今回は携帯電話の機種変更をしてきましたので、機種変更の概要と新しい機種のファーストインプレッションをお送りします。
私は2014年8月にそれまで使っていたガラケーからスマートフォンXperia ZL2(au SOL25)に機種変更しました。この時は24回分割購入の代わりに端末代金を割り引く、いわゆる「2年縛り」で契約したため「携帯料金が高いなあ」と感じつつもそのまま利用し続けてきました。
今年4月に入って「契約更新のお知らせ」が届き、5月1日~6月30日の間で2年縛りの見直しがする機会がやってきました。この時点で毎月の携帯電話料金は端末代込で8,000円を超えており、「あまりにも高すぎるので、契約更新期間に入り次第すぐ乗り換えよう」と、次の機種の検討を進めてきました。
当初の計画ではGoogle Nexus 6Pを一括で購入し、MVNO(いわゆる格安SIM)を契約するつもりでした。しかし乗り換え予定だったMVNOでは支払方法としてクレジットカードしか選択できず、MVNOで契約するにはまずクレジットカードを作成する必要がありました。
ここで、大手キャリアで唯一Nexus 6Pを取り扱っているSoftbankで試しに料金を確認したところ、24回分割払いや古い端末の下取り制度などを活用することで、2年間のトータルコストがMVNO+端末一括購入の場合と月当たり1,000円ほど、24か月で2万円ほどしか差がないことが判明しました。さらに、Softbankのウェブサイトには掲載されていないような店舗独自特典を併用すれば、その差はさらに縮まるのではないかと考え、一度見積もりを取ってみることに。
その結果、月当たりの支払価格の差がわずか250円(24か月でおよそ6,000円)というところまで割引が効くことがわかりました。しかしその際、販売員から「総務省からの是正指導などにより、この価格で出せるのは15日契約分までだ」と言われました。契約更新期間の5月1日以降に機種変更をすればauの契約解除手数料(いわゆる「違約金」)はかかりませんが、今回の低価格での購入ができないばかりか、今後のさらなる是正指導によってはさらに割引率が低くなることも考えられます。「今MNPしても数か月で違約金分は回収できる」との言葉に押され、契約更新期間外であり、また予定より2週間以上早くなりましたが、急きょ14日に機種変更の手続きを行いました。
今回購入した機種は前述のとおり、Google Nexus 6Pです。端末自体はHUAWEIが製造していますが、Googleリファレンス端末ということで、端末メーカーによるカスタマイズがほとんどなされていない「素のAndroid」を使えるとともに、Googleの端末のためAndroidの最新版をいち早く利用することができます(ほかのAndroidスマートフォンは各社独自機能の実装などがあるため一般にAndroidの最新バージョンの配信は遅く、配信そのものが行われない・早期に配信対象機種から外れる場合もある)。また、iPhone 6s plusやXperia Z5 Premium(5.5インチ)を上回る5.7インチという大画面ディスプレイにより、移動中のバタバタした状況でもコンテンツが見やすく、ソフトウェアキーボードをQWERTY配列で使用している身としては画面が大きく文字も打ちやすく、これまでよりも快適に端末が操作できると考え、この端末に決めました。
それでは早速開封していきましょう!といっても、契約手続きの段階で端末を操作するため、一度中身を開けましたが(笑)。
付属品はUSB typeC - typeCケーブル、USB ACアダプター(出力端子はtypeC)、フルサイズUSB - typeCケーブルです。この端末は充電・データ用の接続に、従来のmicroUSB端子ではなくUSB typeC端子を採用しています。USB ACアダプタは最大で5V 3Aという大出力を誇り、付属のtypeCケーブルと合わせることで端末を急速充電することができます。またtypeCコネクタはリバーシブルタイプとなっており、表裏を気にせずに差し込むことができます。一方、私はこれまでmicroUSB端子の端末を使用しており、ケーブルなどのアクセサリもmicroUSBのものを導入してきたため、たとえばmicroUSB - typeC変換アダプタを購入するなど手持ちのアクセサリーを活用するには追加出費が必要となってしまいます。
クイックスタートガイドとGoogle Play Musicの案内も入っています。また、本体のSIMカードトレイ引き抜き用のピンも付属しています。
本体前面。Googleリファレンス端末というだけあってシンプルな外観です。スピーカーはXperiaスマートフォンなどのように受話口・送話口と兼用で、しかも出力が大きいため、ステレオ感あふれるパワフルなサウンドを楽しめます。本体上部にインカメラ、その左側に通知LEDが内蔵されています。
ディスプレイは「AMOLED」と呼ばれるもので、表示素子に有機発光ダイオード、駆動方式に液晶ディスプレイと同じアクティブマトリクス方式を用いたディスプレイです。構造が複雑で製造が難しく高価な反面、反応速度が速く残像が少ないという特徴があるそうです(「IT用語辞典」より)。表示素子は有機ELディスプレイと同一のものであるため、発色は有機ELディスプレイ独特のヴィヴィッドなものとなっています。
本体裏面。NexusロゴやHUAWEIロゴなどの刻印は薄く施されており、某大手キャリアのようにキャリアロゴを裏面に大きく目立つように掲げた結果デザインが台無しになった、というようなことは全くなく、外観だけで言えばグローバル版を使っているような気分にもなります。
上部の出っ張っている部分にメインカメラが搭載されており、その右側あたりにNFCのセンサーが内蔵されています。NFCリーダーアプリをインストールすれば、例えば交通系ICカードやWAONなどの残高を確認することなどができます。
中央上部の丸いくぼみは指紋センサーです。指紋を登録しておくことで端末のロックを解除したり指紋認証対応アプリを利用することができるほか、端末がロックされた状態でも指紋センサーに触れるだけで電源ボタンを押すことなく一発でロック解除ができ、大変便利です。
本体側面。本体は薄く、スペック上では厚さは7.3mmでXperia Z5と同一ですが、背面のフチ近くが緩やかにラウンドして絞り込まれているため、数字以上に薄く感じます。また重量は178gで、手に持ってみると大きさの割に軽く感じます。
右側面に電源ボタンと音量ボタンがあります。電源ボタンは手に持った時にちょうど親指が来る位置に配置されているほかローレット加工が施されており、手探りでも電源ボタンと音量ボタンを容易に区別することができます。SIMトレイは左側面にあります。なお、Nexus 6PにはmicroSDカードスロットがなく、ストレージ容量は32GB(アルミニウム・グラファイト)または64GB(グラファイト・フロスト・ゴールド)となります。グラファイトのみ32GB・64GBの両方がラインナップされていますが、そのほかのカラーはどちらか一方の容量のみのラインナップとなり、場合によっては色の好みかストレージのこだわりのいずれかをあきらめることになります。私はXperia ZL2ではmicroSDカードは使用せず、ストレージにもあまりデータを置かなかったため32GBでも十分足りると判断し、32GBのほうを購入しました。
手に持つとこんな感じ。以前使用していたXperia ZL2は5.0インチで、Nexus 6Pは5.7インチとなるため、画面・本体ともに一回り大きくなりますが、狭額縁タイプということもあり手に持った感触としてはそれほど大きくは感じませんでした。とはいえ、片手持ちで端末を操作しようとすると画面の端に手が届きにくいなど、操作性の面では明らかな画面の大きさの変化を感じました。
それでは最後に使用感のレビュー。
スペックとしては3GB RAM・オクタコアCPU・WQHD(2560x1440)ディスプレイで、Xperia Z5などとも肩を並べるハイエンドスマートフォンです。端末の動作は快適そのものです。一方で、CPUにはQualcomm Snapdragon810が使われています。私は去年の11月にXperiaアンバサダーモニター企画でXperia Z5をお借りし、2週間ほど試用させてもらったことがありましたが、Xperia Z5にもSnapdragon810が使われており、カメラの動画撮影機能が途中で停止するほどの激しい発熱でした。Nexus 6Pもやはり発熱の激しさは同じで、特にアプリのインストールを連続して行った場合やシステムアップグレードを行った直後はやけどするギリギリのレベルまで発熱します。とはいえ、Nexus 6Pの背面は金属でできており、背面全体を使って確実に排熱を行っているため、熱がこもるような環境で使用さえしなければオーバーヒートすることはないと思います。
バッテリーは3450mAhと比較的大容量ですが、CPUにSnapdragon810を使っていること、また5.7インチの大画面ディスプレイを採用していることもあり、比較的軽めの操作でもバッテリーが見る見るうちに減っていきます。私はライフログアプリを使用していますが、このアプリを動作させた状態で一日中外出するとXperia ZL2でも1日持たなかったので、これからはバッテリー消費の大きいNexus 6Pを使うということでモバイルバッテリーが手放せない存在になりそうです。
カメラは必要にして十分だと思います。
こちらはNexus 6Pのメインカメラで撮影した画像です。「スマートフォンのカメラで撮影した」感は否めませんが、1230万画素のイメージセンサーを搭載しているため、外出先でのちょっとした記録用としては十分きれいな画像を撮影できます。また、メインカメラにおいてはXperia Z2シリーズ以降のモデルと同様4Kビデオを撮影することも可能ですが、以前Xperia Z5のモニター機で4K動画を撮影したところ本体温度上昇により3分ほどで自動停止してしまったため、Nexus 6Pでも長時間の4Kビデオの撮影は難しいと思われます。
2016年4月29日追記: 昨日、Nexus 6Pの4K動画の性能を確かめるために、実家への帰省の機会を利用して電車の前面展望を撮影してみました。
上で紹介した静止画の画質をそのまま動画に適用したかのような画質で、やはりスマートフォンで撮影した感は否めないものの普段使いとしては十分きれいな動画を撮影できているといえます。以前使用していたXperia ZL2をはじめとするXperiaスマートフォンはSONY GレンズとSONY独自の映像エンジンにより、わかる人が見ればSONYのカメラで撮影したことがすぐわかるようなクセのある画質でしたが、それに比べればクセがなく、かつ安物感のないくっきりはっきりした映像となっています。
また、Xperia Z5では4K動画撮影時に本体温度上昇により、わずか3分強で動画撮影が自動停止してしまいましたが、Nexus 6Pは上に紹介した動画を撮影していた7分半の間、温度上昇を知らせる警告メッセージすら出ることなく正常に録画ができました。私は現在Nexus 6Pを落としてしまわないように、また万が一落としてしまったときに衝撃を少しでも減らすため手帳タイプのカバーを装着しており、背面の放熱性は何もつけていないときよりも悪くなっているはずなのですが、撮影終了直後に本体が熱を持っている感じはしたもののそれが動画撮影に悪影響を及ぼすことはありませんでした。もっとも、今はまだ気温がそれほど高くない時期ですので、例えば真夏の炎天下で同じように撮影した場合には温度上昇による何らかの影響があるかもしれません。
ソフトウェア面では、Xperia ZL2と同じAndroidということで、基本的な操作性はほぼ同じです。アプリについてもXperia ZL2にインストールしていたアプリはNexus 6Pでも問題なく動作しています。ただし、Googleリファレンス端末であるため各社の独自機能に相当する部分を中心に操作性が異なり、例えば「全アプリ終了」ボタンがない、「スモールアプリ」がない、通知センターの「クイック設定ツール」のアイコンが変更したり並べ変えたりできない、などです。特に私はマナーモードの設定切り替えをこれまでクイック設定ツールから行っていましたが、Nexus 6Pのクイック設定ツールにマナーモードの項目はなく、音量ボタンの操作でマナーモードを切り替えることになるため、操作に慣れるまではとっさの状況で戸惑うことがあるかもしれません。
2016年5月5日追記: このほどベンチマークアプリ「AnTuTu Benchmark」を用いてベンチマークを計測しましたので、結果を掲載します。
というわけで、Xperia ZL2からNexus 6Pへの機種変更の経緯とNexus 6Pのレビューをお送りしました。
私は前回の機種変更(ガラケー→Xperia ZL2)の時点ですでに格安SIMの存在を知っていましたが、知識が不足しており「なんだかんだで家族割とかもあるし、auでいいや」といった感じでそのままauの機種変更でXperia ZL2を購入しました。結局毎月8,000円前後の高い金を払わされていた割には家族割の恩恵も感じることはなく、もどかしい気持ちでこれまでZL2を使用し続けてきました。
今回急きょMVNOではなくSoftbankへのMNPとなりましたが、割引などをうまく活用しトータルコストでMVNOに匹敵する安さで契約することができました。端末本体についてもauがなぜかXperia Z2ではなくXperia ZL2をリリースし、Xperia Z2と同スペックとはいえXperiaらしくない見た目によって「Xperiaを所有している」という満足感に浸ることができずにここまで使用を続けてきましたが、今回は自分が一番気に入った端末そのものを購入することができ、「Nexusを所有している」という満足感を得ることができました。また、契約から半年間待つ必要はありますがSIMロック解除することもでき、解除してしまえばグローバル版を使っているのと同じことになりますので、Softbankでの2年縛りの更新期間に入るまでにSIMロック解除を済ませておき、更新期間のうちにMVNOにMNPすれば3年目以降も低価格でモバイル通信を利用することができると思います。
これからSoftbankとは2年間、Nexus 6Pとはその後数年間の付き合いになっていくでしょう。とはいえ、新しい端末に目移りしてそちらを購入してしまった、とかになれば話は変わってくるかもしれませんが(笑)。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
私は2014年8月にそれまで使っていたガラケーからスマートフォンXperia ZL2(au SOL25)に機種変更しました。この時は24回分割購入の代わりに端末代金を割り引く、いわゆる「2年縛り」で契約したため「携帯料金が高いなあ」と感じつつもそのまま利用し続けてきました。
今年4月に入って「契約更新のお知らせ」が届き、5月1日~6月30日の間で2年縛りの見直しがする機会がやってきました。この時点で毎月の携帯電話料金は端末代込で8,000円を超えており、「あまりにも高すぎるので、契約更新期間に入り次第すぐ乗り換えよう」と、次の機種の検討を進めてきました。
当初の計画ではGoogle Nexus 6Pを一括で購入し、MVNO(いわゆる格安SIM)を契約するつもりでした。しかし乗り換え予定だったMVNOでは支払方法としてクレジットカードしか選択できず、MVNOで契約するにはまずクレジットカードを作成する必要がありました。
ここで、大手キャリアで唯一Nexus 6Pを取り扱っているSoftbankで試しに料金を確認したところ、24回分割払いや古い端末の下取り制度などを活用することで、2年間のトータルコストがMVNO+端末一括購入の場合と月当たり1,000円ほど、24か月で2万円ほどしか差がないことが判明しました。さらに、Softbankのウェブサイトには掲載されていないような店舗独自特典を併用すれば、その差はさらに縮まるのではないかと考え、一度見積もりを取ってみることに。
その結果、月当たりの支払価格の差がわずか250円(24か月でおよそ6,000円)というところまで割引が効くことがわかりました。しかしその際、販売員から「総務省からの是正指導などにより、この価格で出せるのは15日契約分までだ」と言われました。契約更新期間の5月1日以降に機種変更をすればauの契約解除手数料(いわゆる「違約金」)はかかりませんが、今回の低価格での購入ができないばかりか、今後のさらなる是正指導によってはさらに割引率が低くなることも考えられます。「今MNPしても数か月で違約金分は回収できる」との言葉に押され、契約更新期間外であり、また予定より2週間以上早くなりましたが、急きょ14日に機種変更の手続きを行いました。
今回購入した機種は前述のとおり、Google Nexus 6Pです。端末自体はHUAWEIが製造していますが、Googleリファレンス端末ということで、端末メーカーによるカスタマイズがほとんどなされていない「素のAndroid」を使えるとともに、Googleの端末のためAndroidの最新版をいち早く利用することができます(ほかのAndroidスマートフォンは各社独自機能の実装などがあるため一般にAndroidの最新バージョンの配信は遅く、配信そのものが行われない・早期に配信対象機種から外れる場合もある)。また、iPhone 6s plusやXperia Z5 Premium(5.5インチ)を上回る5.7インチという大画面ディスプレイにより、移動中のバタバタした状況でもコンテンツが見やすく、ソフトウェアキーボードをQWERTY配列で使用している身としては画面が大きく文字も打ちやすく、これまでよりも快適に端末が操作できると考え、この端末に決めました。
それでは早速開封していきましょう!といっても、契約手続きの段階で端末を操作するため、一度中身を開けましたが(笑)。
付属品はUSB typeC - typeCケーブル、USB ACアダプター(出力端子はtypeC)、フルサイズUSB - typeCケーブルです。この端末は充電・データ用の接続に、従来のmicroUSB端子ではなくUSB typeC端子を採用しています。USB ACアダプタは最大で5V 3Aという大出力を誇り、付属のtypeCケーブルと合わせることで端末を急速充電することができます。またtypeCコネクタはリバーシブルタイプとなっており、表裏を気にせずに差し込むことができます。一方、私はこれまでmicroUSB端子の端末を使用しており、ケーブルなどのアクセサリもmicroUSBのものを導入してきたため、たとえばmicroUSB - typeC変換アダプタを購入するなど手持ちのアクセサリーを活用するには追加出費が必要となってしまいます。
クイックスタートガイドとGoogle Play Musicの案内も入っています。また、本体のSIMカードトレイ引き抜き用のピンも付属しています。
本体前面。Googleリファレンス端末というだけあってシンプルな外観です。スピーカーはXperiaスマートフォンなどのように受話口・送話口と兼用で、しかも出力が大きいため、ステレオ感あふれるパワフルなサウンドを楽しめます。本体上部にインカメラ、その左側に通知LEDが内蔵されています。
ディスプレイは「AMOLED」と呼ばれるもので、表示素子に有機発光ダイオード、駆動方式に液晶ディスプレイと同じアクティブマトリクス方式を用いたディスプレイです。構造が複雑で製造が難しく高価な反面、反応速度が速く残像が少ないという特徴があるそうです(「IT用語辞典」より)。表示素子は有機ELディスプレイと同一のものであるため、発色は有機ELディスプレイ独特のヴィヴィッドなものとなっています。
本体裏面。NexusロゴやHUAWEIロゴなどの刻印は薄く施されており、某大手キャリアのようにキャリアロゴを裏面に大きく目立つように掲げた結果デザインが台無しになった、というようなことは全くなく、外観だけで言えばグローバル版を使っているような気分にもなります。
上部の出っ張っている部分にメインカメラが搭載されており、その右側あたりにNFCのセンサーが内蔵されています。NFCリーダーアプリをインストールすれば、例えば交通系ICカードやWAONなどの残高を確認することなどができます。
中央上部の丸いくぼみは指紋センサーです。指紋を登録しておくことで端末のロックを解除したり指紋認証対応アプリを利用することができるほか、端末がロックされた状態でも指紋センサーに触れるだけで電源ボタンを押すことなく一発でロック解除ができ、大変便利です。
本体側面。本体は薄く、スペック上では厚さは7.3mmでXperia Z5と同一ですが、背面のフチ近くが緩やかにラウンドして絞り込まれているため、数字以上に薄く感じます。また重量は178gで、手に持ってみると大きさの割に軽く感じます。
右側面に電源ボタンと音量ボタンがあります。電源ボタンは手に持った時にちょうど親指が来る位置に配置されているほかローレット加工が施されており、手探りでも電源ボタンと音量ボタンを容易に区別することができます。SIMトレイは左側面にあります。なお、Nexus 6PにはmicroSDカードスロットがなく、ストレージ容量は32GB(アルミニウム・グラファイト)または64GB(グラファイト・フロスト・ゴールド)となります。グラファイトのみ32GB・64GBの両方がラインナップされていますが、そのほかのカラーはどちらか一方の容量のみのラインナップとなり、場合によっては色の好みかストレージのこだわりのいずれかをあきらめることになります。私はXperia ZL2ではmicroSDカードは使用せず、ストレージにもあまりデータを置かなかったため32GBでも十分足りると判断し、32GBのほうを購入しました。
手に持つとこんな感じ。以前使用していたXperia ZL2は5.0インチで、Nexus 6Pは5.7インチとなるため、画面・本体ともに一回り大きくなりますが、狭額縁タイプということもあり手に持った感触としてはそれほど大きくは感じませんでした。とはいえ、片手持ちで端末を操作しようとすると画面の端に手が届きにくいなど、操作性の面では明らかな画面の大きさの変化を感じました。
それでは最後に使用感のレビュー。
スペックとしては3GB RAM・オクタコアCPU・WQHD(2560x1440)ディスプレイで、Xperia Z5などとも肩を並べるハイエンドスマートフォンです。端末の動作は快適そのものです。一方で、CPUにはQualcomm Snapdragon810が使われています。私は去年の11月にXperiaアンバサダーモニター企画でXperia Z5をお借りし、2週間ほど試用させてもらったことがありましたが、Xperia Z5にもSnapdragon810が使われており、カメラの動画撮影機能が途中で停止するほどの激しい発熱でした。Nexus 6Pもやはり発熱の激しさは同じで、特にアプリのインストールを連続して行った場合やシステムアップグレードを行った直後はやけどするギリギリのレベルまで発熱します。とはいえ、Nexus 6Pの背面は金属でできており、背面全体を使って確実に排熱を行っているため、熱がこもるような環境で使用さえしなければオーバーヒートすることはないと思います。
バッテリーは3450mAhと比較的大容量ですが、CPUにSnapdragon810を使っていること、また5.7インチの大画面ディスプレイを採用していることもあり、比較的軽めの操作でもバッテリーが見る見るうちに減っていきます。私はライフログアプリを使用していますが、このアプリを動作させた状態で一日中外出するとXperia ZL2でも1日持たなかったので、これからはバッテリー消費の大きいNexus 6Pを使うということでモバイルバッテリーが手放せない存在になりそうです。
カメラは必要にして十分だと思います。
こちらはNexus 6Pのメインカメラで撮影した画像です。「スマートフォンのカメラで撮影した」感は否めませんが、1230万画素のイメージセンサーを搭載しているため、外出先でのちょっとした記録用としては十分きれいな画像を撮影できます。また、メインカメラにおいてはXperia Z2シリーズ以降のモデルと同様4Kビデオを撮影することも可能ですが、以前Xperia Z5のモニター機で4K動画を撮影したところ本体温度上昇により3分ほどで自動停止してしまったため、Nexus 6Pでも長時間の4Kビデオの撮影は難しいと思われます。
2016年4月29日追記: 昨日、Nexus 6Pの4K動画の性能を確かめるために、実家への帰省の機会を利用して電車の前面展望を撮影してみました。
上で紹介した静止画の画質をそのまま動画に適用したかのような画質で、やはりスマートフォンで撮影した感は否めないものの普段使いとしては十分きれいな動画を撮影できているといえます。以前使用していたXperia ZL2をはじめとするXperiaスマートフォンはSONY GレンズとSONY独自の映像エンジンにより、わかる人が見ればSONYのカメラで撮影したことがすぐわかるようなクセのある画質でしたが、それに比べればクセがなく、かつ安物感のないくっきりはっきりした映像となっています。
また、Xperia Z5では4K動画撮影時に本体温度上昇により、わずか3分強で動画撮影が自動停止してしまいましたが、Nexus 6Pは上に紹介した動画を撮影していた7分半の間、温度上昇を知らせる警告メッセージすら出ることなく正常に録画ができました。私は現在Nexus 6Pを落としてしまわないように、また万が一落としてしまったときに衝撃を少しでも減らすため手帳タイプのカバーを装着しており、背面の放熱性は何もつけていないときよりも悪くなっているはずなのですが、撮影終了直後に本体が熱を持っている感じはしたもののそれが動画撮影に悪影響を及ぼすことはありませんでした。もっとも、今はまだ気温がそれほど高くない時期ですので、例えば真夏の炎天下で同じように撮影した場合には温度上昇による何らかの影響があるかもしれません。
ソフトウェア面では、Xperia ZL2と同じAndroidということで、基本的な操作性はほぼ同じです。アプリについてもXperia ZL2にインストールしていたアプリはNexus 6Pでも問題なく動作しています。ただし、Googleリファレンス端末であるため各社の独自機能に相当する部分を中心に操作性が異なり、例えば「全アプリ終了」ボタンがない、「スモールアプリ」がない、通知センターの「クイック設定ツール」のアイコンが変更したり並べ変えたりできない、などです。特に私はマナーモードの設定切り替えをこれまでクイック設定ツールから行っていましたが、Nexus 6Pのクイック設定ツールにマナーモードの項目はなく、音量ボタンの操作でマナーモードを切り替えることになるため、操作に慣れるまではとっさの状況で戸惑うことがあるかもしれません。
2016年5月5日追記: このほどベンチマークアプリ「AnTuTu Benchmark」を用いてベンチマークを計測しましたので、結果を掲載します。
というわけで、Xperia ZL2からNexus 6Pへの機種変更の経緯とNexus 6Pのレビューをお送りしました。
私は前回の機種変更(ガラケー→Xperia ZL2)の時点ですでに格安SIMの存在を知っていましたが、知識が不足しており「なんだかんだで家族割とかもあるし、auでいいや」といった感じでそのままauの機種変更でXperia ZL2を購入しました。結局毎月8,000円前後の高い金を払わされていた割には家族割の恩恵も感じることはなく、もどかしい気持ちでこれまでZL2を使用し続けてきました。
今回急きょMVNOではなくSoftbankへのMNPとなりましたが、割引などをうまく活用しトータルコストでMVNOに匹敵する安さで契約することができました。端末本体についてもauがなぜかXperia Z2ではなくXperia ZL2をリリースし、Xperia Z2と同スペックとはいえXperiaらしくない見た目によって「Xperiaを所有している」という満足感に浸ることができずにここまで使用を続けてきましたが、今回は自分が一番気に入った端末そのものを購入することができ、「Nexusを所有している」という満足感を得ることができました。また、契約から半年間待つ必要はありますがSIMロック解除することもでき、解除してしまえばグローバル版を使っているのと同じことになりますので、Softbankでの2年縛りの更新期間に入るまでにSIMロック解除を済ませておき、更新期間のうちにMVNOにMNPすれば3年目以降も低価格でモバイル通信を利用することができると思います。
これからSoftbankとは2年間、Nexus 6Pとはその後数年間の付き合いになっていくでしょう。とはいえ、新しい端末に目移りしてそちらを購入してしまった、とかになれば話は変わってくるかもしれませんが(笑)。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。