先日投稿した記事の中で、「USB周りの不安定さが原因で、NUCの使用をあきらめ新たにマザーボードを購入してパーツはNUCから流用した」と書きました。このマザーボードはASRockの「N3050B-ITX」で、今年4月にリリースされたBraswellのCPU「Celeron N3050」を搭載したボードです。このCPUについての情報がまだ多くありませんので、手元の環境で簡単にベンチマークを図ってみたり実際の使用感についてレビューしたりしてみます。
早速ではありますが、ベンチマークの結果を示していきます!なお構成は以下の通りです。
CPU・MB: ASRock N3050B-ITX
RAM: ADATA ADDS1600W4G11-R(SODIMM DDR3L-1600 4GB)
HDD(システム): WesternDigital WD5000LPVX (2.5”SATA3 500GB 5400rpm 8MB 7mm)
HDD(データ): TOSHIBA DT01ACA100 (SATA3 1TB 7200rpm 32MB)
※CPU・MB以外はNUC・録画サーバーなどからパーツを流用しています。また、OSはWindows8.1です。
本来はWindowsエクスペリエンスインデックスの結果とベンチマークソフトの結果を両方掲載したかったのですが、Windowsエクスペリエンスインデックスを計測するソフトを走らせたところ途中で「計測に失敗しました」とエラーになり結果を表示できませんでした。そのため、ベンチマークソフトの結果のみ掲載します。
続いて、参考までに以前使用していたNUC「DN2820FYKH」(仕様変更によりCPUはCeleron N2830)のベンチマーク結果も再掲します。
メモリ以外のすべての項目においてCeleron N2830よりCeleron N3050のほうが性能が劣っています。特にグラフィック関連は(解像度の違いを考慮したとしても)大幅なスコアダウンとなっています。
実際の使用感についても明らかに性能低下を感じます。Celeron N2830を搭載したNUCはウィンドウ表示時のアニメーションもスムーズで、CPUやグラフィックのリソースを多く利用する場面において性能を低さを感じる程度でしたが、Celeron N3050はウィンドウが開いたり閉じたりする時のアニメーションすらカクつき、ディスプレイとデジタル接続しているにもかかわらず文字がにじんで見えました。
ではCeleron N3050がN2830に勝っている部分は何か?正直なところこれを「勝っている」としていいのか微妙な部分もありますが、やはり消費電力の低減ではないでしょうか。Celeron N2830をはじめとするBayTrail-MはリソグラフィーがHaswellなどと同じ22nmであるのに対し、Celeron N3050をはじめとするBraswellはBroadwell・Skylakeなどと同じ14nmとなっています。これにともないTDPも前者の7.5Wから後者は6Wとわずかながら低下しています。BayTrailシリーズにもファンレスのMini-ITXマザーボードはありましたが、これらに搭載されていたCeleron J1900などのTDPが10Wであったことを考えると、Mini-ITXというプラットフォームで見れば省電力性がさらに向上したといえます。また、NUCと違い普通のマザーボードですので(用途に見合ったPCケースを用意する必要はあるものの)PCIExpressなどの拡張ボードや、SATAポートへの3.5インチHDDの接続ができる点もNUCにはない特徴といえるでしょう。
私がこのマザーボードを使用したシステムで運用しているVPNサーバー・録画サーバーはいずれもCPU・グラフィックのリソースはそれほど必要としないものの、基本的に24時間稼働させるため省電力・低騒音であることが重要で、また放送波を受信するためのチューナーを挿すためのPCIExpressスロット、録画した番組を保存するための大容量のHDDも必要になってきます。これらの要求を実現してくれるのがN3050B-ITXをはじめとするBraswell CPU搭載マザーボードだと考えます。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
2016年1月11日追記: Celeron N3050について、CINEBENCH R15でもベンチマークを計測しましたので、その結果を掲載します。以前掲載した時はCPU性能しか計測できずCPUの結果のみの掲載となりましたが、VGAドライバを入れたところGPU性能も計測できるようになったため、改めてCPU性能も計測し直し、両方の結果を掲載します。
オレンジ色のバーになっているものがCeleron N3050のスコアです。