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20歳未満の者の飲酒は法律で禁じられています。
この記事は20歳以上の読者を想定して執筆しています。
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昨今の健康志向の高まりの影響を受けてか、アルコール度数9%の缶チューハイ、いわゆる「ストロングチューハイ」は急速に数を減らし、私が個人的に「この流れにあろうと絶対にゆるがないだろう」と思っていた「ストロングゼロ」でさえ期間限定フレーバーの展開がほぼなくなり、最近は「-196」ブランドで期間限定フレーバーを度数6~7%、かつ無糖で出すことがほとんどとなりました。
かくいう私はお酒が大好きで、金銭的に余裕のなかった学生時代や社会人になって間もないころは、コスパよく酔えるストロングチューハイばかり飲んでいたものです。ここ最近は冒頭に述べた通りストロングチューハイが急速に数を減らしたことでどの店に行っても同じ商品しかなく、フレーバーに飽きる瞬間も増えてきたため、酒屋でウォッカと割材(ジュースなど)を買って飲むことが増えたほか、2025年に入ってからはウイスキーの世界にも手を出し始めています。
ところで、かつては非常に多くの種類のストロングチューハイがあったことをご存知でしょうか?それこそ私が学生時代~若手社会人のころだった2010年代後半は、現在とは比べ物にならないほど多くの種類のストロングチューハイが販売されており、この記事を書くにあたり「ストロングチューハイ黄金時代」と名付けるほどによりどりみどりの時代でした。店舗ごとに置いている商品に違いがあったり、期間限定フレーバーも多数販売されたりして、「今日は飲むぞ!」という日なんかはスーパーやコンビニを数店舗ハシゴしていろいろなストロングチューハイ(とおつまみ)を購入して宅飲みを楽しんでいたのを今でもよく覚えています。
今回はそんな「ストロングチューハイ黄金時代」に思いを馳せつつ、個人的な整理・振り返りも兼ねて、この特集記事をお送りいたします。
…再販してほしいとは言いませんよ、これも時代の流れですから。ストロングチューハイのほとんどはウォッカベースなので、ウォッカとそのフレーバーのジュースを購入すれば味の再現は容易ですし、ウォッカの分量を増やしてよりアルコール度数の高い酒を作ることだってできます。…ただまぁ、「今日はどれを飲もうかな♪」と悩めるぐらいにバリエーション豊かだったストロングチューハイの缶を購入し、家に持ち帰って「カシュッ」とするあの体験を含めて思い入れがあるので、これから紹介するものだけでも、もう一回だけでも、飲みたいなぁとは正直思います(笑)。
※現在も同名で販売中で入手が容易なシリーズは割愛します。また、私の旧垢のアーカイブから都度思い出しながら画像を探すため、当時販売されていたものすべてを紹介しているものではなく、また飲んだことがあっても紹介し忘れているものがあるかもしれないことをあらかじめご了承ください。
①キリン「キリン・ザ・ストロング」
個人的にストロングチューハイ黄金時代で一番印象に残っているのが「キリン・ザ・ストロング」です。このシリーズ最大の特徴はなんといってもフレーバーの種類の多さでした。通年販売のフレーバーだけでもドライ・コーラ・ホワイトサワー・レモンが展開されていましたが、このほかに毎年夏ごろの期間限定で販売されたハードラムネ、その他限定販売のフレーバーとしてはシークヮーサー・ゴールドサワー(いわゆるエナドリ味)・メロンソーダ・ライムモヒートなどがあり、同じレモンフレーバーでもレギュラーのレモンのほか期間限定で味わいレモンサワーが発売されるなど、少なくとも10種類以上展開されていたかなり大所帯なシリーズでした。
なお、このシリーズ自体は後年になり「麒麟特製サワー」シリーズにリブランディングされ、コーラ・ホワイトサワー・レモンなど一部のフレーバーは新しいブランドで事実上継続販売されていますが、かつてのような大所帯ではなくなってしまったうえに、近年は期間限定フレーバーをアルコール度数6%で発売し始めていることから、名実とも「ストロング」は過去のものとなったのでした。
②サントリー「-196ストロングゼロ ガツーンとホワイトサワー・ガツーンとサイダーサワー」
次に印象に残っているのがこのシリーズです。ストロングゼロ自体は現在も販売されていますが、「ガツーンと」シリーズはストロングゼロブランドを冠しながら明らかに別のシリーズであるかのようなパッケージデザインで展開されており、当時のストロングチューハイ市場の大きさを物語っている商品の一つといえます。
味自体は①で紹介した「キリン・ザ・ストロング」のホワイトサワー・ハードラムネとそこまで大差ないものだったと記憶していますが、大体このころからストロングゼロシリーズは特有のアルコール臭さがかなり低減され、「ガツーンと」シリーズもアルコール臭さをほとんど感じませんでした。それでいて1缶飲み終わったころにはしっかり酔いが回っているので、味の取っつきやすさも含めて飲み過ぎ注意なのが、このころのストロングチューハイ全般にいえる印象でした。
かくいう私も、さすがに人前で失敗したことはありませんが、一人で宅飲みするときはむしゃくしゃしたり気分が上がったりしたときなどに飲酒を焦りすぎてしまい、激しい二日酔いなど失敗することが多々ありました(笑)。お酒は楽しく適量を!
③サントリー「-196 〇〇PUNCH」シリーズ
このシリーズは現在も展開されており、また度数も9%ではありませんが、過去の写真を掘り起こしていて印象的だったのを思い出したので紹介させてください。
近年はほかのシリーズでフレーバー展開が少なくなったことも相まって、例えばグレープサワーや乳酸菌飲料味など、フレーバー面での希少性も上がりました。最近販売されるこのシリーズはアルコール度数は7%とやや控えめになっていますが、前述の希少性から現在でもコンビニなどで見かけた際はそれが終売するまでヘビロテすることが多いです。
④アサヒ「もぎたて」
このシリーズ最大の特徴は、ストロングチューハイであることをイメージするパッケージデザイン(例えば商品名に「STRONG」とついていたり、ブラック基調のデザインになっているなど)でないにも関わらずアルコール度数が9%もあるというギャップでした(後年になって「もぎたてSTRONG」とリネームされたようですが)。商品名の通りもぎたての果実感を特に強く感じられるシリーズで、当時激戦区にあったストロングチューハイ市場で個性的なシリーズの一つでした。
⑤サッポロ「99.99フォーナイン」
ストロングチューハイ黄金時代に突如現れたサッポロチューハイは、純度99.99%の高純度ウォッカを使用し、もちろんアルコール度数は9%と、ある意味ストロングチューハイを象徴する数字ともいえる「9」を全面に押し出したシリーズでした。
味に強烈なキャラクターはありませんが、主張控えめなテイストはどちらかというと食中酒向きな印象でした。実際、サッポロは「濃いめのレモンサワー」や最近だと「氷彩」など、食中酒を想定したサワー系の商品を多く販売しており、ストロングチューハイであってもそのアイデンティティを継承したテイストとなっていたのは印象的でした。
⑥アサヒ「ウィルキンソン・ハード」
このシリーズの特徴は商品名の通り、割材にウィルキンソンを使用している点です。個人的にウィルキンソンは数ある炭酸水の中でも特に雑味が少なく、そのままでも美味しいし、ハイボールに使ってもウイスキーの香味を邪魔しない点で特に気に入っており、どのスーパー・コンビニでも売っていることも相まって最近はお酒の割材として炭酸水を使う際は専らウィルキンソンを使用しています。
そんなウィルキンソンが使われたストロングチューハイということで、とにかく雑味のないすっきりとした飲みごたえでした。販売されていたすべてのフレーバーが無糖であったことからも、このウィルキンソンの特長を存分に味わえるシリーズだったことを印象付けます。
⑦キリン「キリンチューハイ ビターズ」
このシリーズに限らず、このころのストロングチューハイはビター系のフレーバーも多く展開されていました。無糖とは違い、若干の甘味を感じつつも、柑橘類特有の苦味を感じられて、単体でも食中酒としても楽しめるのが特長でした。キリンビターズもまた、ストロングを全面に押し出していないのにアルコール度数はしっかり9%あるという、ストロングチューハイ黄金時代を象徴する商品の一つだと思います。
さて、ここからは「番外編」として、上記で紹介したような商品群とは一線を画すものの、同年代に販売されていた印象的なお酒を紹介します。
番外編①サントリー「頂」
当時発泡酒・第3のビールはアルコール度数が5~6%の商品がほとんどであった中で、「頂」は当初アルコール度数7%、のちに8%の商品が展開されたシリーズでした。かくいう私もビールや発泡酒、第3のビールは嫌いではなかったものの、度数が低く価格も缶チューハイに比べるとやや割高な製品が多かったことから飲む機会は少なかったのですが、この「頂」は既存の商品に比べると度数が高かったことからビール風味を味わいつつコスパよく酔える酒として時々購入していました。
肝心の味については、ストロングチューハイ黄金時代の割と初期に出た商品ということもあり、7%版はともかく8%版はアルコール臭さが強烈に感じられ、発泡酒・第3のビールとしては飲みづらかった記憶です。この時は同じサントリーのストロングゼロもアルコール臭さが強かった記憶で、ストロングゼロシリーズのアルコール臭さが低減されていくのがここから1~2年後の話になります。いま販売されているストロングゼロは当時のようなアルコール臭さ・飲みづらさは感じず、もし現在の技術で同様の飲料を作ればもう少し飲みやすくアルコール度数も高い発泡酒も作れるのでは、と思ったのですが、その前に時代が低アルコール志向へと移り変わってしまいました…
番外編②サンガリア「SUPER STRONG 12」
上記で紹介したストロングチューハイはアルコール度数が9%で、これは現在においてもある意味缶チューハイの"上限"となっています。しかし、かつてこの上限を突破し、アルコール度数12%の缶チューハイというものが存在しました。
あまりに高いアルコール度数のためか、パッケージには「氷をたくさん入れたグラスに入れて飲むと美味しく飲めます!」の旨が記載されており、この商品自ら直飲みNG・氷で薄めて飲むことを推奨するほどでした。
肝心の味は正直微妙で、お試しで一度購入したきり再び飲むことはなかったのですが(笑)、当時はこのようなチャレンジングな製品が数多く販売されていたという点で当時を象徴する商品といえるでしょう。
というわけで、ストロングチューハイ黄金時代を代表(?)する缶チューハイを紹介しつつ当時のトレンドについて振り返ってみました。トレンドが低アルコール・ノンアルコールにシフトしている現代において、再び各社から当時のようにストロングチューハイが多数発売されるようなことは当分ないでしょう。それでも酒好きの私としては、最近でこそウイスキーやウォッカを好んで飲むようになったとはいえ、冒頭に述べた通り学生時代~若手社会人のころ特によく飲んでいたこともあり、ある意味「若かりし頃の思い出」ともいえるストロングチューハイが衰退していくのはどこか寂しいものがあります。缶入りアルコール飲料がトレンドに敏感であることに理解は示しつつ、期間限定販売でも良いのでストロングチューハイの新商品がこれからも発売され続けることを願ってやまない次第です。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。