今回はHuaweiのAndroidタブレット「MediaPad T2 7.0 Pro」を購入しましたので、開封の様子とハード・ソフトのレビューをお送りします。
以前使用していたAndroidタブレット「DG-Q08M」はCPUパワーこそ(エントリーグレードとしては)卓越していましたが、やはり1GBのRAMがネックでした。Android4.xであれば(アプリによってはより多くのRAMを必要とする場合があるものの)1GBでも特に不満に感じることはありませんが、Android5.x以降はOSレベルでより多くのRAMを消費するためか、基本的な動作こそこなせるものの例えばアプリを多く開いた場合にバックグラウンド状態のアプリがすぐ落ちたり、写真の多いwebページを閲覧中にブラウザアプリが落ちるなど、明らかにRAMの少なさが原因と思われる動作の不安定さに悩まされてきました。
当初はまた冒険心で1万円台のタブレット端末を購入することも考えましたが、この機会に性能のバランスが取れているタブレット端末を購入し、短期間ですぐに次のタブレットに買い替えてしまう現状から抜け出そうと考え、このほど性能と価格面で優れていたこちらのタブレットを購入した次第です。
それでは早速開封していきましょう!
MediaPad T2 7.0 Proは今年7月に発売されたばかりの新しいAndroidタブレットです。今回購入するにあたっては、同時に発売されスペック面でもほぼ同等のMediaPad T2 10.0 Proとどちらを購入するか最後の最後まで悩んでいました。最終的に7インチという画面の大きさと可搬性を両立したサイズと指紋センサー、7.0 Proでもデュアルウィンドウ(後述)に対応していることが決め手となり7インチのほうを購入しました。10インチモデルはWi-Fiが802.11acまで対応しているのに対し7インチモデルは11nまでの対応となっていますが、DG-Q08M(11nまでの対応)でWi-Fiの速度に特に不満は感じていなかったため、比較対象から除外しました。また、7インチモデルはLTE通信に対応しており(しかも国内大手3キャリアの主要バンドにすべて対応している)、将来的にスマートフォンをMVNOに乗り換える計画があるため、その時にタブレット用の回線も一緒に契約すれば屋外でもタブレット単体でインターネットが利用できると考えたのも7インチモデルを選んだ要因です。実はHuaweiの端末はこれで2台目となりますが、1台目が今年4月に購入したNexus 6Pであり、こちらはAndroidリファレンス端末でありHuawei色が全くないため、初めてHuaweiの端末を購入したような気分です(笑)。
箱を開けるとすぐに本体が見えますがそれはいったん置いといて、先に付属品の紹介。USBケーブルとUSB ACアダプタ、クイックスタートガイド、保証書(本体とACアダプタ)が付属しますが、USBケーブルとACアダプタは手持ちのものを使用しますのでこれらは開封しません。
続いて本体の紹介(写真は液晶保護フィルムを貼り付けた状態)。私はブラック系の色が好みなのですが、MediaPad T2 7.0 Proにブラック系の色がなく、ホワイト・ブルー(淡い水色)・ゴールドの3色だったため、一番無難なホワイトにしました。最近のホワイトの端末は液晶画面のキワまでホワイトのベゼルが迫っているものがほとんどですが、このタブレットは液晶画面の周囲数mmはブラックベゼルとなっています。もちろんダイレクトボンディングが施されているため、画面オフの状態では超狭額縁ディスプレイにも見えます。上部には受話口兼スピーカー、照度センサー・近接センサー、フロントカメラがあります。受話口のメッシュ部分の右端には通知ランプが内蔵されています。Nexus 6Pは充電中・充電完了を示す通知ランプは光りませんが、このタブレットは充電中は黄色、充電完了後は緑のランプが点灯します。
下部には送話口とmicroUSBコネクタがあります。
右側面。SIMカード・microSDカードトレイ、指紋センサー、電源ボタン、音量ボタンが並びます。Xperia Z5以降のXperiaスマートフォンではこの位置に指紋センサー一体型の電源ボタンがありますが、このタブレットは指紋センサーと電源ボタンが分離しています。なお左側面には何もありません。
上部にはヘッドセット端子を備えています。
手に持つとこんな感じ。左右のベゼルが狭いため容易に左右からつかむことができます。また、本体が250gと非常に軽く、長時間手に持っていても疲れにくいサイズ・重量となっています。ただし本体は安っぽいプラスチック感満載の外観なので、気になる方はケースやカバーを使用するとよいでしょう。
続いて本体のレビュー。
液晶画面はLTPS(低温ポリシリコン)液晶で、一般的な液晶に比べて低消費電力、高精細、高輝度を実現することが可能な技術とのことです。実際にMediaPad T2 7.0 Proの画面解像度はWUXGA(1920x1200)と高精細で、屋外で自動的に輝度を調整するSunViewモードも備えており、LTPS液晶の特徴がフルに活かされています。もちろん発色・視野角とも良好で、タッチパネルの感度も良いので、画面については申し分ない性能となっています。
指紋センサーはXperia Z5・X Performanceと似たような形状をしているため、その感度が心配でしたが(Z5のアンバサダーレビュー、X Perdormanceのアンバサダーレビューで述べた通り、これら2モデルは指紋センサーの感度があまり良くない)、MediaPad T2 7.0 Proについては今のところ認証に失敗(何度もセンサーに触れているのに認証してくれない状態)したことはなく、センサーの感度は高いといえそうです。もしかしたら使っているうちに「実はそこまで感度が高くなかった!」ということがあるかもしれませんが、同じHuawei製のNexus 6Pの指紋センサーは半年間使用してきた中で一度も認証に失敗したことがないため、このタブレットについても大いに期待できそうです。
指紋センサーはNexus 6Pと同じく画面オフの状態で触れてもロック解除することができるほか、指紋センサーをタッチパッドのように使用することができ、例えばセンサー部分を上から下にスワイプすることで通知センターを開くことができ、その状態でセンサー部分をダブルタップすることで通知を消去することができるなど、ロック解除以外にも指紋センサーを活用することができ、大変便利です(この機能は指紋を登録しなくても利用可能だが、設定でこれら動作を有効にする必要がある)。
続いてソフトウェア面。
OSはAndroid 5.1で、Huawei独自のUI「Emotion UI」を搭載しています。アプリドロワーとホーム画面を統合したり、タスクビュー画面や通知センターをオリジナルのものに変更するなど、他メーカーに比べて独自色がかなり強く、慣れるまでは操作に戸惑うことがあるかもしれません。かくいう私もこれまでAndroid端末はリファレンスUIまたはソニーモバイル独自UI(リファレンスにかなり近い)しか使用してこなかったため、見た目の全く違うUIに少し戸惑っていますが、実際に使ってみると各メニューを開いてできることは同じで、見た目と細かい操作方法が変わっただけなので、しばらく使うことですぐ慣れるのではないでしょうか。ホーム画面についても、使わないアプリアイコンをフォルダーにまとめて別ページに固めておくことでリファレンスUIと同じ使い勝手を実現することは可能といえるでしょう。
MediaPad T2 7.0 Pro・10.0 Proなどにはデュアルウィンドウモードがあります。OSレベルで対応したのはAndroid7.0(Nougat)以降ですが、これらのタブレットにはHuawei独自機能として備えられています。
任意の画面でタスクビューボタンを長押しすることでデュアルウィンドウモードに移行します。この手順はAndroid7.0も同じですが、Android7.0のデュアルウィンドウモードはデュアルウィンドウにしたいアプリをあらかじめ起動した状態でないと使用できないのに対し、このタブレットのデュアルウィンドウモードは何もアプリを起動していない状態でもデュアルウィンドウモード時のアプリ一覧からアプリを選択・起動することができます。例えばホーム画面でデュアルウィンドウモードを起動すると、左のスクリーンショットのように新たなアプリ一覧が表示されます。すべてのアプリがデュアルウィンドウモードに対応しているわけではなく、このアプリ一覧に表示されているアプリ(プリインストールされているHuaweiオリジナルアプリはほぼすべて対応)または「追加」ボタンで追加することのできるPlayストアアプリに限られます。とはいえ、例えばYouTubeの動画を見ながらTwitterのタイムラインを閲覧する、といった使い方もでき、タブレット端末の画面の大きさを存分に活用することができます。また、Windowsタブレットのタブレットモード時のデュアルウィンドウは横画面でしか使用できず、iOSの「Split View」は縦画面・横画面とも使えるものの左右の分割しか対応していないのに対し、Androidのデュアルウィンドウモード(MediaPad T2 7.0 Proに搭載のものも含む)は縦画面時には上下分割、横画面時には左右分割となり、より多くの場面でデュアルウィンドウを活用できるでしょう。
性能については例によってAntutu Benchmarkにて計測しました。
今まで使ったことのある端末のスコアを再掲すると、
- Nexus 6P: 89944
- DG-Q08M: 55381
- DG-W10M(Windows10 Mobile): 21913
- DG-Q8C3G: 15038
といった感じです(いずれも手元の端末で計測した値)。MediaPad T2 7.0 Proに搭載されているSnapdragon 615(MSM8939)がミドルハイレンジのプロセッサとされているため、性能としてもおおよそミドルレンジといったところです。あらゆるアプリをパワフルに動作させるほどの性能ではないものの、実際の使用において特段の動作の遅さを感じることはなく、DG-Q8C3GやDG-W10Mでカクつくことの多かったUIのアニメーションも滑らかに表示されます。また、Snapdragon 615はオクタコア(4+4コア)ですが、性能が控えめなこともあって発熱はおだやかで、ネット動画の視聴やアプリのアップデートといった高負荷の作業を長時間続けていても背面がわずかに熱を持つ程度です。RAMは2GBと、ハイエンド端末に比べるとやや少なめですが、Android5.xを快適に動作させるには十分で、DG-Q08Mで頻繁に発生していたブラウザの強制終了やバックグラウンドアプリが落ちるなどといったことは発生していません。内蔵ストレージは16GBと少なめですが、microSDHCカードを使用することができますので、これを併用すればストレージ容量にも問題はありません。
バッテリーについても、4360mAhの大容量バッテリーを搭載していることに加え、前述したLTPS液晶が低消費電力を謳っていることもあり、実際に使用していても明らかにバッテリーの持ちが良いことが実感できます。このタブレットで動画(ローカルに落としたものやネット動画など)の 視聴やネットサーフィンなど、比較的負荷の高い作業を行っても、手元の環境では丸々3日使用することができました(これは満充電からバッテリー残量30%を切るまでの持続時間ですが、残量が10%を切るまで使い続けるのであれば4日以上持つのではないでしょうか)。これまで使用してきたタブレットで同じような使い方をすると、早ければ数時間、長くても1日~2日で充電が必須になってくる(端末によっては一日スリープ状態で放置しているだけでバッテリーが7割以上減っていることもあった)ため、見違えるほどのバッテリー持続時間にただただ感動するばかりです。
というわけで、MediaPad T2 7.0 Proの開封レビューをお送りしました。去年7月にZ3 Tablet Compactを手放して以降タブレット端末を買っては手放す期間がずっと続いてきましたが、ここにきてようやくそんな生活に終止符を打てる端末に出会えました。7インチという持ち運びのしやすいサイズ感と合わせて、屋内外で幅広く使っていきたいです。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。