スキップしてメイン コンテンツに移動

2020年前半を振り返って~激動と挑戦の半年~

 早いもので2020年も半分が終わろうとしています。年を重ねるごとに年月の過ぎ去り方は早く感じるようになり、C97出展や久しぶりに飛行機に乗った年末年始の帰省がつい昨日のことのように思えます。私ヘスは毎年6月末にその年前半を振り返る記事を投稿しておりますが、今回も2020年前半を振り返ってみたいと思います。

 この半年間を語るうえで、新型コロナウイルス感染症の話題に触れないわけにはいきません。日常生活が大きく変化したのはもちろん、私が趣味として取り組んでいる同人活動においては、単なるC98の中止のみならず、それをきっかけとして自分の同人活動方針が大きく変化し、また本来C98やその後のオンリーイベントにぶつけるべきだった情熱のはけ口を求めて様々なことに挑戦しました。その結果、2013年以来となる「激動」というワードを用いた「激動と挑戦の半年」を発表するに至りました(ちなみに「挑戦」というワードも2016年以来2度目の採用)。

 3月27日にC98中止が発表されるまでは昨年と同等かそれ以上に力を入れて同人活動に取り組んでおり、発表こそしていませんがいくつか合同誌の企画も考案していました。当時、すでに新型コロナウイルスの脅威が徐々に日本にも到達していたころでしたが、私のスタンスとしては「昨年と同様コミケには申し込み、イベント自体が中止にならない限り新刊を携えて参加する。オンリーイベントについても新刊制作スケジュールの許す限り興味を持ったイベントには積極的に参加する」でした。同人活動を通じて交流が大きく広がった今、私がサークル出展したイベントに毎回足を運んでくださる方もいらっしゃいます。C98当落発表直後、参加を自粛するサークルさんを数多く見かけましたが、一度参加を表明したイベントを自らの意志で辞退するのは、その原因が何であれ、いつも贔屓にしていただき、新刊を楽しみにしてくださっている方々に対して失礼であると私は考えていました。新刊を待っていてくださっている方が一人でもいる限り、私は参加表明したイベントの辞退はしませんし、仮にイベント自体が中止になってしまったとしても、新刊を通販委託の形で頒布するつもりでした。
 しかし、そんなC98もとうとう中止が発表されてしまい、東京ビックサイトでの新刊頒布は叶わぬ夢となってしまいました。でも私はそれで終わりにはしたくありませんでした。当時多くの方が同じことを考えていましたが、せめて在宅でコミケのお祭り気分だけでも再現できないか、と「エアコミケ」企画を考え、新刊として製作途中だった同人誌を完成させ通販で委託販売するだけでなく、出展(するはずだった日)当日にライブ配信を行ったり、サイン本を頒布したり、バーチャルお渡し会を企画したりなど、自分にできるすべてのことに挑戦しました。
 しかし、結論としてはこれらの私の企画は失敗に終わり、C98新刊についても完売どころかC97新刊の頒布数の半分も売れませんでした。もちろんある程度の頒布数がある以上、私の新刊に興味を持ってくださった方がいらっしゃるのは事実であり、それについては感謝を申し上げるべきではありますが、「東京ビックサイトでの頒布」から少しでも形式が外れた場合、自分はまだまだ無力であることを痛感しました。ちょうど同じ時期、Twitterに投稿したイラストへの反応もかつてほど多くなくなってきていたこともあり、絶対に考えることがないと思っていた「同人活動からの引退」について真剣に考えることが何度かありました。
 その後、7月に出展予定だったStudio五組オンリーについても中止が発表され、同人即売会合わせの原稿制作が早くとも9月までなくなってしまったのをきっかけに、それまで即売会合わせ原稿や毎週のアニメ感想イラストの制作で取り掛かることのできなかったオリジナル漫画などに落ち着いて取り組むことができました。いま思い返してみれば、昨年9月以降、外部投稿用原稿・よんふぇす2019原稿・冬コミ原稿・動画工房オンリー原稿・C98新刊原稿が立て続けに来たため、およそ半年にわたって常に何かしら即売会合わせの原稿をしていたことに(笑)。いくつかの原稿は外部とも連携しながら取り組むこととなり、まだ結果は出ていませんが、このステイホーム期間に取り組んだ成果が良い結果につながれば、それ以上に嬉しいことはありません。
 また、ほんのわずかだけでも「同人活動からの引退」を考えてしまった以上、本当に引退してしまったときの次のフィールドについて、これといった熱中できる趣味もなくただ毎日仕事に明け暮れるだけの「人間」にならないために今のうちからちゃんと考え準備をしておく必要があると感じました。幸い私は過去に作曲活動をしていたこと、また友人にDJをしている人がいることなどがあり、ひとまずはここを次のターゲットとして自分でもDJMixの練習をしたりDAWソフトを久しぶりに起動して感覚を取り戻すなど少しずつではありますが準備を進めています。もちろん、同人活動においてやり残していることがまだたくさんあるため、少なくともそれらをやり遂げるまではどんな形であれ同人活動は続けていきたいと考えています。

 と、ここまで同人活動のことでかなり語ってしまいましたが、仕事面においても新型コロナウイルス感染症の影響は少なからずありました。幸い私の身の回りで新型コロナウイルスに感染した人はいませんでしたが、リスクを少しでも避けるためリモートワークが一気に普及しました。私の勤める会社ではそれまでもリモートワークの制度はありましたが、介護や子育てで出社がままならない人でも業務を行うことができるようにするための働き方改革のオプション扱いで、1人当たり年に1日以上トライアルとしてリモートワークを試すことが推奨されていた以外は基本的に出社するのが当たり前となっていました。緊急事態宣言下の4~5月は会社の方針が大きく変わり、真に出社が必要な人員を除いて原則としてリモートワークを強く推奨されました。実際に私も入社2年目ではありましたが4~6月にかけて15日ほどリモートワークを実施しました。残りの40日ほどは出社を余儀なくされていたため、感染リスクを避けるという目的が達成されたかと言われると何とも言えないところではありますが、会社に行って仕事をするだけではない、働き方の新しい形を体験できた点では有意義なものだったと思います。緊急事態宣言が解除され、今では普通に出社することが多くなりましたが、会社全体の雰囲気としてリモートワークがより身近で手軽に利用できるものになったと感じているので、これからも自分のプライベートとの兼ね合いを見ながら必要に応じて利用してみようと思っています。

 というわけで、今年上半期を振り返ってみました。例年だとこれから下半期にかけて夏コミ・冬コミと続いていたため、「その年の本番は下半期に始まる!」みたいな感覚でしたが、今年は夏コミが5月に移動された(が結局中止になった)ため、例年に比べると穏やかな下半期となりそうです。とはいえ、今年も冬コミ・よんこま文化祭への出展を考えているほか、7~8月にはまんがタイムきらら展が新潟で開催されることとなり、こちらも参戦に向けて調整しているため、イベントが目白押しであることに変わりはありません。新型コロナウイルス感染症の先行きが見通せない今日ではありますが、体調管理に注意しつつ、自分にできることを落ち着いてこなし、一日一日を大切に2020年の残り半年を過ごしていきたいと思います。

 最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。

このブログの人気の投稿

【初心者VRDJ向け】とりあえず何すればいい?DJ練習できる場所ってあるの?【VRChat】

ここ最近、VRDJが急激に増加したなぁ、と実感しています。 かくいう私もDJキャリア自体は2020年7月にスタートしたものの、VRDJとしてのデビューは今年1月なので、「急激に増加した」うちの一人にカウントされると思います。 さて、あなたはVRChatでいくつかのDJイベントに参加し、そのプレイに魅了され、「自分もDJをやってみたい…!」と思ったとします。まずは機材の購入!ということで、勢いでDDJ-400あたりを購入することでしょう(※)。 「…で、機材買ったはいいけど、結局何をすればVRDJデビューできるんだ?」 そういえばVRDJのキャリアの始め方について解説した記事ってそんなにないよなぁ(あっても情報が古いよなぁ)、と思ったので、これまで私がVRDJをやってきた中で経験した・見聞きした情報をもとに、2022年8月現在の情報で「とりあえず何すればいい?」というところがざっくりわかる記事を書きたいと思います。 なお、私は前述の通りVRDJデビュー以前に1年半近くのDJキャリアがあったことや、「我流」でやった部分が少なくなかったこともあり、これから紹介するVRDJキャリアの歩み方をほとんどたどっていません(おい)。そのため、下記で紹介している内容は実際の初心者VRDJの多くが実際に通ってきたキャリアとは異なる箇所があるかもしれません。あくまで一つの例としてとらえていただき、フレンドの方と協力し合いながら楽しくVRDJライフを送っていただければと思います。 ※個人的にはこれから長くDJキャリアをやっていきたいとお考えなら、少し値は張りますがDDJ-800を購入することをおすすめしています。DDJ-400と比較してDDJ-800の優れているポイントを解説した動画を以前投稿しましたので、ご興味ございましたらぜひご覧ください。 手順0:VRDJのフレンドを増やす …いや手順1じゃないんかい!と思ったかもしれませんが、リアルDJにしてもVRDJにしても、まずは交友関係を広く持つことが重要だと思います。 いつもとアバターが違いますが左から2番目のちっこいのが私です VRDJキャリアを始めたばかりのあなたは、言ってみれば「VRDJ」という学校に転校してきた転入生です。芸能人が転校してきた!とかであれば交友関係を持たなくても人は集まるかも知れませんが、そのような極端な例でない限り

【特集】HeXaHedronの音響システムについて

 「HeXaHedron」は、私 廻音あじおがVRChat上で運営しているクラブワールドです。2022年10月のオープン以来、「Immersive Sound Experience」をメインコンセプトに、リアルクラブのような重低音・音圧を体験できる空間づくりを一貫して重視してきました。 2024年からはこれまで複数主宰してきたクラブイベントを「Sound Freeak」に統合するとともにVRCで主宰するすべてのイベントを「HeXaHedron」や「HeXaHedron」の音響ノウハウを活用したワールドで開催しているほか、先日5月8日には音響のこだわりを受け継ぎつつライティングを一新するなどビジュアル面を強化した「Ver.3.0」をリリースするなど、「Immersive Sound Experience」を軸とした「HeXaHedron」ブランドのさらなる向上に努めています。 ありがたいことに多くのDJ・来場者にご評価いただいており、レンタルでのご利用も増加している「HeXaHedron」の特長・魅力についてより広く知っていただくため、ここに「HeXaHedron」の音響システムについて解説します。 なお、以下で解説する内容の一部は2023年11月に配信された「たまごまご」さんのライブ「VRDJに聴く!」でもお話しています。この配信では私の主宰イベント「Channel CUEration(現 Sound Freeak)」や私のDJ・VRDJの経歴等もトークしていますので、ぜひアーカイブを併せてご覧ください! 解説の前に:VRクラブで音響にこだわる意味 最近でこそ音響にこだわったVRクラブワールドはかなり増えましたが、「HeXaHedron」をリリースした2022年ごろはそういったワールドは希少で、そのワールドで開催されるすべてのイベントで配信リレーの仕組みを使ったリアルタイム音響調整の運用を行っていたのは私の知る限りHeXaHedronが唯一でした。 VRクラブでこれまで音響が重視されてこなかった背景として、Unity・VRC SDK等の技術的制約はもとより、プレイヤーによる聴取環境の違いが関係していたのではないかと推察しています。 リアルクラブにおいては一つの空間に人が集まるので、当然ながらクラブにいるすべての人が同じ条件で音を聴くことになります。一方、VRクラブや

【開封レビュー】ドスパラノートPC「Altair VH-AD」

今回はドスパラの激安ノートPC「Altair VH-AD」(以下、Altair)を購入しましたので、ファーストインプレッションをお送りします。 私は現在、大学の学科指定の実習用PCとしてMacBook Airを使用していますが、2013年に購入してもらってから3年弱使用し続け、徐々にバッテリーの劣化によるバッテリー持続時間の減少が気になってきていました。また、私は 大学院への進学 を目指しており、4年生に上がる前のこの機会に心機一転ノートPCを一新して気合を入れようと考えました。 当初はマウスコンピューターの法人向けブランド「MousePro」の13.3型ノートPCを購入する予定でした(本来は法人ユーザーしか購入できませんが、私の通っている大学では大学生協を通じて注文することで、各社の法人向けPCを購入することができるそうです)。しかし、機種の最終選定を行っていた1月8日、突然ドスパラから税込3万円未満の激安ノートPCが発売されました。とはいえ、私はドスパラのノートPC・タブレットで何度も買い物を失敗しており、今回も「どうせ安かろう、悪かろうだろう」と思い、すぐの購入は躊躇しました。しかし、デザインやインタフェースなど、魅力的な点もないわけではなく、さらに私が検討していたMouseProのノートPCのCPUの性能がドスパラの激安ノートPCよりわずかしか上回っていないことがweb上に掲載されているベンチマークの結果から判明し、「使用用途的にもそこまで性能は必要ないし、性能がほぼ同じならより安いほうがいいだろう。もしまた購入に失敗しても3万円未満であればあきらめがつくし」ということで、購入を決意しました。今回は購入にあたって売却したものはありませんが、下取りサービス(PC(壊れていても欠品があってもOK)を無料で引き取り、購入価格から1,000円値引いてくれるサービス)を利用し、いろいろあって売却不可能になったWindowsタブレット「DG-D08IWB」を出すことにしました。普通に買い取りに出そうとしても値がつかない商品を実質1,000円で買い取ってくれると考えれば、動かないものを手元に放置するよりかはマシでしょう。 それではさっそく開封していきましょう!なお、私は以前ノートPCとしてドスパラの「Critea DX4 with Bing」(以下、Critea