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【開封レビュー】HP Spectre x360(2019年12月モデル)

今回はHPのコンバーチブル2in1「Spectre x360」の2019年12月モデルを購入しましたので、開封の様子とファーストインプレッションをお送りします。
 ヘスは去年12月に2in1としてSurface Pro 7を購入したばかりですが、使っていく中でSurfaceのタイプの2in1は自分には合わないと判断し、2か月半という短期間ではありますが手放すことにしました(実はほかにも売却に至った理由がありますが、それはまた別の機会に話すことにします……)。やはり自分にはSpectre x360のようなコンバーチブル2in1が合っていたようです。
 なお、ヘスは過去にもSpectre x360(2017年11月モデル)およびENVY 13 x360(2019年モデル)と、コンバーチブル2in1を2機種使用していた時期があり、これらとも比較しながらお送りしていきます。

 それでは早速開封していきましょう!今回購入したのは量販店モデルで、HP Directでいうところのベーシックプラスモデル(i5, 8GB RAM, 512GB SSD+32GB Optane Memory)です。ヨドバシカメラで購入したのですが、いろいろな割引を駆使した結果、HP Directのベーシックモデルよりも安く購入できてしまいました(笑)。
冒頭の外箱を開封すると、Spectreシリーズ専用の化粧箱のほか、専用キャリングポーチ、そして「速効!HPパソコンナビ特別版」が入っています。ENVY 13 x360ではこのあたりの梱包が簡素なものになっていましたので、やはりここは最上位モデルだなぁ、と感じます。

化粧箱を開封するといきなりPC本体が顔を見せますが、それは後で紹介するとして、先に付属品を紹介。まずはセットアップ手順などのドキュメント一式。

ACアダプタ、ACケーブル、ウォールマウントプラグ、そしてSpectreアクティブペン。付属品の時点ですでに豪華装備なのですが(笑)、一つずつ紹介すると、PCはUSB PDでの給電なのでコネクタはUSB type-Cとなっています。そしてケーブルはスリーブ巻きとなっており、耐久性が高いだけでなく、見た目にも高級感があります。

そして、Spectre x360にはアクティブペンが付属しており、購入してすぐペン入力を試すことができます。傾き検知はありませんが、Surfaceシリーズをはじめアクティブペンは別売りとなる場合が多い(しかも結構高い)中で、最初からPC本体の特長を活用するための周辺機器が付属しているのは「さすが最上位モデルだけあって、わかってるなぁ」と感心してしまいました。

 それでは本体の紹介と行きましょう!
今回購入したのはポセイドンブルーです。ほかにアッシュブラックがあります。ブルー、といいつつ側面やヒンジ部分、天板のHPロゴにゴールドがあしらわれており、高級感があります。購入前にWebで商品画像を見たとき、ゴールドのアクセントは外に持ち出したときにちょっと目立ちすぎるのでは、と思っていましたが、店頭で実機を見てみると、少し渋みのあるゴールドといった感じで、思ったより主張しないカラーリングに感じました。

Surface Pro 7の売却直前に撮影したツーショット。フットプリントとしては縦幅がSurfaceより小さく、横幅が少し大きいぐらいです。Spectre x360はベゼルを極限まで削ることにより、13インチディスプレイを備えながら従来の11インチノートPCに匹敵するフットプリントを実現しています。
 重量は1.24kgで、以前所有していた2017年11月モデル(1.29kg)やENVY 13 x360(1.28kg)より少しだけ軽くなっていますが、近年は1kgを切るモデルも多いため、飛びぬけて軽いわけではありません。特にタブレットモードで使用する際は1.24kgがそのままかかってくるため、Surface Pro 7に比べるとタブレットとしての機動性は劣ってしまいます。Surface Pro 7のレビューでも述べましたが、このあたりはそれぞれの機種ごとに一長一短ありますので、主に使用するスタイル(ノートPCとして使用することが多いか、タブレットとして手にもって使用することが多いか、など)を検討して自分に合った機種を購入するのがよいでしょう。

裏面。吸気口とゴム足、スピーカがあります。

左側面。電源ボタン、ヘッドセット端子、USB type-A端子があります。ヒンジ側の角が切り落とされており、そこに電源ボタンが配置されています。USB type-Aも装備されていますが本体デザイン上端子をそのまま搭載することはできず、機器を接続する際は端子の下側を押し下げることになります。とはいえ、このクラスの薄型ノートPCでUSB type-A端子を搭載しているのはいざというときに変換アダプタなどを必要とせず助かります。
 なお、2019年12月モデルにはLTEモデルもあり、その場合はUSB type-A端子の隣にSIMカードを挿入するトレイがあります。

右側面。USB type-C端子(Thunderbolt)×2、Webカメラスイッチ、microSDカードスロットがあります。こちらもヒンジ側の切り落とされた部分にUSB type-C端子が一つあり、例えばACアダプタを接続した際に右側面のクリアランスが最小限で済むメリットがあります。

ディスプレイ側も同様に切り落とされているため、ディスプレイを回転させても接続機器に干渉しない、絶妙な配置です。
 WebカメラスイッチはWebカメラの回路を物理的に切断することができるもので、プライバシーを気にするユーザにとってはカメラをシールなどで目隠しする必要がありません。

ディスプレイ部。上下左右のベゼルを極限まで削っており、画面への没入感がさらに高くなっています。しかも、狭額縁ディスプレイでは画面下部にWebカメラが配置されることが多いところ、Spectre x360は小型のカメラユニットを採用し、従来通りディスプレイ上部にカメラを配置しています。IRカメラも搭載されており、Windows Helloの顔認証も利用できます。
 ディスプレイはFull HD IPS液晶画面です。HP Directのパフォーマンスプラスモデルでは4K OLEDディスプレイとなっており、高精細・高コントラストです。Surface Pro 7は照度センサが搭載されており周辺の明るさに応じて画面の明るさが変化しましたが、Spectre x360は従来モデルと同様照度センサはなくディスプレイの明るさは手動で切り替えることになります。

キーボード面。HPとしては標準的な配列で、やはりEnterキーの右横に1列キーが並んでいます。私はHP以外のPCも含めこの配列は今回のSpectre x360で4台目になるのでさすがに慣れましたが、好みが分かれる部分になるので、初めて購入する場合は事前にタッチアンドトライを十分に行うことをおすすめします。キーボードにはバックライトが搭載されていますが、前述のとおり照度センサがないためオンオフは手動です。ただしバックライトオンでも一定時間無操作だと自動的に消灯しバッテリに配慮しています。
 ベゼルを大きく削った影響で、2017年11月モデルやENVY 13 x360でキーボード上部に搭載されていたスピーカが2019年12月モデルでは廃止されています。細かい変更に思えるかもしれませんが、実際に使ってみると底面のスピーカだけで音を発するため、机に置いているときと膝に置いているとき、タブレットモードで使用しているときとで音の反射度合いが変わり、音質が結構変化します。
 タッチパッドはベゼルが削られた割には大きさの影響は受けておらず、ENVY 13 x360と同程度のサイズに感じます。その右には指紋センサも搭載されており、Windows Helloの指紋認証を利用することができます。例えば直射日光下など顔認証がうまくいかないときは指紋認証を利用するなど、状況に応じて認証方法を使い分けることができ、大変便利です(といってもIRカメラの性能も2017年11月モデルから向上しており、多少周囲が明るいぐらいであれば問題なく認証するため、私自身両方登録はしているものの結局顔認証しか使用していませんw)。

 それではハードウェア性能について詳しく見ていきます。前回Surface Pro 7のレビューからCINEBENCHはR15とR20を併用することとしましたが、Spectre x360もクリスタやイラレなどの使用を前提に購入したためR15とR20の両方のベンチマークを計測します。


まずはR15のCPU・OpenGLの計測結果。

こちらはR20の計測結果。いずれも明るい橙色がSpectre x360、暗い橙色がSurface Pro 7のスコアです。
 CPUはいずれもCore i5 1035G4であり、本来であればスコアはほぼ横並びになるところですが、意外にもすべてのベンチマークでSurface Pro 7を下回る結果となりました。しかもSurface Pro 7はファンレスなのに対し、Spectre x360はファンありであるにもかかわらず、です。それどころか、ENVY 13 x360のRyzen 7モデルにすらベンチマークで劣っている結果となってしまいました。クロックを確認すると、やはり……2017年11月モデルでも見られた、電力供給が不足することによる性能低下が発生していました。いずれのモデルも発売当時のHPのノートPCの中で最大のバッテリー持続時間を誇っていることから、長いバッテリー持続時間を実現するためにあえて電源周りを細く作っているのではないかと考察しました。自作erとして、そのような電源管理の仕方はなんとも納得がいきませんが……
 一方、普段使いにおけるレスポンスは、逆にSpectre x360のほうが良く感じました。クリスタでタッチ操作で拡大縮小を行うと、Surface Pro 7はTBがあまり効かずもたもたした操作感なのに対し、Spectre x360はTBが積極的に動作しておりiPad版とも遜色のないスムーズな操作でした。Spectre x360は動画エンコードなどに使う予定はないため、ピーク性能よりは普段使いのレスポンスが重視されるところですが、その点ではSurface Pro 7に勝っているのかな、と感じました。

 ディスプレイはマルチタッチに対応しているほか、ペン入力にも対応しています。前述のとおりペンも付属しているため、別途購入しなくてもすぐペン入力を試すことができます。

 TDPは15Wで最近のモバイル向けCPUとしては標準的な数値となっています。Surface Pro 7は同じCPUを搭載していながらファンレスであったのに対し、Spectre x360はファンありです。普段使いにおいては負荷がかかることはほとんどなく、動画視聴程度ではファンが回ることはほとんどありませんが、ベンチマークなどで高負荷がかかるとファンが回り始めます。なお、エアフローとしては底面から吸い込みヒンジ側に排気する、2017年11月モデルと同様のものとなっていますが、エアフローが大幅に改善されており、ファンが回っているときに排気口に手を近づけると強力に排気されているのを感じます。

 カタログスペック上のバッテリー持続時間は最大22時間とされていますが、おおむねスペック通りだと感じました。ENVY 13 x360ではスリープ状態のまま充電を開始するとその後の挙動が不安定になることが時々ありましたが、Spectre x360では今のところそのような症状はありません。ただし、モダンスタンバイを採用しているためか、スリープ状態で電源を接続するとカバーを閉じた状態であってもスリープが解除されます。電源ケーブルを外すと、カバーを閉じた状態では再びスリープ状態に移行しますが、電源ランプが充電中点灯していたり、バックグラウンドタスクの負荷によってはカバーを閉じているのにCPUファンが高速で回転したりして、違和感があります。MacBookシリーズも充電中はカバーを閉じても電源がオンのままなので、それと同様の状態だと思うことにします(笑)。

 というわけで、Spectre x360(2019年12月モデル)のレビューをお送りしました。2017年11月モデルを購入した際は、それまで自作PCでやってきたことをノートPCに完全に移行し、自作PCからは卒業することを見込んでいましたが、今回購入した2019年12月モデルはSurface Pro 7の置き換えのみ行い、自作PCは自作PCとして引き続き使用することとします。イラスト制作などで必要とするリソースが当時よりも大幅に増加しており、ノートPCではその要求を満たすことができない(もしくは満たすことができたとしても非常に高額になる)ためです。自作PCで使用しているのと同じソフトウェアをインストールしているため、屋外で作業をする際や実家への帰省時に活用していきたいです。

 最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。

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