スキップしてメイン コンテンツに移動

【レビュー】Intel Core i5 5675C

今回はIntelのCPU「Core i5 5675C」を購入しましたので、ベンチマークの結果などをレビューします。


僕は今年の1月に自作PCを一新した際、「体感速度重視」ということでメモリの増強とSSDの導入を優先し、CPUは「今の用途では2コア4スレッドあれば大丈夫だろうし、クロックで速度を稼ごう」ということでCore i3 4160を導入してこれまで使用してきました。
しかし、最近になって録画サーバーで録画したテレビ番組を編集し、自作PC側でエンコードする機会が多くなったため、若干の力不足を感じ始めていました。
また同じ頃、父が自作PCのパーツ更新を行うとのことでPCパーツショップへ同行し、パーツ選びについてアドバイスをしていましたが、その中で「やっぱグラフィックは多少いいやつにしておいたほうがええらしいな」という父の一言が気にかかり、それまでのCPU内蔵グラフィックをやめミドルスペックのグラフィックボードの導入を検討していました。
そんな時、たまたま見たCore i5 5675Cのレビュー記事で、このCPUに搭載の「Iris Pro Graphics 6200」がミドルスペックグラフィックボードに匹敵するほどの性能であることを知り、それでいてi5のネイティブ4コア、またリソグラフィーの微細化による消費電力の減少など魅力的な点が多いと感じ、CPUの交換を決意しました。それまで使用していたCore i3 4160は売却し、それで得たお金をi5 5675Cの購入資金に充てました。





Core i5 5675Cの詳細はIntelのページをご覧いただくとして、早速ベンチマークの結果を見ていきましょう!なお、CPU以外の構成は1月の自作パーツ更新時から変わっていませんので(OSも一時Windows10にしていましたが使いにくいためWindows8.1を再インストールしました。また以下のベンチマーク結果でマザーボードの機種名が変わっていますが、これはマザーボードを一時的にB85Iにしていたころに計測したことによるものです。ベンチマークの比較に大きな影響はないと考え、そのまま掲載しています)、その他のパーツについては自作PCパーツ更新記事をご参照ください。使用したベンチマークソフトウェアは例によってWindowsエクスペリエンスインデックス(WIN SCORE SHARE使用)とCrystal Mark 2009です。なお、5675CのソケットはLGA1150であり、Haswell Refresh世代のH97・Z97マザーボードに装着が可能ですが、僕が使用しているGA-H97-HD3ではUEFIを最新版にアップデートする必要がありました。


まずはWindowsエクスペリエンスインデックスから。



比較としてCore i3 4160搭載時のスコア。


グラフィックのスコアが大幅に向上している様子がわかります。ちなみにパーツ更新前の構成で使用していたグラフィックボードに搭載のnVIDIA GTX465のグラフィックスコアがどちらも7.6でしたので、それに匹敵する性能であるともいえます。念のため申し上げますが、Iris Pro Graphics 6200はグラフィックボードではなく、CPUに内蔵されているGPUです(笑)。さらに、GTX465はボード単体で200W近くの消費電力でしたが、i5 5675CはTDPが65Wとなっており、GTX465相当の性能をごく低消費電力で実現しています。


続いて、Crystal Markの結果。まずはi5 5675C。



次にi3 4160。


こちらもCPUとGPUの性能が向上しています。また、1月のパーツ更新前の構成ではこのベンチマークの総合スコアが196163でしたが、総合スコアの数値だけ見れば現在の構成はその2倍近い性能を備えているといえます。以前の構成は5年使用してきましたので、現在の新しい構成は単純に考えれば10年は使えそうですね。とはいえ、さらに魅力的なパーツが出ればそちらに換装するなどしているかもしれませんが。


※上記のベンチマークを計測していて、後述する体感的な速度と上記の結果に著しいずれが生じていることが判明しました。これは使用しているベンチマークソフトがやや古く、最近のCPU・GPUに搭載されている新しいテクノロジーを正確に計測できていないためと考えられます。i3 4160では上記のベンチマークソフトでしか計測しなかったため今回はi5 5675Cでも同じベンチマークソフトを使用し、以上の結果をそのまま掲載しますが、最近のテクノロジーにも対応し、かつ比較しやすいベンチマークソフトを探しておき、今後のCPUなどのレビューで使用していきたいと思います。
最後に実際の使用感について、体感的なレビューをお送りします。

グラフィックについては、僕はゲームをしないため、メジャーなタイトルでの使用感のレビューはできませんが、グラフィックのリソースを多く使用する鉄道シミュレータ「Bve trainsim 5」においては、明らかに映像が滑らかになっています。少し重ためのシナリオではi3 4160のときは大体30fps前後で推移していましたが、i5 5675Cではほぼすべてのシナリオが最大の60fpsで動作しています。バックグラウンドで動画のエンコードを行うなどCPUをフル稼働させていても30fps前後で動作するので、カクカクしすぎて運転に集中できないということはまずなさそうです。

次にCPUについてですが、やはり2コア4スレッドと4コア4スレッドでは動画エンコードなどフル負荷をかけた時の差が歴然です。動画エンコードなどCPUをフル稼働させることが多い場合は、実際のコア数がより多いプロセッサーのほうがよいということがわかりました。





というわけで、i5 5675Cのベンチマーク結果と実際の使用感についてのレビューをしました。Core i5 5675CとCore i7 5775Cが含まれるBroadwellシリーズは、モバイル用CPUは多くのNUCやノートPCに搭載されるなど存在感を見せていますが、デスクトップ向け(ソケットがLGA1150のもの)は5675Cと5775Cの2モデルしかなく、またこの2モデル登場のわずか3か月後に新シリーズ「Skylake」が登場し、デスクトップ向けBroadwellはどちらかというと影の薄い存在といえます。しかし、現時点でSkylakeにIris Pro Graphicsを搭載したモデルはなく、Skylakeに搭載のHD GraphicsはIris Pro Graphics 6200には及ばないものと思われます。そのため、グラフィック性能を重視し、なおかつそれをコンパクトに、省エネで実現しようとすると、現時点ではi5 5675C・i7 5775Cは最適な選択肢といえます。もっとも、近いうちにSkylakeでもIris Pro Graphicsを搭載したモデルが出るのでは、という話もありますので、デスクトップ向けBroadwellがいつまで生き残ることができるか、注目したいところです。


最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。


2015年9月24日追記: 上記で使用していたCrystalMark2009がCPUの性能を正確に計測できていない可能性があるため、別のベンチマークを探しておくと書きましたが、かなり前に一度お世話になったベンチマークソフトCINEBENCHの最新版「CINEBENCH R15」を当分の性能比較用ベンチマークソフトとしたいと思います。早速Core i5 5675Cでもベンチマークをかけてみましたので、その結果を掲載します。なおCore i3 4160ではこのソフトを使用して計測していないため結果は掲載できませんが、参考として現在実家で運用しているPC(CPUはCeleron G1840、グラフィックはGPU内蔵)でもこのベンチマークソフトを走らせてみましたので、あわせて掲載します。

※上記のスクリーンショットで、オレンジ色のバーになっているものがCore i5 5675C・Iris Pro Graphics 6200のスコア、赤のアンダーバーを引いたものがCeleron G1840・HD Graphics(Celeron G1840のグラフィック)のスコアです。

このブログの人気の投稿

【初心者VRDJ向け】とりあえず何すればいい?DJ練習できる場所ってあるの?【VRChat】

ここ最近、VRDJが急激に増加したなぁ、と実感しています。 かくいう私もDJキャリア自体は2020年7月にスタートしたものの、VRDJとしてのデビューは今年1月なので、「急激に増加した」うちの一人にカウントされると思います。 さて、あなたはVRChatでいくつかのDJイベントに参加し、そのプレイに魅了され、「自分もDJをやってみたい…!」と思ったとします。まずは機材の購入!ということで、勢いでDDJ-400あたりを購入することでしょう(※)。 「…で、機材買ったはいいけど、結局何をすればVRDJデビューできるんだ?」 そういえばVRDJのキャリアの始め方について解説した記事ってそんなにないよなぁ(あっても情報が古いよなぁ)、と思ったので、これまで私がVRDJをやってきた中で経験した・見聞きした情報をもとに、2022年8月現在の情報で「とりあえず何すればいい?」というところがざっくりわかる記事を書きたいと思います。 なお、私は前述の通りVRDJデビュー以前に1年半近くのDJキャリアがあったことや、「我流」でやった部分が少なくなかったこともあり、これから紹介するVRDJキャリアの歩み方をほとんどたどっていません(おい)。そのため、下記で紹介している内容は実際の初心者VRDJの多くが実際に通ってきたキャリアとは異なる箇所があるかもしれません。あくまで一つの例としてとらえていただき、フレンドの方と協力し合いながら楽しくVRDJライフを送っていただければと思います。 ※個人的にはこれから長くDJキャリアをやっていきたいとお考えなら、少し値は張りますがDDJ-800を購入することをおすすめしています。DDJ-400と比較してDDJ-800の優れているポイントを解説した動画を以前投稿しましたので、ご興味ございましたらぜひご覧ください。 手順0:VRDJのフレンドを増やす …いや手順1じゃないんかい!と思ったかもしれませんが、リアルDJにしてもVRDJにしても、まずは交友関係を広く持つことが重要だと思います。 いつもとアバターが違いますが左から2番目のちっこいのが私です VRDJキャリアを始めたばかりのあなたは、言ってみれば「VRDJ」という学校に転校してきた転入生です。芸能人が転校してきた!とかであれば交友関係を持たなくても人は集まるかも知れませんが、そのような極端な例でない限り

【開封レビュー】ドスパラノートPC「Altair VH-AD」

今回はドスパラの激安ノートPC「Altair VH-AD」(以下、Altair)を購入しましたので、ファーストインプレッションをお送りします。 私は現在、大学の学科指定の実習用PCとしてMacBook Airを使用していますが、2013年に購入してもらってから3年弱使用し続け、徐々にバッテリーの劣化によるバッテリー持続時間の減少が気になってきていました。また、私は 大学院への進学 を目指しており、4年生に上がる前のこの機会に心機一転ノートPCを一新して気合を入れようと考えました。 当初はマウスコンピューターの法人向けブランド「MousePro」の13.3型ノートPCを購入する予定でした(本来は法人ユーザーしか購入できませんが、私の通っている大学では大学生協を通じて注文することで、各社の法人向けPCを購入することができるそうです)。しかし、機種の最終選定を行っていた1月8日、突然ドスパラから税込3万円未満の激安ノートPCが発売されました。とはいえ、私はドスパラのノートPC・タブレットで何度も買い物を失敗しており、今回も「どうせ安かろう、悪かろうだろう」と思い、すぐの購入は躊躇しました。しかし、デザインやインタフェースなど、魅力的な点もないわけではなく、さらに私が検討していたMouseProのノートPCのCPUの性能がドスパラの激安ノートPCよりわずかしか上回っていないことがweb上に掲載されているベンチマークの結果から判明し、「使用用途的にもそこまで性能は必要ないし、性能がほぼ同じならより安いほうがいいだろう。もしまた購入に失敗しても3万円未満であればあきらめがつくし」ということで、購入を決意しました。今回は購入にあたって売却したものはありませんが、下取りサービス(PC(壊れていても欠品があってもOK)を無料で引き取り、購入価格から1,000円値引いてくれるサービス)を利用し、いろいろあって売却不可能になったWindowsタブレット「DG-D08IWB」を出すことにしました。普通に買い取りに出そうとしても値がつかない商品を実質1,000円で買い取ってくれると考えれば、動かないものを手元に放置するよりかはマシでしょう。 それではさっそく開封していきましょう!なお、私は以前ノートPCとしてドスパラの「Critea DX4 with Bing」(以下、Critea

【特集】学生から社会人となるにあたって

私ヘスは今年3月で大学院を卒業し、4月からは社会人として新たな一歩を踏み出します。小・中・高・大・院と、のべ18年に及んだ学生生活が、まもなく終わりの時を迎えます。そこで、これまでの学生生活を振り返り、来たる新社会人として決意を新たにすべく、この特集記事をお送りします。といっても、小中学生時代は10年以上前のことで、インターネット上にも自分のアクティビティがほとんどないので、思い出せる範囲での振り返りとなってしまいますが(笑)。 小学生時代「バカみたいに真面目だった6年間」 小学生時代の私は、親の教育と進研ゼミの影響からか、同じ地区の上級生から「まじめくん」というあだ名がつけられるほどの真面目キャラで、今の自分から見れば「生真面目」といえる性格でした。当時はとにかく型にはまっていないと・ルール通りでないと気が済まない性格で、それゆえ何かをするにあたって非効率なやり方を取ったり、ルール通りでない他人をいちいち責めたりしていました。時には周りの全員が自分の思う「型」にはまっていないことが気に食わなくて発狂することもあり、校内放送が流れたら休み時間だろうが構わず「静かにしろ!!」などとわめく有様で、周りから見れば「頭のおかしい人」「迷惑極まりない存在」に見えていたと思います。ただ、きちんとルールを理解し、少なくとも自分はそれを誠実に守ろうとする姿勢は今の自分の信条の一つにつながっており、そのルーツをたどればこの「バカみたいに真面目だった」小学生時代に行き着くのかな、と感じています。 また、小学5~6年ごろには「新聞」と題して折り紙の裏面に記事を書き(出来事はすべて架空のもの)、毎日学校に着いてから朝礼が始まるまでの日課となっていました(作った「新聞」は誰かに見せるわけでもなく、ただコレクションして自分で楽しんでいました)。さらに6年の後半ごろ(だったと思うが正確な時期は覚えていない)からは「夕刊」と題して同じようなものを自宅で、折り込みチラシの裏面に書いていました。今思えばこれらもれっきとした「創作」で、現在の趣味につながるアクティビティだったのかな、と感じています(文章を書くという点では、現在やっている中だと自作小説につながっている?)。 中学生時代「勉強・遊び・恋に全力だった3年間」 中学校への入学を機に環境が大きく変わり、担任や各教科の担当の先生方の濃