「Xperiaアンバサダーモニター企画」パート2ではXperia X Performanceのカメラ性能についてチェックしていきます。
私自身はスマートフォンに搭載されているカメラ機能は、どれだけ性能が良くなろうと「所詮スマフォのカメラ」と考えており、また実際にスマートフォンで撮影できる写真には限界があり、構図やライティングを工夫しない限り「いかにもスマフォで撮影した」ような絵になってしまいます。このことから私は現在でも本格的な写真撮影の際は設定の自由度が高いハイアマ向けデジタルカメラまたはデジタル一眼レフカメラを使用しています。しかし、そんな私でもレビュー記事用の写真の撮影やSNSに投稿する写真の撮影など、「撮れればいい」程度のものについては撮影後の画像の取り扱いがフレキシブル(レタッチアプリを用いてスマフォだけでトリミングや画像補正を施すことができたり、画像をLAN経由で自分のPCに流したり、クラウドや写真投稿サイトへのアップロード・公開などがスマフォだけでできる、など)であることから、Nexus 6Pのカメラ機能を使うことが多いです。また、スマートフォン選びにおいて「カメラ性能」を重視するユーザーが多いのは事実であり、Xperiaの商品情報ページでも「カメラ」の項目が独立して設けられていることからもスマートフォンのカメラ機能は重要な項目の一つとなっています。本レビューでも「カメラ編」を独立した記事としてお送りしていきます。
Xperia X Performanceのカメラ機能の大きな特徴としては、
が挙げられます。もちろん、Exmor RS for mobile・SONY Gレンズ・BIONZ for mobileといった、従来からの高画質技術も引き続き採用されています。なお、Z2以降のXperiaスマートフォンに搭載されていた4K動画撮影機能は搭載されておらず、動画の最大サイズはFull HD(1920x1080)となります。本格的な4Kビデオカメラに比べると画質面で大きく劣り、「これは4Kで撮影したものだ」と明示しない限り4K画質には見えないこと、4K対応機器がまだ少ないこと、また動画撮影中の発熱が激しく、特にSnapdragon810を搭載したZ4・Z5では短時間の録画しかできなかったことから、4K動画撮影機能の廃止はやむを得ないものと言えるでしょう。
それではまず起動時間をチェックしてみます。私の友人はZ3を使用していますが、「カメラを売りにしているのにカメラの起動時間が遅く、とっさの状況でカメラを構えられない」と不満を口にしていたので、この点がどのぐらい改善されているのかをNexus 6Pとも比較しながら検証してみます。比較条件としては、
まずはXperia X Performanceのクイック起動・撮影を有効にした結果から。
クイック起動・撮影を有効にすると、スリープ中にシャッターボタンを長押しするだけでカメラが起動し、さらに画像撮影までが一気に行われます。画像撮影が優先して行われるため、シャッター音が聞こえた後に画面が点灯することもあります。シャッターボタンを押してからシャッターが切れるまでの時間は約1.6秒でした。
次にカメラ起動状態からシャッターボタンを全押しした結果。
Z5から引き続き採用されている先読みオートフォーカスの効果もあり、ディスプレイにカメラを構えた段階ですでにフォーカスがほぼあった状態になっていました。そこからシャッターが切れるまでの時間も早く、約0.5秒でシャッターが切れました。
最後にNexus 6Pでシャッターボタンを押した結果。
こちらもカメラを構えた段階でディスプレイにおおよそフォーカスがあった状態になりますが、シャッターボタンを押してからシャッターが切れるまでの時間はX Performanceよりはやや遅く、約0.8秒でした。
なお、Nexus 6Pは電源ボタンをダブルクリックすることでカメラを素早く起動することができますが、たまに反応しないことがあり、また反応しても、電源ボタンの操作→画面上のシャッターボタンの押下という2ステップが必要となることから、X Performanceのカメラの起動速度が大きく向上し、とっさの状況でもストレスなく撮影できることが分かります。
ところで、Xperia X Performanceアンバサダーミーティング終了後、帰りは途中まで「tomokin」氏と行動を共にしていたのですが、途中で大阪駅も通ったため、X Performanceのカメラ性能のチェックをしながら帰ることにしました。大阪駅近くのビル街で撮影した写真がこちら。
アンバサダーミーティング終了後に撮影したため時刻はすでに21時30分を回っているころだったのですが、画像が暗くなったり、シャッタースピードが長くなるために手ぶれが起きやすくなったり、極端にザラザラした画像になったりといったことはなく、昼間と全く同じ感覚で撮影できました。さすがにISO感度が最大まで引き上げられているため、昼間撮影時よりはノイズが目立つほか、街灯や自動車のライトなどの明るいものに対する斜め方向のレンズフレアが顕著に表れていますが、「記録程度」と割り切ることができれば夜間においても十分使えるカメラ性能と言えます。
大阪駅から「グランフロント大阪」のほうを向いて撮影もしてみました。
こちらもやはり画像が明るく、グランフロント大阪のビルがはっきりと確認できます。
なお、これでは明るすぎると感じる場合にはマニュアルモードを活用してみるのもよいでしょう。
このようにホワイトバランスの調整や露出補正、
ISO感度の手動設定(100-3200)といった、本格的なデジタルカメラにも引けを取らない充実の設定項目です。
前述のマニュアルモードで露出補正を-2に設定して撮影するとこんな感じ。このようにあえて高感度の恩恵を無視して夜らしい暗さを表現することもできます。
こちらはNexus 6Pで撮影した写真。Nexus 6Pでもパノラマ撮影やレンズぼかし、スローモーションと言った撮影モードはありますが、あくまで「スマートフォンのカメラ」として最低限の設定項目しか備えていないのに対し、X Performanceのカメラ機能は自社のデジタルカメラ技術を投入しているだけあってカメラ周りへの気合の入り方は桁違いです。このほかにも美肌モードや風景モードなどの「シーンセレクション」、スイングパノラマやARエフェクトなどの特殊撮影モードなども充実しており、スマートフォン1台あればさまざまな写真が楽しめます。
一方、画質そのものについては、気合が入っている割には残念ながらX Performance(に限らずここ最近のXperiaスマートフォン)は他社の同クラス製品に劣っていると言わざるを得ません。上の比較写真でもお分かりいただける通り、X Performanceは斜め方向のレンズフレアが見受けられたり、画像が荒っぽくなっていたりするのに対し、Nexus 6Pで撮影した写真にはレンズフレアは見られず、画像の荒っぽさもX Performanceのそれに比べると幾分穏やかです(上記写真はブログ掲載用にオリジナルから画像サイズを縮小していますが、縮小後であっても違いがはっきり分かるほどに画質の差が歴然です)。Exmor RS for mobile・SONY Gレンズ・BIONZ for mobileの組み合わせによって撮影された写真については「好き嫌いの分かれる写真」「いかにもソニーソニーした写真で、わかる人が見れば一目で「SONYのカメラで撮影した」ということがわかる」との評価をよく聞きます。これらはXperiaスマートフォンの画面上で見る限りはディスプレイの高画質技術によって(言い方は悪いですが)ごまかされ、画質の悪さは気になりませんが、PCに取り込んで大画面ディスプレイで同じ写真を見ると画質の悪さが浮き彫りになってしまいます。iPhoneやNexus 6Pなどは、撮影モードこそ必要最小限であるものの画質は無難な感じとなり、PCの大画面ディスプレイに映してもやはり無難に見えます。カメラ機能でスマートフォンを選ぶ際は、画質そのものを重視するか、撮影モードなど付帯機能を重視するかによって検討するのが望ましいといえます。
次回パート3ではdocomo版Xperiaの独自機能である「スグ電」を試すほか、そのほか気づいたことなどについてまとめてお送りします。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
私自身はスマートフォンに搭載されているカメラ機能は、どれだけ性能が良くなろうと「所詮スマフォのカメラ」と考えており、また実際にスマートフォンで撮影できる写真には限界があり、構図やライティングを工夫しない限り「いかにもスマフォで撮影した」ような絵になってしまいます。このことから私は現在でも本格的な写真撮影の際は設定の自由度が高いハイアマ向けデジタルカメラまたはデジタル一眼レフカメラを使用しています。しかし、そんな私でもレビュー記事用の写真の撮影やSNSに投稿する写真の撮影など、「撮れればいい」程度のものについては撮影後の画像の取り扱いがフレキシブル(レタッチアプリを用いてスマフォだけでトリミングや画像補正を施すことができたり、画像をLAN経由で自分のPCに流したり、クラウドや写真投稿サイトへのアップロード・公開などがスマフォだけでできる、など)であることから、Nexus 6Pのカメラ機能を使うことが多いです。また、スマートフォン選びにおいて「カメラ性能」を重視するユーザーが多いのは事実であり、Xperiaの商品情報ページでも「カメラ」の項目が独立して設けられていることからもスマートフォンのカメラ機能は重要な項目の一つとなっています。本レビューでも「カメラ編」を独立した記事としてお送りしていきます。
Xperia X Performanceのカメラ機能の大きな特徴としては、
- Xperia史上最速0.6秒起動・撮影
- 先読みオートフォーカスによる0.03秒オートフォーカス
- 有効画素数約1320万画素、広角レンズ・大型高感度センサーを採用したのフロントカメラ
- 使いやすく進化したUI
が挙げられます。もちろん、Exmor RS for mobile・SONY Gレンズ・BIONZ for mobileといった、従来からの高画質技術も引き続き採用されています。なお、Z2以降のXperiaスマートフォンに搭載されていた4K動画撮影機能は搭載されておらず、動画の最大サイズはFull HD(1920x1080)となります。本格的な4Kビデオカメラに比べると画質面で大きく劣り、「これは4Kで撮影したものだ」と明示しない限り4K画質には見えないこと、4K対応機器がまだ少ないこと、また動画撮影中の発熱が激しく、特にSnapdragon810を搭載したZ4・Z5では短時間の録画しかできなかったことから、4K動画撮影機能の廃止はやむを得ないものと言えるでしょう。
それではまず起動時間をチェックしてみます。私の友人はZ3を使用していますが、「カメラを売りにしているのにカメラの起動時間が遅く、とっさの状況でカメラを構えられない」と不満を口にしていたので、この点がどのぐらい改善されているのかをNexus 6Pとも比較しながら検証してみます。比較条件としては、
- ストップウォッチアプリ(Windows10標準アプリ)を利用し、ストップウォッチが10秒00になった瞬間に、
- スリープ状態からXperia X Performanceのシャッターボタンを押す(クイック起動・撮影有効)
- カメラ起動状態でXperia X Performanceのシャッターボタンを押す(半押しはせずいきなりシャッターボタンを全押しする)
- カメラ起動状態でNexus 6Pのシャッターボタンを押す(画面上のシャッターボタンを押す)
- 10秒00からの経過時間を、撮影までにかかった時間とする
まずはXperia X Performanceのクイック起動・撮影を有効にした結果から。
クイック起動・撮影を有効にすると、スリープ中にシャッターボタンを長押しするだけでカメラが起動し、さらに画像撮影までが一気に行われます。画像撮影が優先して行われるため、シャッター音が聞こえた後に画面が点灯することもあります。シャッターボタンを押してからシャッターが切れるまでの時間は約1.6秒でした。
次にカメラ起動状態からシャッターボタンを全押しした結果。
Z5から引き続き採用されている先読みオートフォーカスの効果もあり、ディスプレイにカメラを構えた段階ですでにフォーカスがほぼあった状態になっていました。そこからシャッターが切れるまでの時間も早く、約0.5秒でシャッターが切れました。
最後にNexus 6Pでシャッターボタンを押した結果。
こちらもカメラを構えた段階でディスプレイにおおよそフォーカスがあった状態になりますが、シャッターボタンを押してからシャッターが切れるまでの時間はX Performanceよりはやや遅く、約0.8秒でした。
なお、Nexus 6Pは電源ボタンをダブルクリックすることでカメラを素早く起動することができますが、たまに反応しないことがあり、また反応しても、電源ボタンの操作→画面上のシャッターボタンの押下という2ステップが必要となることから、X Performanceのカメラの起動速度が大きく向上し、とっさの状況でもストレスなく撮影できることが分かります。
ところで、Xperia X Performanceアンバサダーミーティング終了後、帰りは途中まで「tomokin」氏と行動を共にしていたのですが、途中で大阪駅も通ったため、X Performanceのカメラ性能のチェックをしながら帰ることにしました。大阪駅近くのビル街で撮影した写真がこちら。
ぼく・tomokin氏「明るっ!!!」
アンバサダーミーティング終了後に撮影したため時刻はすでに21時30分を回っているころだったのですが、画像が暗くなったり、シャッタースピードが長くなるために手ぶれが起きやすくなったり、極端にザラザラした画像になったりといったことはなく、昼間と全く同じ感覚で撮影できました。さすがにISO感度が最大まで引き上げられているため、昼間撮影時よりはノイズが目立つほか、街灯や自動車のライトなどの明るいものに対する斜め方向のレンズフレアが顕著に表れていますが、「記録程度」と割り切ることができれば夜間においても十分使えるカメラ性能と言えます。
大阪駅から「グランフロント大阪」のほうを向いて撮影もしてみました。
こちらもやはり画像が明るく、グランフロント大阪のビルがはっきりと確認できます。
なお、これでは明るすぎると感じる場合にはマニュアルモードを活用してみるのもよいでしょう。
このようにホワイトバランスの調整や露出補正、
ISO感度の手動設定(100-3200)といった、本格的なデジタルカメラにも引けを取らない充実の設定項目です。
前述のマニュアルモードで露出補正を-2に設定して撮影するとこんな感じ。このようにあえて高感度の恩恵を無視して夜らしい暗さを表現することもできます。
こちらはNexus 6Pで撮影した写真。Nexus 6Pでもパノラマ撮影やレンズぼかし、スローモーションと言った撮影モードはありますが、あくまで「スマートフォンのカメラ」として最低限の設定項目しか備えていないのに対し、X Performanceのカメラ機能は自社のデジタルカメラ技術を投入しているだけあってカメラ周りへの気合の入り方は桁違いです。このほかにも美肌モードや風景モードなどの「シーンセレクション」、スイングパノラマやARエフェクトなどの特殊撮影モードなども充実しており、スマートフォン1台あればさまざまな写真が楽しめます。
一方、画質そのものについては、気合が入っている割には残念ながらX Performance(に限らずここ最近のXperiaスマートフォン)は他社の同クラス製品に劣っていると言わざるを得ません。上の比較写真でもお分かりいただける通り、X Performanceは斜め方向のレンズフレアが見受けられたり、画像が荒っぽくなっていたりするのに対し、Nexus 6Pで撮影した写真にはレンズフレアは見られず、画像の荒っぽさもX Performanceのそれに比べると幾分穏やかです(上記写真はブログ掲載用にオリジナルから画像サイズを縮小していますが、縮小後であっても違いがはっきり分かるほどに画質の差が歴然です)。Exmor RS for mobile・SONY Gレンズ・BIONZ for mobileの組み合わせによって撮影された写真については「好き嫌いの分かれる写真」「いかにもソニーソニーした写真で、わかる人が見れば一目で「SONYのカメラで撮影した」ということがわかる」との評価をよく聞きます。これらはXperiaスマートフォンの画面上で見る限りはディスプレイの高画質技術によって(言い方は悪いですが)ごまかされ、画質の悪さは気になりませんが、PCに取り込んで大画面ディスプレイで同じ写真を見ると画質の悪さが浮き彫りになってしまいます。iPhoneやNexus 6Pなどは、撮影モードこそ必要最小限であるものの画質は無難な感じとなり、PCの大画面ディスプレイに映してもやはり無難に見えます。カメラ機能でスマートフォンを選ぶ際は、画質そのものを重視するか、撮影モードなど付帯機能を重視するかによって検討するのが望ましいといえます。
次回パート3ではdocomo版Xperiaの独自機能である「スグ電」を試すほか、そのほか気づいたことなどについてまとめてお送りします。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。