今回はAppleの最新スマートフォン「iPhone 16」を購入しましたので、開封の様子と簡単なレビューをお送りします。
私は2021年10月~2023年9月までiPhone 13を使用しており、さらにその前はiPhone XSを使用していたのですが、iPhone 13の購入から2年となるタイミングで、iPhone XSに乗り換えるまで3代(Xperia ZL2・Nexus 6P・Mate 10 Pro)にわたり使っていたAndroid端末に乗り換えたいと思いました。ちょうど2023年9~10月にかけてクルマの購入を検討していたこともあり、できるだけ安価に2年間(できればそれ以上)使い続けられる端末ということでGoogle Pixelが候補にあがり、たまたまPixel 6aのSIMロック解除品(未使用品)が端末ショップで販売されていたこともあり、機種変更しました。
Pixel 6aはPixelシリーズの中で廉価版の位置づけではありましたが、(携帯ゲームをしないこともあり)特に処理が遅いと感じることはなく、実使用での不満はありませんでした(購入時点で2世代前の製品だったこともあり開封レビューは投稿していませんでした)。しかし、購入直後から屋外で度々モバイルデータ通信が数分間圏外になったり、昨年12月にはクレジットカードの2段階認証でSMSがうまく受信できず、端末を再起動するとSMSが届くなど、モバイル通信でやや不安を感じていました。そんな中、先月カーディーラーからの折り返しの電話が来ないことを疑問に思いテストで時報に電話をかけようとしたところ、画面上の電波表示は正常にも関わらずメイン回線が圏外になっており、再起動するとカーディーラーからの不在着信の通知がSMSで大量に来るという出来事が発生。携帯電話の最も重要な機能である電話の発着信に致命的な問題を抱えていることが発覚しました。今年9月で購入から2年となるため、ひとまずその時期までだましだまし使い続けることも考えましたが、このような問題が発覚した以上万一のときの緊急連絡に支障が出ると判断し、また仮にこの問題がなかったとしても去年末ごろから「購入から2年になる2025年9月ごろにまたiPhoneに乗り換えよう」と考え始めていたため、予定より大幅に早くなってしまいましたが今回iPhone 16の購入に至った次第です。
それではさっそく開封していきましょう!今回購入したのはiPhone 16(Proではない)のブラックです。なお、購入の数日前には廉価版モデルとなるiPhone 16eが発表・予約受付されていたほか、購入時点では1世代前のiPhone 15もApple公式通販で購入可能でしたが、iPhone 16ではこのあと見ていく通りハードウェア面でかなり大きな変更があったため、どうせ買うならそれらを試せる最新モデルにしよう!ということでiPhone 16を購入することにしました。
付属品はSIMカード引き抜きピンとUSB-Cケーブルのみ。ドキュメントやAppleロゴステッカーも付属しません。
なおUSB-Cケーブルはスリーブ巻きの上質なものとなっています。
これまで使用していたPixel 6aと並べて撮ってみたの図(撮影時点ではiPhone 16の画面には何も貼っていませんが、iPhone 13でも貼り付けていた非光沢フィルムを別途注文していて、後日貼り付けました)。Pixel 6aもモバイル通信の不具合以外は特に不満点はなく、特にカドのRが小さい点については後継のPixel 8以降丸みを帯びたデザインになってしまったのが悔やまれるぐらい、精悍なフォルムが気に入っていました。
Pixel 6aはインカメラ部分が小さな丸いパンチホールになっていますが、iPhoneにおいてはProモデルがiPhone 14 Pro以降、標準モデルはiPhone 15以降でインカメラ・Face IDユニットの配置が変更となり、従来のノッチに代わり「Dynamic Island」が採用されました。実際はインカメラの丸いパンチホールとFace IDユニットの楕円形のパンチホールが横並びになっているのですが、この2つのユニットを1つの大きな楕円形のパンチホールのように見せるだけでなく、各種操作に応じてこの領域の大きさ・表示される情報を変化させることでまるでパンチホールが動的:Dynamicに変化しているかのように見せる仕組みです。なお通常時にスクリーンショットを撮影した際は従来のノッチと同様、黒い領域の下に隠れている画面も表示される形となります。
背面はこんな感じ。一番目立つ違いとしてはやはりカメラで、Pixel 6aはバー状の出っ張り部分にデュアルレンズを、iPhone 16は左上にデュアルレンズを、それぞれ備えています。過去に投稿したiPhone 13・iPhone XSのレビュー記事をご覧いただくとわかりますが、iPhoneのカメラレンズは年々その大きさを増しており、Proモデルのトリプルレンズは特に6.3インチモデルの場合ボディに対して不釣り合いに大きく、個人的には不気味にすら感じます。また、近年のiPhoneはレンズの飛び出し具合が大きく、カバーをつけない場合ディスプレイを上にして置くとガタガタして安定しないほか、レンズ部分をぶつけてダメージを与えてしまうリスクもあります。自分はレンズ部分が面一になる造形がなされているカバーを装着してリスクを減らしていますが、取り扱いに注意すべき部分であり、バー状となっていることで安定して置くことができるPixelシリーズとの大きな差といえるでしょう。
なお、iPhone 16はデュアルレンズながら0.5・1・2倍の光学ズームに対応しているほか、マクロ撮影にも対応しています。iPhone 13は光学ズームが0.5・1倍のみで、望遠側はデジタルズームとなっていたほか、マクロ撮影には対応していませんでした。
下部。送話口とスピーカーがあります。以前iPhone 13を使っていた私個人の一番の注目ポイントはやはり従来のLightningに代わってUSB-Cが採用された点でしょうか。これはiPhone 15シリーズから採用されたもので、Dock→Lightningと独自のインターフェースが採用され続けてきたAppleのモバイルデバイスにおいてついに汎用的なインターフェースが採用された形です。私はiPhone XS・13と使ってきたこともあり、一応Lightningケーブルなどは一通り持っていましたが、特にサードパーティ製のLightningケーブルが(Apple MFi認証を取得している製品でも)端子部分の接触が良くないものが多く、充電するために数回抜き差しすることもあるなど、これまでiPhoneを使ってきた中で不便に感じるポイントの一つでした。USB-Cケーブルではこれまで使用してきたスマートフォン・タブレット・PC・周辺機器のいずれにおいても接触不良等で不便を感じたことはなく、それがiPhoneに採用されたことは、ケーブルやモバイルバッテリー等USB-C向けのアクセサリを多数所有しておりそれらを流用できることと併せて、高く評価できるポイントといえるでしょう。
なお、このUSB-Cポートは従来通りUSB PDに対応しているものの、転送速度はiPhone 16についてはUSB2.0相当となります(iPhone 16 ProはUSB3.0相当)。まぁ自分はUSBケーブルでデータ転送をすることはなく(PC・NASとのファイルやり取りもWi-Fi経由)、充電だけできれば良いので、この点は必要十分なスペックといえます。
右側面。画像の左側が本体上部となります。左(本体上部側)からサイドボタン、カメラコントロールボタンが並びます。カメラコントロールボタンはiPhone 16シリーズから新たに搭載されたもので、ボタン押下で画面消灯状態からでもすぐカメラを起動できるほか(デフォルトはシングルクリックだがダブルクリックでの起動に変更することも可能)、感圧タッチと触覚フィードバックが内蔵されておりボタンを軽く押しながらなぞることでズーム倍率などを調整できるほか、設定変更によりボタンを軽く押し続けることでシャッターボタンを半押ししたときのようにフォーカス・露出を固定することもでき、実際のカメラに極めて近い操作感でカメラAppを操作することができます。
左側面。画像の右側が本体上部となります。右(本体上部側)からアクションボタン、音量ボタン、SIMカードスロット。iPhone 16シリーズはそれまでのサイレントモードスイッチに代わりアクションボタンが備えられました。これは長押しすることで様々な操作をショートカット的に呼び出せるもので、従来のサイレントモードのオンオフのほか、集中モードのオンオフ、カメラやフラッシュライトの起動など、様々な機能を割り当てることができます。従来はサイレントモードのオンオフしかできませんでしたが、例えば常にサイレントモードに設定している、サイレントモードのオンオフはコントロールセンター上でも良い、というユーザにとってはこの部分のハードウェアボタンをより便利に活用できる機能といえます。
なお、サイレントモードのオンオフがスライドスイッチでなくなったことにより現在サイレントモードかどうかをスイッチの状態で確認できなくなったからか、サイレントモードがオンの時は時刻表示の横にそれを示すアイコンが常時表示されます。
それでは、Pixel 6aからSIMを移行して早速起動していきましょう!iPhone XS→13への移行時にはiCloudにバックアップを作成したことや移行アシスタントのおかげで非常にスムーズに移行が完了し、ホーム画面の配置も前端末のものがそのまま引き継がれましたが、Pixel 6aへの移行時にバックアップ等は作成せず、端末も手放したため(その際端末に関する情報がアカウントから削除される)、iPhone 16は1からのセットアップとなりました。もろもろ忙しいタイミングだったことや業務で使用しているアプリが出社日にしか移行できないことなどもあり、断続的に5日ほどかけて移行する形となりました。また、同時に購入していたApple Watch Series 10についても同様に1からのセットアップとなりました。
続いて性能を見ていきましょう!
CPUはA18チップとなり、A17 Proチップを搭載したiPhone 15 ProとあわせてApple Intelligenceに対応しています。従来機種から大幅に性能が向上しており、ベンチマークで使用している3D Mark Wild Lifeでは…
ほぼすべてのシーンで最大の60fpsに張り付き、スコアが(高すぎて)測定不能となってしまいました(笑)。
カメラの性能・画質については、今後SNSやYouTubeにiPhone 16で撮影した写真や動画をアップロードしていく予定ですが、使い始めてすぐに良いと感じたポイントとしては前述の通りマクロ撮影に対応した点で、これまでiPhone 13 Pro以降のProモデルしか対応していなかったマクロ撮影が通常モデルでも対応した点は高評価です。
こちらは私が普段物撮り(特にスマフォカメラでは撮れないような構図の撮影時)に使用している「Canon PowerShot SX740 HS」で万年筆を撮影した図(ちなみにこのレビューのほかの商品画像についてもこのPowerShotで撮影しています)。特にマクロ撮影に特化したカメラというわけではありませんが、35mmフィルム換算で約80mmの焦点距離ながら5cmまで近づける中望遠マクロの画が撮れるため活用しています。余談ですがマクロ撮影以外では35mmフィルム換算で960mmという超望遠ズームを活用して天体写真(主に月の撮影)や風景写真の撮影でも活躍しています。
そしてこちらがiPhone 16のマクロ撮影で万年筆を撮影した図(オリジナル画像から「写真」Appでコントラストが上記PowerShotの写真と同様になるようレタッチ)。中央の「P」の刻印あたりにフォーカスが来るよう調整したのですが、トリミングなしでここまで寄った映像を撮ることができること、金属のごく細かいテクスチャやわずかに付着しているインキの生々しさは、PowerShotを大きく上回る表現力だと感じました。
私はSNSに写真をアップする際写り込みを気にしたり商品名・特徴を強調したりする意図で被写体に寄って撮影することが多いのですが、以前使用していたiPhone 13はあまり近くまで寄ることができず、ピンボケを承知で寄るかフォーカスが合うギリギリのところで撮影したあと要らない部分をトリミングしていました。iPhone 16でマクロ撮影に対応したことでこれまでの煩わしさがなくなるほか、前述の通り被写体まで1~2cmまで寄れることを活かした大胆な映像表現も今後試してみたいと思いました。最近はiPhoneのProモデルがYouTuberや映像プロダクションでも撮影機材として活用されているなど、もはや「日常づかい」「撮れれば良い」の域を超えつつあるiPhoneのカメラは、私自身様々なクリエイトに活用していきたい「万能カメラ」に進化したといえるでしょう。
なお、カメラコントロールボタンでシャッターを切る際、本体の薄さやボタンの固さの関係でわずかに手ブレすることもあり、LIVE撮影を有効にしていればシャッターボタンを押した瞬間に手ブレしていても前後数秒の映像からブレていない瞬間を選択して修正することができますが、暗い環境での撮影など手ブレが避けられない状況では軽く触れるだけでシャッターを切ることができる画面上のシャッターボタンも活用するなど、上手く使い分けていきたいところです。
バッテリーについては「最大22時間のビデオ再生」となっており、最大19時間だったiPhone 13よりやや増加していますが、これまで使用した感じiPhone 13やPixel 6aとバッテリーの減り方は同じぐらい(購入直後ということもあり、iPhone 16のほうがバッテリーの持ちが良いような気もする?)に感じます。
ちなみにPixel 6aではバッテリーセーブやセキュリティを目的に長期間起動していないアプリの通知や権限を一時停止する機能があり、PREP(旧ゆれくるコール)など通知の表示だけを目的にインストールし初回設定時にしか開かないようなアプリについて、いつの間にか通知が来なくなっていたなど、やや不便を感じる面がありました(一応設定で無効にすることはできるが、アプリごとに設定する必要がある)。iPhoneについては以前使用していた13・XSともそのようなことはなく、通知を取りこぼす心配はないほか、通知が煩わしくしばらく受け取りたくない場合に集中モードを選択することもできるなど、シーンに応じてユーザーの意思で通知をコントロールできます。
というわけで、iPhone 16の開封レビューをお送りしました。今回Pixel 6aの不具合を理由に急きょ買い替えることとなりましたが、iPhone 16は通常モデルでもカメラ機能が強化されている点で、ただiPhoneに買い替えたというだけでなく「様々な映像表現ができるカメラを手に入れた」ともいえ、すでに所有しているPowerShot SX740HS・GoPro Hero 11とあわせて趣味の活動などにおいて大きく活用していきたいです。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。