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【自作小説】ワールド・インターチェンジ「第15話 君を好きになった本当の理由」

「悪いけど、俺のことを恋愛的な意味で好きになったのなら、今すぐ絶交してくれ」 「……は?」 優は俺の一言で動きを止め、悲しそうな表情半分、「こいつは何を言っているんだ」とでも言いたげな半笑いの表情半分で俺を見ていた。睨むとか、見つめるとかではなく、ただ単に見ていただけだった。 「ひどいことを言うようだけど、俺は優を助けて、君に少しでも楽しい学校生活を送ってほしいと思ってこれまで関わってきたのであって、恋人云々はあくまでそれに付随するだけのものだった」 「……私のことなんて、最初から好きじゃなかったの? 今までのあれは全部演技だったの?」 「そんなことはない。俺は優のことが好きだった。毎日会えるかどうかもわからない夢香と違って、毎日確実に、しかも必ず二人きりで出会えることが、何よりもうれしかった。優との喫茶店での時間は優にとって安息の時間だったかもしれないけど、俺にとってもかけがえのないものだった。正直、すごく幸せだった。でも、それもこれも全部、気の合う俺たちがお互いを助け合うという目的があるからこそのもので、俺たちが幸せな時間を過ごすことそのものが目的になってしまったら、何のために優に近づいたのか、わからない」 「その言い方だと、少しは演技していた気持ちがあるように受け取ることもできるよ? どうなの?」 「たしかに。ちょっと言い方が悪かった。でも優、君はちょっと「恋愛」とか、「人を好きになること」にこだわり過ぎなんじゃないか? 恋愛の価値観は人それぞれだから俺が決めつけられるものではないけど、少なくとも俺が優に対して抱いていた「好き」という気持ちは、「優に楽しい学校生活を送ってほしくて、少しでも中学のときの埋め合わせができれば」という土台のもとにあった。もちろん恋愛的な意味もある。でも、恋愛だけが目的になったら土台が崩れてしまう。土台が崩れれば「好き」という気持ちもおかしくなってしまう。そして、今がまさにその状態なんだよ」 「でも、私が誠くんのことを好きじゃなくなって、誠くんが私のことを好きじゃなくなったら、私の人生が元に戻ってしまう。もしそうなるのなら、私、誠くんの目の前で自殺しちゃおうかな」 「待て。俺は君を助けるのをやめると言っているわけじゃないんだ。俺が優を助けて、優が俺に助けられる関係、それって別に恋愛関係じゃなくてもできることじゃないか...

【自作小説】ワールド・インターチェンジ「第14話 あまりにも痛すぎる仕打ち」

その夜、俺はついに夢の世界に呼び出された。 何やら穏やかでない物音で目を覚ます。すくりと体を起こすと、ベッドの左少し離れたところで二人の少女が戦いのようなことをしていた。それも、ただのごっこ遊びのレベルではない。一方の少女の目つきは鋭く、本気で何らかの目的のために戦っているようだった。もう一方の少女は完全に力の面で劣っており、例えるならばいつゲームオーバーになってもおかしくない、といった状況であった。しかも、その少女は女の子であるにもかかわらず、生まれたままの姿で横たわっていた。俺のいる位置からは見えないが、彼女は女の子の大事な部分を隠す余力すら残されていないようだった。近くに夢香が来ていた服と思しき布があったが、どれもビリビリに破かれていて、とても着られるような状態ではなくなっていた。強いほうの少女は、そんな彼女の哀れな姿を嘲笑するかのようににらみつけていた。 「ねぇ! まだわからないの? お母さんはどこかの世界で生きてるの。そんなのそこらへんの塵でしかないわ」 「優さん、目を覚ましてください。あなたのお母さんがどの世界にもいないということは、この書類にしっかり証明されています。つらいお気持ちは私にもわかりますが、いつかはこの事実を受け入れなければなりません。今すぐは難しいかもしれませんが、まずはこの事実を受け入れる努力を」 「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさあああああ~~~い!!」 そう言って強い少女は、弱い少女を鞭のようなもので繰り返し叩き付ける。皮膚がむき出しになった腹部をめがけて靴で蹴りを入れる。 「ああっ!! きゃあ! うっっ!」 「おいやめろ!!」 俺はこの惨状を直視することができず、目線を自分の足元に向けたまま、自分にも出したことのないような大声で叫んだ。二人の少女……夢香と優は、ようやく俺の存在に気付いたようで、戦うのをやめた。彼女たちが視界に入らなかったので実際はどうなのかはわからないが、たぶん二人ともこちらを注目していたと思う。 「優……いくら女同士だからって、こんなのおかしいよ。今の優の行動は、単なる復讐の範囲を超えている。それと夢香……優だってもしかしたら事実を受け入れようと努力しているかもしれないじゃないか。もうちょっと優しい言い方はできないのか。二人とも感情に身を任せ過ぎだ!」 「誠くん...

2016年前半を振り返って~挑戦と飛躍の半年~

早いもので2016年も半分が終わろうとしています。HEstudentは6月末に「前半を振り返って」、12月末に「1年間を振り返って」ということで振り返り記事を投稿してきましたが、今回も2016年前半を簡単に振り返ってみたいと思います。 この半年間を一言で振り返ると、「挑戦と飛躍の半年」だったと感じています。 この半年間は大学院進学を意識した行動、および大学院進学を決意したからこそできたことが数多くありました。 私の大学での大学院入試では、成績優秀者は面接と所属研究室の教員の推薦のみで入試を受けることのできる制度があり、私も3年前期時点の成績ではこの制度を利用可能でした。しかし少しでも気を抜くと平均点が下がってしまうため、また大学院で研究を極める者として今のうちから大学院を意識した勉強を始めたいと考え、3年後期での目標点を高く設定し、それに向かって平均点をむしろ上げるぐらいの強い"挑戦"心で期末試験に臨みました。結果的に目標点は(ギリギリではありましたが)達成し、また後になって成績上位者が利用可能な大学院学費減免制度の存在を知り、平均点を上げたおかげでこの制度の適用対象になったので頑張った甲斐がありました。 大学院進学を早々に決意したことで、就活の道に進んでいればできなかったであろうことをいくつもすることができました。 3月に実施した「 日本半周ぐるり旅 」および「 東京旅行 」は、ちょうど学内外での会社説明会全盛期に実施したものでした。また、月1回で連載を開始した4コマ漫画「女パソ~とある女子パソコン部の日常~」も、もし就活をしていれば落ち着いて原稿を描く時間が取れず、連載そのものができないか、できたとしても不定期公開となってしまい満足いく作品制作ができなかったと思っています。就活の状況によってはイラストを描く精神的余裕すらもなくなり、せっかく軌道に乗りつつあったイラスト・漫画制作という趣味を再びあきらめざるを得なかったかもしれません。この半年間はまだ時間的余裕がたっぷりとあったため、イラストを何枚も描き、漫画も並行して制作することで、イラストのスキルだけでなく、4コマ漫画に必要とされるギャグセンス、また2014年に制作し、現在ブログにて連載中の自作小説「ワールド・インターチェンジ」以来放置していたシナリオ制作のスキルを大き...

【自作小説】ワールド・インターチェンジ「第13話 あなたの心は全部お見通し」

曜日は明けて月曜日、いつもの喫茶店のドアを開けると、そこには優の姿があった。彼女に特別変わった点は見受けられなかった。というか優が、俺が彼女の家に行ったことをあまりに気にしていなさすぎることに、少々複雑な思いを抱かずにはいられなかった。だってそうでしょう。普通は異性が家に来たら、そのあと会った時に気まずさを感じずにはいられないぞ。というか、今の自分がまさにそれである。彼女と目を合わせるのもやっとだった。それなのに、優はまるで俺が、始めから家に行くことなどなかったかのように、平然とした振る舞いでクラスメイトと接していた。とはいえ、彼女が昔から「本当の自分を隠して人と接する」性格であることを考慮すれば、実は内心気まずく感じているのだろうか、と考えもする。 「よっ、来たぞ」 「うん……」 優はこちらを見ず、返事だけしてスマートフォンをいじっていた。今までの彼女ならそんなことはまずなく、たいてい笑顔で「今日も来てくれてありがとう、誠くん」などと返してくれた。今の彼女の表情は学校でのそれとは全く別で、少なくとも「学校での優」と「喫茶店の中での優」の心の中は全く別のものだと推測することができた。 俺は優のとなりに座ったもの、話す内容を見つけられないでいた。この前彼女の部屋を訪れた時に、飽きてしまうほどいろいろな話をしたから、何を話そうにもこの前の繰り返しになってしまう。脳みそを必死に回転させて話のネタを考えていると、優がこちらに目を向けることなく尋ねてきた。 「ねぇ、誠くん……あれがお母さんの仏壇だって、どうして思ったの?」 俺はその言葉に、一瞬で血の気が引き、青ざめてしまった。みるみるうちに脇汗がにじみ出てくる。そのうち額からも汗が流れてきた。彼女の口調は、俺が誰かと浮気していたとして、その様子を影で見ていて後でそれを暴露するかのような話し方だった。あるいは、親に内緒でどこかへ出かけて、帰ってきたときに玄関に親が立っていて、何をしていたか問いただすような話し方であるともいえる。極端な言い方をすれば、ホラーだった。もしかして優に殺されるんじゃないか、と思った。実際に男女関係のもつれで殺人事件に至ったケースも聞いたことがある。 「う、うえっ!?」 あまりにビビってしまい、声が裏返る。先生に課題をやっていないことを咎められるとか、何か悪いことをしてそれが親にばれて怒...

【Xperiaアンバサダーモニター企画】Xperia X Performance試用レビュー~3.スグ電・その他編~

「Xperiaアンバサダーモニター企画」パート3ではdocomo版Xperia X Performanceに搭載されている新機能の一つである「スグ電」を試してみたいと思います。また、当記事執筆時点でモニター機貸し出しから2週間ほど経過しておりますので、これまでに使用してきて新たに感じた事、以前のレビューから使い勝手が変わったことなどもここでお送りしていきます。 「スグ電」とは電話の基本操作(電話を受ける・切る・かける・拒否する)を画面操作せずにタップレスで操作できるdocomoオリジナルの機能で、2016年5月以降に発売されたdocomoのスマートフォンに搭載されています。もちろん、X Performanceも対象機種となっています。 実際の動作については文章で説明するよりも実際に動かしてみたほうがわかりやすいので、スグ電を試してみた様子を動画でご紹介します。ここでは発信(右耳・左耳)と切断を試しています。 画面オンの状態で端末を一度振ると「ブッ」と一度振動し、その状態で右耳または左耳に端末を持っていくと「ブッブブッ」と振動して電話がかかります。動画では例として右耳に時報(117)、左耳に天気予報(時報の117と文字の見た目が紛らわしいので、大阪府の天気予報06-177としている)を登録していますが、右耳と左耳とでそれぞれの番号にかかっているのがわかります。なお、右耳・左耳に登録できる番号はあらかじめアドレス帳に登録されている番号に限られます。 通話中に端末の画面を下にして置くと「ブッブブッ」と振動して電話が切れます。 なお、普段から強い振動を加えるような状況で使用している場合、その振動により意図しない発信が行われる可能性がありますので、使用する際は自分の使用状況を把握したうえで、必要な機能のみオンにして使うのが望ましいでしょう。 なお、XperiaスマートフォンにはZ5以前のモデルにも「スグ電」に似た機能として「スマート着信操作」の機能がありました。これは端末を耳元に当てるだけで電話を受けることができたり、端末の画面を下にして置くことで着信音を消すことができる機能です。一部機能は類似していますが、「スグ電」は新たに発信機能が追加されているなど、「スマート着信操作」をより進化させた機能といえます。かくいう私は電話をかけることも受けることも少ない...

【自作小説】ワールド・インターチェンジ「第12話 それは、もはやデートとは呼べないものだった」

ある金曜日、別れ際に優が言う。 「誠くん、明日土曜日だけど、暇?」 「あぁ、俺は暇だけど、どうかした?」 「突然だけど、私の家に来ない? もっとおしゃべりしたいな~って思って」 「でも、俺が優の家に向かっているってことがばれたらやばくないか?」 「大丈夫、今から裏道教えるから。その道から来て、裏口から入れば人目につくことはないよ。だめ、かな……?」 「いや、この前みたいにならないなら俺は構わない」 「やった! ありがと~。じゃあ、今から道順教えるね」 優から裏道を教えてもらい、別れる。それから、俺が生まれて初めて女の子の家に遊びにいくという、重大な事実に気付き、その途端心臓の鼓動の加速を感じずにはいられなかった。俺は高揚した気分で自転車をこいだ。その夜も、夢香に会うことはできなかったが。 翌日、俺は教えてもらった道順通りに狭い路地を進み、ある一軒家にたどり着いた。すぐに裏口の扉が開き、中から優が出てきた。 「誠くん、こっちこっち!」 小さな声で手招きする。さながら秘密の話し合いでもするかのように。俺は改めてカバンを探り、勉強道具と、暇つぶし用の本が入っているかを確認した。 「お邪魔します」 「ど、どうぞ~」 いわゆる勝手口と言えるような小さなドアから、優の家に入る。それは台所に直接通じており、優の日常をほんの少しだけ垣間見ることができた。 「ごめんね、あまり片付いていなくて」 「俺は構わないよ」 「家の中も結構散らかってるから、あまり見ないでほしいな」 「俺には十分きれいに片付いているように見えるけどなぁ」 などと会話しているうちに優の部屋に到着。俺、これから女の子の部屋に入るのか……ごくり、と息をのむ。どうしてだろう。急に緊張してきた。さっきまでの平静はどこへ行ってしまったのだろう。そして、ついに優の部屋のドアが開かれる。 「どうぞ、入って……」 「おぉ……」 彼女の部屋は、我々が想像しがちな女の子の部屋、すなわちファンシーなグッズが並べられていたり、ベッドに大きなぬいぐるみがいくつも転がっていたりなど、そういった部屋ではなく、四畳半の和室の片隅に勉強机、そのほぼ反対側には布団を置くスペースだろうか、何も置かれていない空間がある。部屋の真ん中、ちょうど半畳の畳が埋め込まれるべき位置には、場にそぐわないというか、来客のた...

【Xperiaアンバサダーモニター企画】Xperia X Performance試用レビュー~2.カメラ編~

「Xperiaアンバサダーモニター企画」パート2ではXperia X Performanceのカメラ性能についてチェックしていきます。 私自身はスマートフォンに搭載されているカメラ機能は、どれだけ性能が良くなろうと「所詮スマフォのカメラ」と考えており、また実際にスマートフォンで撮影できる写真には限界があり、構図やライティングを工夫しない限り「いかにもスマフォで撮影した」ような絵になってしまいます。このことから私は現在でも本格的な写真撮影の際は設定の自由度が高いハイアマ向けデジタルカメラまたはデジタル一眼レフカメラを使用しています。しかし、そんな私でもレビュー記事用の写真の撮影やSNSに投稿する写真の撮影など、「撮れればいい」程度のものについては撮影後の画像の取り扱いがフレキシブル(レタッチアプリを用いてスマフォだけでトリミングや画像補正を施すことができたり、画像をLAN経由で自分のPCに流したり、クラウドや写真投稿サイトへのアップロード・公開などがスマフォだけでできる、など)であることから、Nexus 6Pのカメラ機能を使うことが多いです。また、スマートフォン選びにおいて「カメラ性能」を重視するユーザーが多いのは事実であり、Xperiaの商品情報ページでも「カメラ」の項目が独立して設けられていることからもスマートフォンのカメラ機能は重要な項目の一つとなっています。本レビューでも「カメラ編」を独立した記事としてお送りしていきます。 Xperia X Performanceのカメラ機能の大きな特徴としては、 Xperia史上最速0.6秒起動・撮影 先読みオートフォーカスによる0.03秒オートフォーカス 有効画素数約1320万画素、広角レンズ・大型高感度センサーを採用したのフロントカメラ 使いやすく進化したUI が挙げられます。もちろん、Exmor RS for mobile・SONY Gレンズ・BIONZ for mobileといった、従来からの高画質技術も引き続き採用されています。なお、Z2以降のXperiaスマートフォンに搭載されていた4K動画撮影機能は搭載されておらず、動画の最大サイズはFull HD(1920x1080)となります。本格的な4Kビデオカメラに比べると画質面で大きく劣り、「これは4Kで撮影したものだ」と明示しない限り4...