スキップしてメイン コンテンツに移動

【開封レビュー】Apple iPad Pro(2021年モデル)

 今回はApple iPad Pro(2021年モデル)を購入しましたので、開封の様子とファーストインプレッションをお送りします。


これまで使用してきたiPad Pro(2018年11インチモデル)の購入から2年が経過し、そろそろ新しいモデルがほしいな……と思っていた矢先、「iPad Proの新型が4月に発表されるかもしれない」という噂を聞きつけ、しばらく待つことに。噂は的中し、Apple M1搭載のiPad Proが発表されました。なお、2021年モデルはWi-FI+Cellularモデルは5G対応、12.9インチモデルはバックライトにミニLEDを採用していますが、今回は予算や自分の使用用途を勘案し、11インチ・Wi-Fiモデルを購入しました。そのため、2018年モデルからの顕著な変更点がプロセッサの変更とThunderbolt端子搭載(+2020年モデルで搭載されたLiDAR・デュアルカメラ、Wi-Fi 6への対応)ぐらいという……2021年モデルの魅力を存分に味わいたい方は12.9インチ・Wi-Fi+Cellularモデル買ったほうがいいです。

余談ですが、近年の半導体需要などの影響により、iPad Proや同日発表されたiMacの出荷時期にも影響があるという話だったため、今回利用したECサイト上のお届け予定日は5月31日とされていたものの実際はもう少し遅くなるんだろうなぁ、と覚悟していたのですが、実際には5月21日に手元に届きました。


それでは、さっそく開封していきましょう!

付属品はいつも通り、各種ドキュメントとACアダプタ・USB type-Cケーブル。iPhoneシリーズでは環境負荷の低減などを目的にACアダプタの同梱を廃止しましたが、個人的にはiPad Proに関してもACアダプタ・USB type-Cケーブルともに手持ちのものがあるのでいらないんですよね……(なんならMacBookもドッキングステーションがあるのでACアダプタやUSBケーブルはいらないというw


ディスプレイ部。2018年モデル(右側)との比較。ベゼル幅などは2018年モデルと同一です。インカメラやFaceIDの配置も同じです。このため、液晶保護フィルムは2018年モデル・2020年モデル用として販売されているものをそのまま流用できます。今回購入したiPad Proにも指滑りとApple Pencilでの描きやすさを重視して非光沢フィルムを貼り付けていますが、購入時点で2021年モデル用として発売されているフィルムがなかったため、2020年モデル向けのものを貼り付けました。サイズ・カメラ部分の切り欠きともピッタリで、FaceIDの動作も問題ありません。


裏面。デュアルカメラ+LiDAR搭載となったことに伴うカメラ部分形状の変化のほか、アンテナの形状が異なります。今回購入したiPad Proは上部にのみアンテナが設けられていますが、Wi-Fi+Cellularモデルは下部にもアンテナが設けられます。また、Magic Keyboard用の接点もあります。12.9インチモデルは厚みが変更となったため2020年モデルと互換性がありません(一応装着はできるがカバーがうまく閉まらない)が、11インチモデルについては厚みを含めフットプリントが2020年モデルと同一のため、2020年モデル向けのものがそのまま流用できます。


本体下部。上側の端末が2021年モデルです。前述のとおり、USB type-C端子がThunderbolt端子となっています。ただし、現時点ではiPad向けのThunderboltの性能をフル活用できるアクセサリがほとんどなく、せっかくの装備を持て余してしまっている印象です。

そのほかの特徴としては、スピーカー穴の形状が若干変更になっています。また、2018年モデルではCellular用アンテナが側面にまで回り込んでいます。


右側面。音量ボタンとApple Pencil(第2世代)充電用接点があります。接点、といいつつ、電気的に接続するわけではなく、磁石でくっついて無線で充電される方式です。2018年モデル購入時にApple Pencilも同時に購入しましたが、今回はApple Pencilは買い替えず、新しく購入したiPad Proで引き続き使用することにしました。

このほか、Wi-Fi+Cellularモデルの場合右側面にnanoSIMカードのトレイがあります。


本体上部。トップボタンとスピーカーがあります。下部と同様、スピーカー穴の形状が変更となっています。また、Wi-Fi用アンテナが側面に回り込んでおらず、その結果平滑な側面となっています。


それではさっそく電源を入れていきましょう!

「Hello」の画面になった後、初期設定の画面に遷移します。この時、すでに利用中のiPadから設定やデータを移行するかどうかを選択することができ、利用中のiPadの設定・データをiCloudに同期していた場合それまで利用していたiPadのApp・ホーム画面の配列・データが新しいiPadにコピーされます。私は普段はiCloudの容量を消費しないよう設定のバックアップは切っているのですが、移行の直前にバックアップを有効にし、2018年モデルの設定がバックアップされたことを確認後に2021年モデルのほうで移行を実行したところ、これまでと全く同じApp・ホーム画面配列・壁紙で移行が成功し、SNSの再ログインなどが必要だったことを除けば新しい端末に移行したことを忘れてしまうほどスムーズに移行できました。


設定の移行を選択すると、新しいiPadにこのような不規則な模様が表示され、


これを利用中のiPadの画面指示に従いカメラでスキャンすると、複雑な操作なしに設定を移行することができます。ちなみに私の環境の場合なぜかうまくスキャンできなかったため、「手動で認証」を選択しました。この場合でも数桁の数字を入力するだけなので、新しい端末でAppを1つ1つインストールして並び替えてデータをちまちま移動して……という面倒な作業に比べると非常に手軽です。


それでは性能の比較をしていきます!ベンチマークに使用したAppは3DMark Wild Lifeです。

2018年モデル:11959

2021年モデル:17320

で、2021年モデルのほうが約45%スコアが高く、

また、より強い負荷をかける「Wild Life Extreme」のスコアは、

2018年モデル:3214

2021年モデル:5037

で、2021年モデルのほうが約57%スコアが高い、という結果となりました。

カタログスペック上は「最大50%速いCPUパフォーマンス、最大40%速いグラフィックス」とされているため、おおむねスペック通りの結果となりました。

実際の使用感としても、たしかにClip Studioでの画像書き出しが少し早くなったり、各Appの起動が気持ち速くなったような気がします。とはいえ、2018年モデルに搭載のA12X Bionicチップもそれなりに高速なので、2018年モデルや2020年モデルからの乗り換えでは、明らかに挙動が速くなったなどの違いは感じられないと思います。さらに、RAMの容量をApp側が十分に活用できない点、前述のとおりThunderboltに対応したiPad向けアクセサリーが少ない点などもあり、現時点ではせっかくのスペックを生かせない、宝の持ち腐れ感の強い端末と言わざるを得ません。私は購入前の時点でなんとなくこのような結果になることは想像していましたが、旧型の端末をできるだけ早いタイミングで高く売却して、割安で新しい端末を使おうと思い、予定通り買い替えることとしました。


ディスプレイは解像度2388x1668(264dpi)で、2018年モデルから変化はありません。発色にも特に変化はなく、ダイレクトボンディングとなっている点も同様であるため、2018年モデルからであれば違和感なく乗り換えられます。

スピーカーは4基搭載されており、それぞれがウーファーとツィーターを持ち合わせている点も2018年モデルと同様です。2021年モデルではスピーカー穴の形状が若干変更になりましたが、音質的には変化はありません。


バッテリーはカタログスペック上10時間(Wi-Fiでのインターネット利用、ビデオ再生)となっており、2018年モデルと同じ数値となっていますが、体感的にはほぼスペック通りだと感じました。Apple M1はiMacやMacBook Air、MacBook Proにも搭載されているチップであるため、それをそのままiPadに載せているとなればバッテリーの減りは大幅に早くなると思っていたのですが、体感上バッテリーの持ちは2018年モデルとほとんど変わらないのは予想外でした。

発熱も、インターネット動画を長時間視聴していると背面がわずかに熱をもちますが、これは2018年モデルでも見られたもので、発熱の度合いもほとんど同じで、熱に対してMacを使うときほど気を使う必要はなさそうです。


というわけで、iPad Pro 2021年モデルのファーストインプレッションをお送りしました。

Apple M1の採用やThunderbolt端子の搭載など、使い方次第でまさに「Pro」な使い方のできる大変魅力的な端末であることは間違いないのですが、現時点でそれらの装備を持て余してしまっているのが残念です。Thunderbolt端子については、おそらくApple M1がインタフェースとして提供しているものをそのまま採用したのだと思いますが、登場間もないこともあって対応するアクセサリは少なく、またThunderboltの特徴でもある4K画面出力については、そもそもiPadOSの外部画面出力がミラーリングにしか対応しておらず、表示領域を拡張する用途で使用できない(表示領域を拡張したところで今度は本体だけだとタッチで操作できないという問題もあるが……)など、こちらもせっかくの装備を生かせていないのが現状です。OS・App、そしてアクセサリがこのモンスタースペックの端末に見合うものになる日が来ることに期待しつつ、今後もしばらくApple製品にはお世話になっていきたいと思います。


※独り言:iPhone XS・Apple Watchも購入から2年が過ぎているのでそろそろ買い換えたい……iPhoneはボーナスが入り次第iPhone 12に乗り換え予定だが、Watchは次期モデルでiPhone 12・iPad Proのような側面になるという噂もあるので、しばらく待ちかな……


最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。


このブログの人気の投稿

【初心者VRDJ向け】とりあえず何すればいい?DJ練習できる場所ってあるの?【VRChat】

ここ最近、VRDJが急激に増加したなぁ、と実感しています。 かくいう私もDJキャリア自体は2020年7月にスタートしたものの、VRDJとしてのデビューは今年1月なので、「急激に増加した」うちの一人にカウントされると思います。 さて、あなたはVRChatでいくつかのDJイベントに参加し、そのプレイに魅了され、「自分もDJをやってみたい…!」と思ったとします。まずは機材の購入!ということで、勢いでDDJ-400あたりを購入することでしょう(※)。 「…で、機材買ったはいいけど、結局何をすればVRDJデビューできるんだ?」 そういえばVRDJのキャリアの始め方について解説した記事ってそんなにないよなぁ(あっても情報が古いよなぁ)、と思ったので、これまで私がVRDJをやってきた中で経験した・見聞きした情報をもとに、2022年8月現在の情報で「とりあえず何すればいい?」というところがざっくりわかる記事を書きたいと思います。 なお、私は前述の通りVRDJデビュー以前に1年半近くのDJキャリアがあったことや、「我流」でやった部分が少なくなかったこともあり、これから紹介するVRDJキャリアの歩み方をほとんどたどっていません(おい)。そのため、下記で紹介している内容は実際の初心者VRDJの多くが実際に通ってきたキャリアとは異なる箇所があるかもしれません。あくまで一つの例としてとらえていただき、フレンドの方と協力し合いながら楽しくVRDJライフを送っていただければと思います。 ※個人的にはこれから長くDJキャリアをやっていきたいとお考えなら、少し値は張りますがDDJ-800を購入することをおすすめしています。DDJ-400と比較してDDJ-800の優れているポイントを解説した動画を以前投稿しましたので、ご興味ございましたらぜひご覧ください。 手順0:VRDJのフレンドを増やす …いや手順1じゃないんかい!と思ったかもしれませんが、リアルDJにしてもVRDJにしても、まずは交友関係を広く持つことが重要だと思います。 いつもとアバターが違いますが左から2番目のちっこいのが私です VRDJキャリアを始めたばかりのあなたは、言ってみれば「VRDJ」という学校に転校してきた転入生です。芸能人が転校してきた!とかであれば交友関係を持たなくても人は集まるかも知れませんが、そのような極端な例でない限り

【特集】HeXaHedronの音響システムについて

 「HeXaHedron」は、私 廻音あじおがVRChat上で運営しているクラブワールドです。2022年10月のオープン以来、「Immersive Sound Experience」をメインコンセプトに、リアルクラブのような重低音・音圧を体験できる空間づくりを一貫して重視してきました。 2024年からはこれまで複数主宰してきたクラブイベントを「Sound Freeak」に統合するとともにVRCで主宰するすべてのイベントを「HeXaHedron」や「HeXaHedron」の音響ノウハウを活用したワールドで開催しているほか、先日5月8日には音響のこだわりを受け継ぎつつライティングを一新するなどビジュアル面を強化した「Ver.3.0」をリリースするなど、「Immersive Sound Experience」を軸とした「HeXaHedron」ブランドのさらなる向上に努めています。 ありがたいことに多くのDJ・来場者にご評価いただいており、レンタルでのご利用も増加している「HeXaHedron」の特長・魅力についてより広く知っていただくため、ここに「HeXaHedron」の音響システムについて解説します。 なお、以下で解説する内容の一部は2023年11月に配信された「たまごまご」さんのライブ「VRDJに聴く!」でもお話しています。この配信では私の主宰イベント「Channel CUEration(現 Sound Freeak)」や私のDJ・VRDJの経歴等もトークしていますので、ぜひアーカイブを併せてご覧ください! 解説の前に:VRクラブで音響にこだわる意味 最近でこそ音響にこだわったVRクラブワールドはかなり増えましたが、「HeXaHedron」をリリースした2022年ごろはそういったワールドは希少で、そのワールドで開催されるすべてのイベントで配信リレーの仕組みを使ったリアルタイム音響調整の運用を行っていたのは私の知る限りHeXaHedronが唯一でした。 VRクラブでこれまで音響が重視されてこなかった背景として、Unity・VRC SDK等の技術的制約はもとより、プレイヤーによる聴取環境の違いが関係していたのではないかと推察しています。 リアルクラブにおいては一つの空間に人が集まるので、当然ながらクラブにいるすべての人が同じ条件で音を聴くことになります。一方、VRクラブや

【開封レビュー】ドスパラノートPC「Altair VH-AD」

今回はドスパラの激安ノートPC「Altair VH-AD」(以下、Altair)を購入しましたので、ファーストインプレッションをお送りします。 私は現在、大学の学科指定の実習用PCとしてMacBook Airを使用していますが、2013年に購入してもらってから3年弱使用し続け、徐々にバッテリーの劣化によるバッテリー持続時間の減少が気になってきていました。また、私は 大学院への進学 を目指しており、4年生に上がる前のこの機会に心機一転ノートPCを一新して気合を入れようと考えました。 当初はマウスコンピューターの法人向けブランド「MousePro」の13.3型ノートPCを購入する予定でした(本来は法人ユーザーしか購入できませんが、私の通っている大学では大学生協を通じて注文することで、各社の法人向けPCを購入することができるそうです)。しかし、機種の最終選定を行っていた1月8日、突然ドスパラから税込3万円未満の激安ノートPCが発売されました。とはいえ、私はドスパラのノートPC・タブレットで何度も買い物を失敗しており、今回も「どうせ安かろう、悪かろうだろう」と思い、すぐの購入は躊躇しました。しかし、デザインやインタフェースなど、魅力的な点もないわけではなく、さらに私が検討していたMouseProのノートPCのCPUの性能がドスパラの激安ノートPCよりわずかしか上回っていないことがweb上に掲載されているベンチマークの結果から判明し、「使用用途的にもそこまで性能は必要ないし、性能がほぼ同じならより安いほうがいいだろう。もしまた購入に失敗しても3万円未満であればあきらめがつくし」ということで、購入を決意しました。今回は購入にあたって売却したものはありませんが、下取りサービス(PC(壊れていても欠品があってもOK)を無料で引き取り、購入価格から1,000円値引いてくれるサービス)を利用し、いろいろあって売却不可能になったWindowsタブレット「DG-D08IWB」を出すことにしました。普通に買い取りに出そうとしても値がつかない商品を実質1,000円で買い取ってくれると考えれば、動かないものを手元に放置するよりかはマシでしょう。 それではさっそく開封していきましょう!なお、私は以前ノートPCとしてドスパラの「Critea DX4 with Bing」(以下、Critea