今回はHPの液晶一体型PC「Pavilion All-in-One 27」(以下、Pavilion 27)を購入しましたので、ファーストインプレッションをお送りします。
このPCは自分で使うものではなく、親へのプレゼント用にボーナスで購入したものです。実家のダイニングで使用している20型テレビが購入から12年が経過しており、そろそろ新調してもいいんじゃないかと個人的に感じていました。また、親は最近インターネット動画を見ることも多くなったと聞いており、テレビとネット動画を1台のマシンでシームレスに楽しむことができればと思い、このテレビチューナーつきPCを購入しました。余談ですが、当初は同じモデルの24インチを購入したつもりだったのですが、届いた商品が27インチだったため注文履歴などを確認すると27インチモデルを購入してしまっていました。注文時にサイズ選択を間違っていたようです……しかし、後述する特徴によりサイズ感は現在実家で使用中のテレビとほぼ変わらない(はず)ので大丈夫でしょう(楽観)!
それではさっそく開封していきましょう!
付属品はACアダプタ、クイックスタートガイド。このモデルはテレビチューナー付きなので、テレビチューナーソフトの取説、mini B-CASカードのほか、リモコンも付属しています。
ほかにキーボードとマウス、そしておなじみ「速効!HPパソコンナビ 特別版」。このPCの主なユーザーになる母親はPCまわりの詳しい知識はありませんが、そもそもPC使用歴が非常に長く、Windows10もリリース後すぐに利用していたため、このパソコンナビが必要になる場面はほとんどないでしょう。
続いて本体の紹介。いったんこちらで最低限のセットアップと必要な設定を行うとともに、テレビとして不便なく使用できるかを確認するため起動しています。
画面は27インチFull-HD IPS液晶です。このクラスの画面サイズになると解像度はWQHD(2560x1440)、もしくはそれ以上になることが多いですが(実際に私が自作PC用に使用している27インチディスプレイもWQHD)、ここは必要最小限のスペックとなっています。とはいえ、そもそもテレビ放送の解像度が最大でもFull HDであること(4K8K放送を除く)、実際の使用では画面から離れて視聴することから、あまり気にすることでもないと思います。
さらにディスプレイは流行の狭額縁タイプです。これにより、7インチもの画面サイズ拡大ながら縦横は数センチのサイズアップで済んでいます。ベゼルが狭いことでスタイリッシュに見え、画面への没入感も高まります。画面はマルチタッチにも対応しており、特にこのぐらいのサイズ感になるとボタンやWebリンクも大きく見えるため、タッチもしやすいです(とはいえ実家での使用用途から考えると画面をタッチして操作することはほとんどないと思いますが)。
なお、上記の画像の通りWindows10のタブレットモードを設定することもできますが(当初テレビ視聴ソフトが予期せず小さなウィンドウ表示で出たら都合が悪いと思い、常に全画面表示してくれるタブレットモードで運用しようとしていました)、テレビ視聴ソフトの画面遷移が正常に動作しなくなることが判明したため、タブレットモードは設定せず運用することにしました。また、デスクトップの壁紙は標準でカラフルな傘の画像になっていますが、Windows UpdateなどでPCが起動した際に画面がまぶしく感じたり明るさで驚いたりするのを避けるため、現在は黒一色の壁紙を設定しています(親に引き渡すまでに、黒を基調にして画像上に簡単な使い方を薄く記載した自作の壁紙を適用しようと考えています)
画面の下にはスピーカーが内蔵されています。HPではおなじみB&O playのスピーカーで、高音質のスピーカーが正面に配置されていることもあり、このサイズのテレビに匹敵、もしくはそれ以上の高音質サウンドを楽しむことができます。スピーカーグリルはファブリック素材となっており、見た目にも高級感があります。
画面上部にはWebカメラが搭載されています。Windows Helloの顔認証にも対応しており、パスワード入力の手間が省けます。Windows Update適用後の再起動後はパスワードの入力が求められるため、テレビを視聴したくてもひと手間かかってしまいますが、それを顔認証でパスできるならより手軽に運用できると思います。このWebカメラは必要な時だけ手で引き上げるポップアップ式となっており、使わないときは押し下げておくことでプライバシーにも配慮されています。
画像は撮影していませんでしたが、このほか左側面に電源ボタン、右側面にディスプレイ調整・画面入力切替スイッチが搭載されています(Pavilion 27は外部HDMI入力を1系統搭載しており、外部ディスプレイとしても使用できる)。
背面。左からヘッドフォン端子、SDカードスロット、USB 3.1 Gen 2(type-C)x2、USB 3.1 Gen 1×3、HDMI出力端子、HDMI入力端子、LAN端子、AC入力、mini B-CASカードスロット、アンテナ端子。すべてのコネクタが背面にあるため、これらの端子に頻繁にアクセスするユーザは不便を強いられると思います(我が家の場合は使用用途的にこれらにアクセスすることはほとんどないと思われるため、特に困ることはないと思います)。なお、アンテナ端子は地上波・衛星波を1本のケーブルで入力するため、混合器や分波器が必要になる場合があります。
画像上部に少しだけ見えていますが、端子の上にスリットが左右1か所ずつあります。USB端子などがある側が吸気、アンテナ端子に近い側が排気となっているため、PCを設置する際はスリット周辺に熱がこもらないよう考慮する必要があります。
それではさっそくPCの性能などを確認していきましょう!
まずはいつものベンチマークから。以前宅鯖を更新する際に操作ミスをしてしまい、CINEBENCH R15のソフトウェアデータと過去のベンチマーク結果、CINEBENCH R20の過去のベンチマーク結果を消失してしまったため、今回からCINEBENCH R20のみで計測していきます。
CPUはCore i5 9400Tが内蔵されています。TDPが35Wの超低消費電力モデルで、クロック周波数は1.8GHz~3.4GHzとダイナミックに変化します。コアは6コア6スレッドです。以前ブログに投稿したCINEBENCH R20のスコアを見ると、Core i5 1035G4より少しスコアが高く、Ryzen 5 2600Xの3分の2のスコア、といったところでした。外部電源駆動のため、HPの一部のモデルで見られる電源供給能力不足による性能低下もありません。ストレージはシステムドライブに256GB NVMe SSD、データドライブに2TB HDD(SATA, 5400rpm)という、体感速度向上のための理想的な組み合わせで、実際に体感速度で遅く感じる場面はありません。
最大消費電力は120Wですが、当然常にこの電力を消費しているわけではなく、ディスプレイのバックライトがLEDであること(現在使用中のテレビは冷陰極管バックライトで、発熱もすさまじい)、テレビ視聴においてはリソースをあまり使用しないことを考慮すれば、現在使用中のテレビよりは実使用での消費電力は下がると見込んでいます。
前述のとおり背面に吸排気のスリットが設けられており、ファンも設けられていますが、ディスプレイ正面からではファンの動作音は全く聞こえませんでした。背面のエアフローに気を付ける必要はありますが、少なくともファンの音でテレビ視聴中に気が散るようなことはありません。
続いて、Pavilion 27のメイン機能であり、今回の購入理由でもある「テレビチューナー」機能ですが、正直に言うと、親に対して使い勝手の変更を強いることになりそうです。
これまで使用してきた中で気づいたポイントを挙げると、
といったように、すでにかなりの数が見つかっています。あくまでPCに内蔵されているソフトウェアの一種で、純粋なテレビとは異なることを意識づけてもらったうえで使用してもらう必要があり、場合によっては使いにくいからと現在使用中のテレビに戻されてしまう可能性もありそうです。両親ともにコンピュータ系に対するリテラシーは一定程度あり、特に父親はコンピュータに詳しいため、ひとまずはこちらでできる最大限の配慮(基本的な使い方、困ったときの応急対処などをデスクトップ壁紙などわかりやすい位置に配置する、など)を講じたうえで、予定通り引き渡そうと考えていますが、これから購入をご検討中の方は上記をぜひ参考にしてください。
ちなみにリモコンは一般的な赤外線式ではなく、過去に一部のソニー製テレビ「BRAVIA」が採用していた(もしかしたら現在も採用しているテレビがあるかもしれないがそこまでは調査していない)電波式となっており、リモコンをテレビに向けなくても反応するためその点では使いやすくなっています。
というわけで、Pavilion 27のレビューをお送りしました。外付け・内蔵チューナーによりPCでテレビが見られるようになってから久しいですが、Pavilion 27のように後付ではなく販売時点ですでにチューナーが内蔵されているのはなかなか珍しいと思います。ネット動画が当たり前になった現在、テレビもネット動画も両方大画面・高音質で楽しみたいという場合にベストな選択肢だと感じました。あとはこれの使い勝手を親に受け入れてもらえるか……そこは自分の腕の見せ所だと思うので、頑張ります(汗)。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
このPCは自分で使うものではなく、親へのプレゼント用にボーナスで購入したものです。実家のダイニングで使用している20型テレビが購入から12年が経過しており、そろそろ新調してもいいんじゃないかと個人的に感じていました。また、親は最近インターネット動画を見ることも多くなったと聞いており、テレビとネット動画を1台のマシンでシームレスに楽しむことができればと思い、このテレビチューナーつきPCを購入しました。余談ですが、当初は同じモデルの24インチを購入したつもりだったのですが、届いた商品が27インチだったため注文履歴などを確認すると27インチモデルを購入してしまっていました。注文時にサイズ選択を間違っていたようです……しかし、後述する特徴によりサイズ感は現在実家で使用中のテレビとほぼ変わらない(はず)ので大丈夫でしょう(楽観)!
それではさっそく開封していきましょう!
付属品はACアダプタ、クイックスタートガイド。このモデルはテレビチューナー付きなので、テレビチューナーソフトの取説、mini B-CASカードのほか、リモコンも付属しています。
ほかにキーボードとマウス、そしておなじみ「速効!HPパソコンナビ 特別版」。このPCの主なユーザーになる母親はPCまわりの詳しい知識はありませんが、そもそもPC使用歴が非常に長く、Windows10もリリース後すぐに利用していたため、このパソコンナビが必要になる場面はほとんどないでしょう。
続いて本体の紹介。いったんこちらで最低限のセットアップと必要な設定を行うとともに、テレビとして不便なく使用できるかを確認するため起動しています。
画面は27インチFull-HD IPS液晶です。このクラスの画面サイズになると解像度はWQHD(2560x1440)、もしくはそれ以上になることが多いですが(実際に私が自作PC用に使用している27インチディスプレイもWQHD)、ここは必要最小限のスペックとなっています。とはいえ、そもそもテレビ放送の解像度が最大でもFull HDであること(4K8K放送を除く)、実際の使用では画面から離れて視聴することから、あまり気にすることでもないと思います。
さらにディスプレイは流行の狭額縁タイプです。これにより、7インチもの画面サイズ拡大ながら縦横は数センチのサイズアップで済んでいます。ベゼルが狭いことでスタイリッシュに見え、画面への没入感も高まります。画面はマルチタッチにも対応しており、特にこのぐらいのサイズ感になるとボタンやWebリンクも大きく見えるため、タッチもしやすいです(とはいえ実家での使用用途から考えると画面をタッチして操作することはほとんどないと思いますが)。
なお、上記の画像の通りWindows10のタブレットモードを設定することもできますが(当初テレビ視聴ソフトが予期せず小さなウィンドウ表示で出たら都合が悪いと思い、常に全画面表示してくれるタブレットモードで運用しようとしていました)、テレビ視聴ソフトの画面遷移が正常に動作しなくなることが判明したため、タブレットモードは設定せず運用することにしました。また、デスクトップの壁紙は標準でカラフルな傘の画像になっていますが、Windows UpdateなどでPCが起動した際に画面がまぶしく感じたり明るさで驚いたりするのを避けるため、現在は黒一色の壁紙を設定しています(親に引き渡すまでに、黒を基調にして画像上に簡単な使い方を薄く記載した自作の壁紙を適用しようと考えています)
画面の下にはスピーカーが内蔵されています。HPではおなじみB&O playのスピーカーで、高音質のスピーカーが正面に配置されていることもあり、このサイズのテレビに匹敵、もしくはそれ以上の高音質サウンドを楽しむことができます。スピーカーグリルはファブリック素材となっており、見た目にも高級感があります。
画面上部にはWebカメラが搭載されています。Windows Helloの顔認証にも対応しており、パスワード入力の手間が省けます。Windows Update適用後の再起動後はパスワードの入力が求められるため、テレビを視聴したくてもひと手間かかってしまいますが、それを顔認証でパスできるならより手軽に運用できると思います。このWebカメラは必要な時だけ手で引き上げるポップアップ式となっており、使わないときは押し下げておくことでプライバシーにも配慮されています。
画像は撮影していませんでしたが、このほか左側面に電源ボタン、右側面にディスプレイ調整・画面入力切替スイッチが搭載されています(Pavilion 27は外部HDMI入力を1系統搭載しており、外部ディスプレイとしても使用できる)。
背面。左からヘッドフォン端子、SDカードスロット、USB 3.1 Gen 2(type-C)x2、USB 3.1 Gen 1×3、HDMI出力端子、HDMI入力端子、LAN端子、AC入力、mini B-CASカードスロット、アンテナ端子。すべてのコネクタが背面にあるため、これらの端子に頻繁にアクセスするユーザは不便を強いられると思います(我が家の場合は使用用途的にこれらにアクセスすることはほとんどないと思われるため、特に困ることはないと思います)。なお、アンテナ端子は地上波・衛星波を1本のケーブルで入力するため、混合器や分波器が必要になる場合があります。
画像上部に少しだけ見えていますが、端子の上にスリットが左右1か所ずつあります。USB端子などがある側が吸気、アンテナ端子に近い側が排気となっているため、PCを設置する際はスリット周辺に熱がこもらないよう考慮する必要があります。
それではさっそくPCの性能などを確認していきましょう!
まずはいつものベンチマークから。以前宅鯖を更新する際に操作ミスをしてしまい、CINEBENCH R15のソフトウェアデータと過去のベンチマーク結果、CINEBENCH R20の過去のベンチマーク結果を消失してしまったため、今回からCINEBENCH R20のみで計測していきます。
CPUはCore i5 9400Tが内蔵されています。TDPが35Wの超低消費電力モデルで、クロック周波数は1.8GHz~3.4GHzとダイナミックに変化します。コアは6コア6スレッドです。以前ブログに投稿したCINEBENCH R20のスコアを見ると、Core i5 1035G4より少しスコアが高く、Ryzen 5 2600Xの3分の2のスコア、といったところでした。外部電源駆動のため、HPの一部のモデルで見られる電源供給能力不足による性能低下もありません。ストレージはシステムドライブに256GB NVMe SSD、データドライブに2TB HDD(SATA, 5400rpm)という、体感速度向上のための理想的な組み合わせで、実際に体感速度で遅く感じる場面はありません。
最大消費電力は120Wですが、当然常にこの電力を消費しているわけではなく、ディスプレイのバックライトがLEDであること(現在使用中のテレビは冷陰極管バックライトで、発熱もすさまじい)、テレビ視聴においてはリソースをあまり使用しないことを考慮すれば、現在使用中のテレビよりは実使用での消費電力は下がると見込んでいます。
前述のとおり背面に吸排気のスリットが設けられており、ファンも設けられていますが、ディスプレイ正面からではファンの動作音は全く聞こえませんでした。背面のエアフローに気を付ける必要はありますが、少なくともファンの音でテレビ視聴中に気が散るようなことはありません。
続いて、Pavilion 27のメイン機能であり、今回の購入理由でもある「テレビチューナー」機能ですが、正直に言うと、親に対して使い勝手の変更を強いることになりそうです。
これまで使用してきた中で気づいたポイントを挙げると、
- リモコンの「電源」ボタンはPCの電源が"スリープから解除される"だけ(電源OFFだとそもそもリモコンが反応しない)。テレビチューナーを起動するにはその横の「テレビ」ボタンを押す必要がある。ただしスリープ状態から「テレビ」ボタンを押せばスリープ解除とテレビチューナー起動を一度に実行してくれる
- 電源OFFからの起動、Windows Updateによる再起動後はログオン操作(パスワードの入力)が必要で、それが完了するまではリモコンが使用できない
- (特に)再起動直後はリモコン操作の受付やソフトの起動に時間がかかる
- テレビ視聴アプリが非アクティブになっていることが原因でリモコン操作を受け付けないことがある(画面上のテレビ映像をタッチ・クリックしてアクティブ化することでリモコン操作が可能になるが、発生頻度が不明。再起動後の1回だけの例もあれば、スリープ解除ごとに毎回発生する例も確認済み)
- Windows Updateやその他バックグラウンド処理でPCのスリープが勝手に解除され、画面が点灯する
といったように、すでにかなりの数が見つかっています。あくまでPCに内蔵されているソフトウェアの一種で、純粋なテレビとは異なることを意識づけてもらったうえで使用してもらう必要があり、場合によっては使いにくいからと現在使用中のテレビに戻されてしまう可能性もありそうです。両親ともにコンピュータ系に対するリテラシーは一定程度あり、特に父親はコンピュータに詳しいため、ひとまずはこちらでできる最大限の配慮(基本的な使い方、困ったときの応急対処などをデスクトップ壁紙などわかりやすい位置に配置する、など)を講じたうえで、予定通り引き渡そうと考えていますが、これから購入をご検討中の方は上記をぜひ参考にしてください。
ちなみにリモコンは一般的な赤外線式ではなく、過去に一部のソニー製テレビ「BRAVIA」が採用していた(もしかしたら現在も採用しているテレビがあるかもしれないがそこまでは調査していない)電波式となっており、リモコンをテレビに向けなくても反応するためその点では使いやすくなっています。
というわけで、Pavilion 27のレビューをお送りしました。外付け・内蔵チューナーによりPCでテレビが見られるようになってから久しいですが、Pavilion 27のように後付ではなく販売時点ですでにチューナーが内蔵されているのはなかなか珍しいと思います。ネット動画が当たり前になった現在、テレビもネット動画も両方大画面・高音質で楽しみたいという場合にベストな選択肢だと感じました。あとはこれの使い勝手を親に受け入れてもらえるか……そこは自分の腕の見せ所だと思うので、頑張ります(汗)。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。