらさらに減少し、2570mAh(実使用可能目安容量)となりました。同時期にリリースされたGalaxy S7 edgeが3600mAhのバッテリーを備えていたり、そのほかZenfone MAXが5000mAhという大容量バッテリーを備えているなど、バッテリーの大容量化が他社で進む中でX Performanceは逆行する形となっています。しかし、アンバサダーミーティングで担当者が話していたようにバッテリー消費を抑える様々なメカニズムやバッテリー充電の最適化により、容量の割にはバッテリーの減りは穏やかです。とはいえ、Lifelogを動作させていたり、その他のバッテリーを多く消費するアプリを使用した場合はこの限りではないかもしれません。
というわけで、ここまで3つのパートに分けてX Performanceのレビューをお送りしてきました。
Xperia X Performanceはそれまでの「Z」シリーズから「X」シリーズへと変化し、それまでの「ソニーの持つ技術を結集した究極のスマートフォンを作る」姿勢から「スマートフォンの本質を追求し、ユーザーに寄り添ったデザインを実現する」方針に変更となり、実際にそれを意識したデザイン上・ユーザビリティ上の進化点もありました。Zシリーズは「オムニバランスデザイン」を採用し見た目の美しさは格別なものでしたが、同時にカクカクしたデザインによって手へのフィット感に欠ける、まるで端末が手に持たれることを拒むかのようなデザインでもありました。しかしX Performanceでは緻密に計算・設計されたラウンドフォルムを採用することで、Xperiaらしい美しさを大きく損なうことなく手によりフィットしやすいデザインへと変化しました。また、Z2以降のモデルでは4Kビデオ撮影機能を搭載するなど、ハイエンドスマートフォンらしい高機能・高性能の数々でしたが、Z4以降では高性能を優先した結果熱の問題に直面し、4Kビデオというせっかくの高機能が高性能によって使いづらくなる一面もありました。一方X Performanceは4Kビデオは廃止されたもののCPUの低発熱化、バッテリー使用の最適化などを行った結果、高性能はそのままに扱いやすいハードウェア・ソフトウェアへと進化しました。これらは「生まれ変わった新しいデザイン」「先進のカメラ性能」「進化した使いやすさ」を新しいXperiaの3大特長としているだけあって、Zシリーズから大きく進化した点であり、また評価できる点でもあります。
一方、カメラ機能については多機能とはいえ最も大事とすべき画質の面で他社の同クラス製品に劣る面が見受けられました。また、指紋センサーについてもZ5から構造が大きく変化していないため、やはり他社の円形・正方形の広いセンサー面を持つ指紋認証機構に比べると認識精度に劣る部分があります。特にこの2点はZシリーズから(微調整こそ行われるものの)大きく変化していない部分であり、X Performanceの後継モデルでの「抜本的な」改善が強く望まれます。
とはいえ、このXperiaアンバサダーモニター企画に参加したことによって、こういったXシリーズの進化した点・従来から変わっていない点・改善が望まれる点を自信をもって詳しくお送りすることができました。これらのレビューがX Performance購入の際の参考になれば幸いです。今回のレビュー企画を主催したソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社様には、Xperia X Performanceの発売前レビューという貴重な機会をいただけたことを、この場をお借りして深く感謝いたします。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。