今回はAppleの最新スマートウォッチ「Watch Series 10」を購入しましたので、開封の様子と簡単なレビューをお送りします。
私は2021年10月~2023年9月までiPhone 13とともにWatch Series 7を使用しており、さらにその前はiPhone XSとともにSeries 4を使用していました。2023年10月にスマートフォンをPixel 6aに乗り換える際スマートウォッチについてもAndroidベースのものに乗り換えようと思い、Google Pixelからスマートウォッチが出ていることもありPixel Watch(初代)を購入しました。
モバイル通信で致命的な不具合が発覚したPixel 6aと違い、Pixel Watchは特に致命的な不具合もなく、"Androidスマートウォッチとしては"特に不満なく使えていました(なぜこのような注釈をつけたかはこのあと比較レビューにて)。しかし、スマートフォンを再びiPhoneに乗り換えるにあたりスマートウォッチについても再びApple Watchにすべく、同時に乗り換えた次第です。
それでは早速開封していきましょう!今回購入したのはSeries 10のGPSモデル、ジェットブラック、42mmケースとなります。iPhone 13・Watch Series 7とiPhone XS・Series 4のときはそれぞれ同じフレーム素材・カラーでコーディネートしていましたが、Watch Series 10のジェットブラックはアルミフレームながら艶ありの仕上げとなっているのに対し、iPhone 16のブラックは普通のアルミフレーム(艶なし)のため、今回初めてiPhoneとWatchで異なる表面仕上げのフレームを選択したことになります。思えばジェットブラックはiPhone 7にも採用されていたカラーで、当時iPhoneユーザではないながらもその精悍なフレームデザインに魅力を感じていましたが、まさかこのような形でジェットブラックの製品を手にすることになるとは思ってもみませんでした(笑)。
まずはバンドから。Apple公式で購入する際はバンドを自由に選ぶことができます。私はSeries 4の途中でスポーツループを単品で購入しSeries 7でも継続して使っていましたが、装着感と軽さが気に入っていたのでSeries 10でもスポーツループを選択しました。色味はSeries 9までの「ミッドナイト」カラーを連想させる濃いブルーグレーのシンプルなものです。なお、バンドサイズはSeries 3以降のすべてのモデルで大小各サイズごとに互換性があり、Series 4・7で使っていたスポーツループも一応流用可能ではありましたが、せっかく購入時にスポーツループを選択できるとのことで心機一転バンドも新しくした次第です。
本体側の箱を開けるとこんな感じ。iPhone 16のほうはクイックスタートガイドや安全情報などのドキュメント類も省略されていましたが、Watchのほうは一応簡単なドキュメントが1枚だけ入っています。
このほか、付属品として充電ケーブルが入っています。こちらもiPhone 16のUSB-Cケーブルと同様、スリーブ巻きの上質なものとなっています。
これまで使用していたPixel Watchと並べて置いてみたの図。以前使用していたApple WatchはSeries 4が40mm、Series 7が41mmで、今回のSeries 10で42mmとケースサイズが大きくなっていますが、パッと見で極端に大きくなった感じはしません。Pixel Watchともほぼ同じサイズ感(ケースサイズ41mm)です。
肌に触れる部分には各種センサーが搭載されています。Series 8から皮膚温の計測が可能となっており、そのセンサーが新たに搭載されていますが、見た目は以前使用していたSeries 7と特に変わらないように見えます。
右側面にはDigital Crownとサイドボタンを備えています。ステンレスケースですがジェットブラックは光沢仕上げとなっています。また、Series 7をすでに手放したため比較はできませんが厚みがこれまでのモデルより抑えられており(10.7mm→9.7mm)、ケースサイズが大型化しながらも「ゴツいものをつけている感」がないデザインとなっています。重量も以前使用していたSeries 7の32gから30gへと軽量化し、純正バンドの中で最も軽量(Apple店員談)というスポーツループと組み合わせることで非常に軽快な装着感となっています。
それでは早速セットアップしていきましょう!Apple Watchは以前使用していた機種からの乗り換えであっても一度「新しいWatch」としてセットアップする形となり、Series 4→7への移行時も一度新規にセットアップしたうえでモバイルSuicaを移行していました。今回のSeries 10についても新規にセットアップした後モバイルSuicaをPixel Watchから移行した形になります。
ここからは以前使用していたSeries 7のほか、Pixel Watchとも比較しながら使用感についてレビューしていきます。
Series 10最大の特徴としてディスプレイの大型化・輝度向上が挙げられます。輝度についてはSeries 4・7とも特に申し分なかったのですが、ディスプレイの大型化についてはSeries 7でも大きく見やすい・操作しやすい印象でしたがそれ以上に盤面の見やすさ・タッチ操作のしやすさが向上した形です。
Pixel Watchについては、そもそもデザインコンセプトが違うので比較することはナンセンスかもしれませんが、円形の盤面を採用していることもあって表示領域が小さく、さらにベゼルも太いため、特にパスコード入力時のテンキーパッドが非常に小さく入力しづらいものでした。Pixel WatchはApple Watch Series 4よりも小さいテンキーパッドで指先のわずかな皮ふをうまく使って入力する必要があり、慎重な操作を必要とするほか、センサー感度の関係かPixel Watchを装着し続けているにもかかわらずロック解除してしばらくするとロックされて再度パスコードを要求され、慎重な操作を繰り返し要求されることがストレスに感じていました。
動作レスポンスについても、Pixel Watchを1年半使用したことでApple Watchが大きく優れていることを再認識しました。初代Pixel Watchが発売されたのが2022年10月で、ちょうどApple WatchでいえばSeries 8と同時期に発売されたわけですが、以前使用していたSeries 4が動作レスポンスに申し分なく、Series 7に至っては私が投稿した開封レビュー記事にてわざわざ取り上げるまでもないほどでしたが、これに対して初代Pixel Watchは特に電源を入れた直後のレスポンスの悪さが一昔前に私が使用していたスマートウォッチ「Huawei Watch 2」を思い出させるほどで、モバイルSuicaについては起動後にWatch上でGoogleウォレットを開いたあと数分間待つ必要があり(自分の環境ではウォレットを一度開かないとそもそもモバイルSuicaの機能が使えない)、前述した頻繁にロックがかかる事象と併せて非常にフラストレーションの溜まる、前時代的なデバイスだと感じました。Series 10についてはSeries 7でわざわざ記事に書くほどでもなかったのと同じで、レスポンスに関しては申し分なしです。
また、Pixel 6a・Pixel Watchに乗り換えて気付いた意外なポイントがiPhone・Apple Watch間のモバイルSuicaの連携の良さで、言い換えればAndroidでモバイルSuicaを使う際の落とし穴でもあります。
iPhoneとApple Watchを組み合わせてモバイルSuicaを使う場合、iPhoneのモバイルSuica Appから直接Apple WatchのモバイルSuicaに対してチャージしたり、Suicaグリーン券を購入したりと、一体的に連携して使うことができますが、Pixel WatchでモバイルSuicaを使う場合はGoogleウォレットへの登録となり、AndroidスマートフォンのモバイルSuicaアプリからは完全に独立した動作となるためアプリ経由でのチャージや購入ができません(一応Googleウォレットの機能としてチャージのみ可)。
ちなみにAndroidスマートフォンのモバイルSuicaアプリでPixel Watchに登録しているモバイルSuicaにSuicaグリーン券情報を書き込んだり、JRE POINTからチャージしたりすることは、仕組み上不可能ではないのですが、そのためにはモバイルSuicaの機種変更手順を応用する形で、
- Pixel WatchのモバイルSuicaを削除する(この時点でSuicaの情報がサーバに退避される)
- Androidスマートフォンで、退避したSuica情報を復元する(ここまで通常の機種変更と同じ操作)
を行ったのち、
- スマートフォンのモバイルSuicaアプリでSuicaグリーン券を購入したりポイントチャージしたりなど必要な手続きを行う
- 先程と逆の順序でこのモバイルSuicaを削除・サーバに退避して、Pixel Watchで復元する
…という操作を都度行う必要があり、お世辞にもスマートとは言い難いです。
なお、オートチャージの設定についてはFelicaチップ側に情報を保持するため、機種変更等によって使用する端末が変わってもそのまま使用でき、Pixel WatchでもApple Watch Series 7までで使用していたオートチャージの設定が引き継がれて使用することができていました。
バッテリーについては最大18時間と、Series 7から変化はありませんが、Series 9から低電力モードに対応し、こちらを活用することで最大36時間まで持続時間を延ばすことが可能です。
なおApple WatchはSeries 5から常時表示ディスプレイを採用していますが、自分はバッテリー持続時間とディスプレイの寿命を優先してSeries 7では常時表示をオフにしていました。Series 10に乗り換えたのを機に常時表示ディスプレイを活用してみようと、先日常時表示をオンにして一日過ごしてみたのですが、常時表示オフのときの2倍ぐらいのペースでバッテリーが減っていくことがわかりました(何かのレビューで、常時表示のオン・オフでバッテリー持続時間にほとんど差はないという記載を見かけたような気がしたのですが、気のせいだったのでしょうか…)。半日屋外で使用してバッテリー消費が40%前後だったため、バッテリー持続時間自体はおおむねスペック通りだと思われますが、E Ink(電子ペーパー)と違い表示内容の保持にも電力を使う以上バッテリーの消費は避けられないということがわかった点で有意義な知見でした。結局Series 10でも常時表示オフで使うことにしましたが、常時表示オフでも腕を振り上げる・画面をタップする・Digital Crownやボタンを操作するなどで即座に画面が表示されるので、特に不便なところはありません。
というわけで、Apple Watch Series 10の開封レビュー…をお送りしたはずが、なぜか前に使用していたPixel Watchの使用感のレビューの割合のほうが多くなってしまいました(笑)
上記で述べた通り、Pixel WatchはモバイルSuicaに対応していたり各種アクティビティの記録ができたりといった、現代のスマートウォッチに求められる機能を一通り搭載しており、動作についても起動直後に時計表示すら十数秒待たされた5~6年前のAndroidスマートウォッチに比べれば最低限時刻確認はできるなどの改善点もあり、"Androidスマートウォッチとしては"必要十分なスペックを備えたものでしたが、Apple Watchと比較した際に特にレスポンス・モバイルSuicaの使い勝手の悪さは大きな差で、これがSeries 8と同時期に発売されていたことを考えるとApple Watchの圧勝と言わざるをえません。機能をシンプルにしたWatch SE、タフな用途に対応したWatch Ultraという選択肢があること、サードパーティー製品を含めバンドやアクセサリが充実していることなども併せて、Apple Watchはスマートウォッチとして成熟の域に達したといえるでしょう。Series 7以来のケースサイズ変更となったSeries 10に続くモデルが今後どのような機能を追求してくるのかにも期待したいところです。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。