私はスマートフォンをリュックやカバンに入れて持ち歩くことが多く、特に屋外ではマナーモードに設定していることもあって通知にすぐ気づくことができません。リュックなどに入れて持ち歩く際は時々スマートフォンを取り出して通知を確認するようにしていますが、例えば電話がかかってきたような場合などすぐに反応することは難しいです。また、以前からスマートウォッチに興味はありましたが、大手メーカーのものは高額なものが多く、なかなか手を出しづらい部分がありました。そんな中、5千円台という手ごろな価格で購入できるスマートウォッチがあることを知り、「まずはスマートウォッチのある生活を体験してみよう」という軽い気持ちで(笑)購入した次第です。
それでは早速開封していきましょう!
パッケージは普通。非常にコンパクトです。付属品も充電ケーブルと取扱説明書のみと極めてシンプルです。なお、取扱説明書は日本語にも対応しています。
本体と充電ケーブル。バンドはゴム製ですが、アジャスターに金属が使われており、チープさは感じません。表示板周辺にはダイヤモンドカットも施されているなど、5千円という価格を感じさせないデザインで、シンプルな外観と相まって誰がつけても違和感を感じないものとなっています。
充電ケーブルはマグネット式で、ケーブルを時計裏側の接点にくっつけて充電します。接続方向が決まっていますが、磁石の極性によって、誤った方向で接続されてしまわないように配慮されています。ただし、接点が汗や垢で汚れていると接触が悪くなってうまく充電できなくなることがあるので、時々掃除したほうがよさそうです。
実際に装着してみるとこんな感じ。本体が非常に軽く、ゴムバンドも柔らかいですので、装着していることを忘れるぐらい軽快です。多少緩くても心拍数は計測できますので、きつく締める必要はありません。また、低価格ながら本体はIP67防水・防塵対応ですので、雨に降られても浸水の心配はなく、運動などで時計本体が汚れても水洗いできます。
それでは実際に使用してみた感想を。
画面はモノクロ有機ELパネルとなっており、暗闇でも文字が判別できますが、直射日光下では光量が不足し、盤面が見えにくくなります。盤面はタッチパネルとなっており、タップ、長押し、上下方向のスワイプのみですべての操作が完結するきわめてシンプルなUIとなっています。物理ボタンはなく、電源オンは画面を長押し、電源オフはメニューから「Power Off」を長押しすることで行います。が、後述の通りバッテリーの持ちがかなりいいので、普段は電源をオフにする必要性を感じません。
画面を点灯させるには画面をスワイプするほか、時計を付けた手を持ち上げ、手首を軽く振ることでもできます。これがなかなか直観的で、普段時計を見ようとする動作をするだけでたいていは画面が点灯するため、ストレスを感じることがありません。この動作で画面が点灯しなくても手首を軽く振れば画面が点灯するため、画面を点灯させるために右手が煩わしくなることがありません。なお、時計表示のデザインは数種類の中から選ぶことができ、デフォルトのデジタル表示のほか、アナログ時計風の表示にすることも可能です。
この時計を活用するには「iWOWNfit」というアプリをスマートフォンにインストールする必要があり(Android・iOSの両方に対応)、ユーザーアカウントを作成する必要があります。歩数や心拍数などの活動量計測、携帯電話の通知をスマートウォッチで受け取るなどの設定はこのアプリ上でしか行うことができず、作成したユーザーアカウントでログインしないと設定できないため、この機会にアカウントも作成してしまいましょう!
この時計で通知を受け取ることができるのは、デフォルトでは電話・SMS・Facebook・Twitter(公式クライアント)・WhatsApp・Skype・LINE・カカオトーク・GMailがあります。このほかにも通知を受け取るアプリを追加することができますが、すべてのアプリが対応しているとは限りませんので、手元の環境で試してみてください(Androidの場合、通知センターに表示される内容がそのまま時計に表示されるようなので、通知センターに通知を表示することができるアプリであれば基本的にどのアプリでもOKのようです)。また、一部のアプリについては通知を有効にしているにも関わらず通知が時計に表示されないこともあるため、使用時に確認が必要です(私の環境では、SMSアプリのみ通知が全く来ません。また、一部のアプリで通知の内容が表示されず、アプリ名や(SNSアプリの場合)差出人のみが表示されることもあります)。日本語表示にも対応していますが、ネイティブではない(ひらがな・カタカナ・英数字は問題ないが、一部の漢字が間違って表示されたり、中国語由来の漢字表記となる)のであまり期待しないほうがよさそうです。しかし、通知が来ると振動で伝えてくれますので、少なくともスマートフォンにどのアプリの通知が来たかぐらいは知ることができ、対応を取ることができます。また、振動はツブがはっきりとしたもので、手首に直に伝わるため、通知を取りこぼす心配もありません。
活動量計測は(信頼度が高いとはいいがたいものの)十分実用レベルです。時計を装着したまま就寝すると、就寝中の心拍数の変化から睡眠時間、睡眠の深さなどを自動判定し、眠りの質を点数で算出してくれます。が、実際の睡眠時間とのずれがあったり覚えのない睡眠が検出されたりと、精度はあまり高くないようです。運動中の活動量計測についても、歩行・ランニング・サイクリングなどを自動判別し、心拍数の変化などから運動の強弱の判定、推定消費カロリーの算出などを行ってくれますが、じっと座っているだけなのになぜか有酸素運動を行ったことになっていたりと、運動の判定の精度は高くありません。一方、運動をしていたのに活動量計測では運動していないことになっている、ということはなく、単純に運動時の活動量のみを知りたい場合においては計測されたデータが大いに役立つといえます。
また、このスマートウォッチで計測した活動量データは、iWOWNfitアプリ経由でGoogle fitアプリに渡すことができ、日ごとのより細かい運動の記録(どのぐらいの速さで走っていたか、標高の変化はどれぐらいだったか、高低差などを考慮した消費カロリーはどのぐらいか)をつけることができ、毎日の運動の記録に大変便利です。運動の記録を「見える化」することで「今日はこれだけ頑張った!」「今日はあまり運動できなかったから、明日はもっと運動しよう」などといったモチベーションにつなげることができます。
バッテリーの持続時間ですが、実際に一日中時計を装着して外出したり就寝したりしてみたところ、一週間以上バッテリーが持続することが確認できました(外出中にバッテリーが切れると手元で時刻確認や通知の受け取りができなくなるため、バッテリー残量20%に達した時点を最長の持続時間としました)。私はこの時計で通知を受け取るアプリを多数(デフォルトで通知を受け取ることのできる電話・SMS・GMail・Twitter・Skype・LINEのほか、Wantedly Chat・Google Keep・NHKニュース防災アプリ)設定しており、頻繁に通知で時計が震えたり画面が点灯したりするほか、活動量計測(10分に1回の心拍数計測と歩数計測)も行っています。それにもかかわらずバッテリーの持ちが極めて良く、バッテリーで動作していることを忘れさせてくれます。充電時間も短いですので、気が付いた時にマグネットをカチッとセットすればすぐにバッテリー残量を復活させることができ、数日間充電できないような状況においても(残量が危ういなどでない限り)すぐにバッテリーが切れて使い物にならないということはまずありません。
2017年4月10日追記: 私は自室にいる際はスマートウォッチを着用しておらず、活動量計測や通知の受け取りは不要のため電源を切って放置しているのですが、この場合バッテリー持続時間はさらに1週間増加し、私の使用状況だと2週間ほどバッテリーが持続しました。上述のとおり電源を切らなくてもバッテリー持続時間は十分長いですが、盤面裏側に備わっている心拍数計測のためのLEDランプが10分ごとに点滅したり、近くにスマートフォンが通知音の聞こえる状態で置いてあるにもかかわらずスマートウォッチも通知で振動したりといったことが気になる場合は必要な時だけ電源を入れるのがよいでしょう。
というわけで、I6 Proのファーストインプレッションをお送りしました。Apple WatchやOSにAndroid Wearを採用したスマートウォッチに比べると、音声入出力がない・NFCがないなど、機能はごく限られていますが、スマートウォッチの最低限の機能は一通り扱うことができ、また機能を絞ったことで5千円台というお手ごろな価格で購入することができるため、初めてのスマートウォッチに最適な一台と言えるのではないでしょうか。私は活動量計測はもちろんのこと、なんといっても通知を手元でいつでも確認できるようになったことで大事な電話やメールにこれまでよりも早く気付くことができるようになったので、より効率的なスマートフォンライフを送ることができるのではないかと期待しています。実はすでにスマートウォッチの通知に2度も助けられてたりします(2回とも大学の研究でお世話になっている企業の方からの着信で、当時マナーモードに設定していたためスマートウォッチがなければ気付くことができず、相手方に迷惑をかけるところでした)。今後は活動量計測も活用し、学内のジムで運動をする際の計測などにもこの時計を活用していきたいです。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。