今年も残すところわずかとなりました。1年を「長い」と感じるか「短い」と感じるか、人それぞれあるかと思いますが、私の場合、出来事が濃密であればあるほど、1年をより短く感じるように思います。そして、今年は例年以上に文字通りの「あっという間の1年間」でした。環境が大きく変化し、ラジオを聴く機会が減少してしまった影響で気温や気候ぐらいでしか季節の移ろいを感じられなかったこともあり、つい1ヶ月ほど前に2022年が明けた感覚さえします。一方で、つい数ヶ月前の出来事が遠い昔のように感じる自分もいて、年月の経過というものはなかなかどうして面白いものです。
さて、私は2013年から毎年この時期に「1年を振り返って」というテーマで、その年一年を「○○と××の一年」という言葉で表現し、その年に自分に起こった出来事を様々な面から振り返る記事を投稿しています。早いものでこの特集記事も今回で10年目となり、6月に投稿している上半期振り返り記事とともにその年の率直な感想を振り返る、自分の中の恒例行事として定着しています。また、振り返り記事をあとから読み返してみて「○年前はこんなことがあったなぁ…」と懐かしむこともできるので、今後も続けていきたいと思います。相変わらずの長文ではありますが、この記事をご覧になりながら皆様もこの一年に思いを馳せていただければと思います。
年全体の所感
私のこの一年を一言で振り返ると「開拓と繋がりの一年」でした。今年はVRChatでのDJ・VJ活動をメインに、ワールド制作やイベントの企画など、たくさんのことを開拓し、チャレンジしました。それにより、日本全国のみならず全世界のプレイヤーとVRChatを通じてつながることができ、かけがえのない経験をすることができた一年間でした。
DJ・VJ・音楽活動
今年はVRChat上でのDJ・VJ活動、いわゆるVRDJ・VRVJに力を注いだ1年間でした。
VRChatは昨年9月より始め、10月からはVRDJイベントにも時々足を運ぶようになりましたが、徐々にその魅力に惹かれ、今年2022年はVRDJとしての活動を念頭にVRChat上での活動にチャレンジしました。
ありがたいことに1月に早速VRDJのオファーをいただき、早くもVRDJデビューを果たしたわけですが、たびたびいろいろな場所でお話している(なんなら半年前の上半期振り返り記事でも言及しているw)裏話として、当時VRDJというカルチャーに疎く、インスタンスごとにStreamKeyがランダムに発行されて誰でも自由にDJ配信できる、いわゆる「DJ練習用ワールド」の存在を知らず、VRでのDJ配信がうまくいくかどうかは、出演するVRクラブワールドのオーナーにお願いしてワールドを開けてもらうか、自分でDJ配信ができるワールドを作ってアップロードするしかないと思っていました。そのため、VRクラブワールドに対して初めてOBSで配信をしたのがイベント30分前の音出しのときというw(幸いなんのトラブルもなく一発でワールドに配信できた)。また、初VRDJ後もDJ配信についていろいろ試すための環境として、ワールド制作を急ピッチで進め、2月には初めてのVRクラブワールド「VUG Studio Tokyo」をリリースしました。
また、VRChatでの活動が軌道に乗り始めた4月以降、VJも本格的にやってみたいと思うようになりました。それまでも私の主宰配信イベント「10 Minutes to Mix」にて配信画面を賑やかにするためにVJソフトとコントローラーを使ってVJっぽいことはやっていましたが、これを機にVJソフトの機能などを改めて勉強し直しました。そしてVJについても6月のイベントでVRデビュー。
1月のデビュー以降、しばらくは1ヶ月に1回VRDJ出演があるかないかという状況でしたが、このころからVRChatに入れるときはできるだけ毎日ログインし、様々なVRDJの方とコミュニケーションを取るようにしていました。そのおかげもあり、下半期にかけては多い時で1ヶ月に5件近いDJ・VJ出演の機会をいただけるようになりました。昨年まではリアルDJかつごく限られたコミュニティでの活動だったため、多いときでも1ヶ月に1~2回、(自分の主宰イベントを除いて)半年近く出演がないこともありましたが、VRDJ・VJとしての活動を通じて単純に出演の機会が増えただけにとどまらず、自分が好きだけどこれまでは出演イベントのコンセプト上かけるのが難しかったジャンルにもたくさんチャレンジすることができ、大きく飛躍することができたと実感しています。
このほか、VRクラブワールド制作にも取り組み、前述の「VUG Studio Tokyo」のほか、DJ練習・雑談用ワールド「VUG Lounge」、音響重視のVRクラブワールド「HeXaHedron」をリリースしました。もともとリアルDJとして活動していたこともあり、VRクラブワールド制作にあたってはVRならではの派手なレーザーやパーティクルはあえて使わず、ライティングや家具などを工夫してリアルなクラブ・ラウンジの雰囲気を演出することを重視しました。とりわけ「HeXaHedron」においてはVRCDNリレー配信の仕組みを利用した「リアルタイムPA」を導入し、VRChatにいながらにしてリアルクラブならではの「体に感じる重低音」「強烈な音圧」「フロアに入る前の高揚感」を体験できることを目指しました。この取り組みは私の主宰イベント出演者や来場者からも多くご評価いただいており、来年以降もさらにブラッシュアップしていきたいと考えています。
一方で、今年はVRDJとしての活動を一気に軌道に乗せるために心身ともにかなり無理をしていた部分があり、実際にメンタル面で不調を感じ、正直に言うとVRChatにログインしたくない、主宰イベントなんかやめてしまいたいと思う時もありました。ここ最近はだいぶ活動のほうも落ち着いてきましたので、今後は純粋に音楽を楽しむためにVRDJイベントに足を運んだり、フレンドとただ駄弁ったり遊んだりするだけの時間を過ごしたりと、「楽しむ」ことを最優先にVRChatやそれを通じた交流を続けていきたいと思います(というか本来はVRDJも楽しみながらやるものであるにも関わらず、躍起になりすぎた結果勝手に自分でメンタル不調に陥っていたので、そこに関しては自分自身のコントロールがうまくできていなかったということで反省ポイントです…)。
そのほかのできごと
そのほかのトピックとしては、1月に引っ越しをしたことが挙げられます。もともと1つの部屋に長く住むつもりはなく、2年契約の場合2回目の更新(=4年)のタイミングで次の部屋に引っ越して心機一転、のつもりでした。しかし、それまで住んでいた部屋の設備面で昨年頃からフラストレーションがたまっていき、ついに我慢の限界を超えて昨年12月に引っ越しを決意。以前の部屋は昨年1月に1回目の更新を行ったところで、契約期間の途中でしたが、特に違約金も発生しないこと、金銭的・時間的にたまたま余裕のあるタイミングだったことも重なり、不動産屋への最初の相談から1週間で部屋の内見・契約、1ヶ月で引っ越しを完了するという超スピード移行でした(笑)。
そして、引っ越しを決めたもう一つの理由がまさに前述のVRDJ・VJ活動でした。以前住んでいた部屋はもともと以前取り組んでいた同人活動においてデスク作業を快適かつ機能的に行えることを想定して部屋選び・家具選び・家具の配置をしていました。そのためPCデスク周辺が非常に狭く、VRChatをプレイするにしても少し手を伸ばしただけで何かにぶつかるほどでした。また、このとき契約していたインターネット回線が上り最大10Mbpsしかなく、OBSで配信しつつVRChatでの通信も行うとなるとやや不安のある回線速度だったのですが、光回線を契約しようにも宅内配線の都合上光ケーブルを敷設することができず、工事が中断・契約も撤回せざるを得ませんでした。今後VRChatでの活動(特にDJ)を本格的に始めるにあたって、VR機器をのびのびと扱えて、光回線も敷設できる部屋への引っ越しがマストだと考え、即決に至りました。いま住んでいる部屋は、間取り上は前の部屋より狭くなっているのですが、収納スペースが格段に広く、それまで部屋を占領していた荷物をすべて収納スペースに逃がすことができたこと、引っ越しを機にロフトベッドを導入したことも相まって、むしろ生活スペースは以前より大幅に広くなり、VRをするための空間も十分に確保できています。インターネット回線についても、すでに光回線の端子が部屋まで来ていたこともあり、スムーズに工事が進行、ピークタイムでも上り下りとも100Mbps以上の安定した速度で、前述の「HeXaHedron」でのリアルタイムPAのためのリレー配信も特に問題なく運用できています。そのほかにも以前の部屋で感じていた不満点を一気に解消することができ、引っ越して良かったと思っています。前の部屋を1年早く出たこともあり、いまの部屋は3回目の更新(=6年)まで住もうかな、とも考えています。
来年の抱負
来年はVRChatでの活動をさらに拡げ、充実させていくための年になると思っています。以前の記事でも紹介した通り、VRChatでDJをする人は増加傾向にあり、VRDJイベントやそれを開催するためのクラブワールドも今年一年だけでもずいぶん増えたと感じています。私は2年半のDJキャリアで得た経験を活かす形で、よりリアルクラブに近い体験をVRChatでできるような仕組みを考え、チャレンジしていきたいですし、VRクラブカルチャー全体としてただDJの音声を垂れ流すだけではない、クラブならではの「非日常」を各クラブワールド・イベントがそれぞれの形で表現し、イベントを通じて体験できる機会が増えてほしいとも思っています。VRDJ/VJ・ワールドクリエイター・イベントオーガナイザーとして、VRクラブカルチャーの一端を担う存在として、この一年間の交流を通じてつながることのできたみなさんとともに、来年も活動していきたいと思います。
以上で2022年の振り返りを終わります。今年一年私廻音あじおの活動にお付き合いいただき、誠にありがとうございました。来年以降もどうぞよろしくお願いいたします。